なぜ海外の童話の悪役は狼なのか?〜何となく知ってることをそれなりに知る〜
なんとなく知ってるけど、聞かれるとよくわからない。そんなことを調べでここに残すシリーズ。今回は、なぜ海外の童話の悪役は狼なのか?
です。
狼は、多くの国々の童話や伝承で印象的なキャラクターとして登場します。
この生物がなぜ童話の中で頻繁に悪役として描かれるのか、その背景には深い史実と文化が絡み合っています。
ヨーロッパでは、フランスの『赤ずきん』や、英国の『三匹の子豚』に見られるように、狼は策略家として、また捕食者として描かれます。
中世ヨーロッパの農村地帯では、狼が家畜を襲う存在として恐れられていました。
これが、狼の贖罪的イメージの源流となっています。
ロシアや北欧の伝承でも狼の存在は顕著。特に北欧神話における狼フェンリルは、神々の敵としての役割が与えられています。
でも不思議なのはアジア、特に日本ではあまり狼の悪役が出てくる昔話が出てこないこと。
実は、日本においても狼は特別な存在でした。
日本の古い伝承や神話には、狼を神聖視する文化が色濃く残っています。
狼は山の神の使者として、また、狩猟の神として崇められていたのです。
しかし、これはヨーロッパとは対照的で、日本の狼はある意味で人間と共生の関係を築いていました。
そのため、日本の童話や伝承において狼が悪役として描かれることは少ないのです。
童話や伝承に登場する狼のイメージは、その土地の歴史や文化、そして人々と狼との関係性が反映されています。
ヨーロッパでの狼のイメージと日本のそれとは、その背後にある文化や歴史が大きく影響していることが理解できるでしょう。
何となく見てた童話の狼にはそんな意味があったんですね。
それでは素敵な日常をお送りください。