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【FP】お金があれば幸せなのか<前編>
こんにちは、FPウタです!
いつも投資や資産運用について相談を受けています。
その中で一つのテーマが「お金があれば幸せなのか?」です。
資産運用の目的はお金を、そして資産を増やすことです。
しかし、いくら増やせば良いのかはっきりとした目標を設定できる人は多くありません。
また幸運にも、宝くじが当たったり、高額な遺産を相続することによって、結果的に不幸に見舞われる事例も聞かれます。
そこで宝くじが当たるなど、思わず大金を手にした人がなぜ破産してしまうのか?いくらあれば幸せなのか?を、心理学や研究結果から紐解いていきます。
宝くじの高額当選者の約7割が数年以内に破産する
今日は「宝くじの高額当選者の約7割が数年以内に破産する」という俗説を調べました。
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「宝くじの高額当選者の約7割が数年以内に破産する」という俗説の始まりは、上記の全米金融教育機関(以下、NEFE)がその統計を発表したとありました。
しかし、調べたところこれはそのような研究データがあるわけではありませんでした。NEFEが開催した研究機関の議論の中で、参加者の一人が一例を挙げただけでした。
その事例が様々なメディアで引用され、「宝くじの高額当選者の約7割が数年以内に破産する」という定説ができたようです。
それほど衝撃的な内容だったということですね!笑
一方で個別の事例を探せば、宝くじの高額当選者が結果的にお金を失い不幸になったという話は枚挙にいとまがありません。
そこで「宝くじの高額当選者の約7割が数年以内に破産する」可能性を、心理学から考えてみました。
注目したのは「パーキンソンの法則」と「ラチェット効果」です。
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パーキンソンの法則
イギリスの歴史学者・政治学者、シリル・ノースコート・パーキンソン氏(1903〜1993年)が発表しました!
「支出の額は、収入の額に達するまで膨張する」
つまり収入が増えても、増えた分だけ支出も増えてしまうという研究結果です。予期せぬお金が転がり込んできたら、意外に散財してしまったり、収入が増えたら、毎月の生活費も増えてしまうことに、思い当たる人もいるのではないでしょうか。
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ラチェット効果
アメリカの経済学者、ジェームズ・デューゼンベリー氏(1918〜2009年)が1969年の著書の中で発表しました。デューゼンベリー氏はハーバード大学の名誉教授を歴任し、ジョンソン大統領の政権下において、大統領経済諮問委員会のメンバーに抜擢されるなど幅広く活躍しています。
「一度生活水準が上がると、収入が減っても支出は減らない」
この結論に至った理由の考察は以下の通りです。
物価が上昇して実質的な購買力が低下したり、増税などで可処分所得が減少したりしても、貯蓄を取り崩すなどして、消費者がそれまでの消費水準をしばらくの間維持しようとすることと述べています。
「宝くじの高額当選者の約7割が数年以内に破産する」理由
収入が増えるほど支出が増えるという「パーキンソンの法則」と「生活水準が上がると、収入が減っても支出を減らせないという「ラチェット効果」から、宝くじの高額当選者が破産する理由も見えてみました。
高額当選など極端にお金が増えると、増えると同時に支出も増えてしまう。
高級車を買ったり、家を買ったり、毎月の生活水準が上がったりですね!
そしてお金が減ってきても、その生活をやめられない、止まらない。
結局、収入がないままお金を使い果たしてしまうという結果に至ると考えられます。
まとめ
これは宝くじの高額当選者に限らず、資産運用をする上でも常に気に留めておく必要があります。
なぜなら投資や資産運用で利益が出たからといって、それを消費に回してしまったら、結局パーキンソンの法則通り、支出が増えるだけで意味がありません。
出た利益を再投資してこその資産運用です。
ぜひ短期的な利益に飛びつくことなく、生活水準を維持しながら長期的な計画のもとに生活を送っていきたいですね!
次回は「お金があれば幸せなのか<後編>」として、いくらお金があれば幸せなのかについて考えてみようと思います。
最後までお読みいただきありがとうございました!
FPトッキー