開業保健師の事業づくり
起業したら、挑戦したいことがありました。
でも自分にできるかどうかわからないし、何からどう始めたら良いかわからなかったので行動に移せずいました。
自分のやりたいことや目標を人に話すのは苦手な私でしたが、コーヒーを飲みながら、たまたまポロッと話せた人がいます。
株式会社Piece for Smie 代表取締役社長の森本さんです。
こんなやりとりから、弊社の事業「中小企業向け健康経営支援サービスBizcal-ビズカル-」は生まれました。
この会話を交わしたのは2023年の4月末。そこからゴールデンウィークもお盆もお正月も返上で、ずっとBizcalのことを考えてきました。
今回はこのBizcalを一つの例にして、開業保健師の事業づくりについて書いてみたいと思います。
「つくっては壊す」を繰り返す(5〜9月)
この時期は、何度も何度も事業計画をつくりました。
解決したい課題は何か
対象となる顧客は誰か
どのように課題を解決するのか
競合と比べた時の強みは何か
自分では「これだ!」と思った完成版の事業計画も、森本さんに見てもらうとまだまだらしい。
自分でつくった(言ってみれば、その時点での自分史上最高レベルの)事業計画を壊して、またつくり直すというプロセスは修行のようでした。
自分の出来なさばかりが目につき、周りと比べては「私って、なんて底辺にいるんだろう」と落ち込む毎日でした。
でも落ち込む姿を人に見せたくないという強がりな性格もあり、見た目は白鳥のように優雅(?)で余裕のあるふりをして、足元では必死にもがき続けていました。
誰にも見向きもされない(10〜11月)
この頃から、チラシやランディングページなどにも着手しました。当時は「自分の納得のいく形に整えてから世に出したい」という謎のこだわりがありました。
でも結局、チラシからもランディングページからも、お問い合わせは1件も来ませんでした。
「誰にも見向きもされないサービスだった」
何も始まっていないのに、落ち込みました。
この頃はあまり眠れなかったし、泣いてばかりいたような気がします。
今となっては、チラシもランディングページも「カッコつけてこの時期に無理して作る必要はなかった」ということはわかります。この時にやるべき大事なことは他にあったからです。
でも一度トライしてみないと納得しない頑固な性格なので、早い時期に失敗して痛い目を見たのは良かったと思います。
誰に、どんな価値を提供できるのか(12〜2月)
「良い事業ができた」と思い込んでいたけど、誰にも見向きもされなかった。
この現実を受け止めて、もう一度、事業計画づくりに戻りました。
でも、ふりだしに戻ったとは思いませんでした。最初の頃のように、人と比べて落ち込むということも少なくなりました。
「昨日の自分よりも頑張る」という気持ちで、毎日少しずつ限界突破してきたので、数ヶ月前の自分や会社と比べると、「今の自分や会社は少しずつ成長できている」と思えるようになったからです。
ヒアリングと事業づくりを進めるにあたり「次こそは“良い事業”をつくって、たくさんの会社に必要とされたい!」という気負いはもうなくなりました。
ある素敵な社長さんと出会って「たくさんの会社に売れなくても良いから、この社長さんの会社に必要とされる事業を丁寧につくろう」と思えたからです。この社長さんがBizcalにとって最初のお客さまになってくれました。
ここから少しずつ、Bizcalが動き出しました。
クヨクヨできたから今がある
Bizcalが動き出すまでの約1年は、大袈裟な言い方ですが、今まで生きてきた中で一番しんどかったです。仕事において、こんなにクヨクヨしたり落ち込んだりしたことはありませんでした。
コーヒーを飲みながら、森本さんがこんな言葉をかけてくれました。
「経営者は孤独だ」と言うけれど、森本さんはじめ支えてくれる人たちがいるおかげで、私はそこまで孤独ではないと思っています。
昨日の自分より少し頑張ること、クヨクヨは原動力に換えること、仲間をつくること。この3つを大切にして、開業保健師3年目も奮闘中です。
余談ですが、Bizcalでお世話になっている森本さん、舛森先生と一緒に「医療従事者向けスタートアップセミナーShine」を新たに始めることにしました。一歩踏み出したい医療従事者向けのオンラインセミナーです。ご縁の中でお仕事ができることに感謝です。
一歩踏み出すということは、しんどいことも多いかもしれません。でも、見える世界が一気に広がって、間違いなく成長スピードが加速します。
一歩踏み出し続ける好奇心と行動力、大切にしていきたいです。