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TRPGログ本をつくった備忘録(ロトあだ編)
普段完全テキセ(文字だけのやり取りでセッションをする形式)でCOC6版を中心に遊んでいます。
やっぱり自陣のログを物理的に手元においておきたい…!!ので、こつこつ(たまにサボりながら)、やっと一冊つくったのでその備忘録。
今回作るのはCOCシナリオ『ロトカ・ヴォルテラの愛堕討ち』のログ本!
仕様を決める
◆今回の仕様予定
・A5サイズ二段組
・表紙はマットな質感にしたい
・しおり紐は不要
・遊び紙(和風)がほしい
・ログ本文はモノクロ、巻末にPC紹介をカラーでのせたい!
今回ログ本を作るシナリオ、和風な雰囲気があるので、遊び紙に和風なものを入れたいなと。同人誌の遊び紙、憧れだったんですよね、だから入れてみたくて。
あとせっかくカラーで立ち絵描いてるから、巻末にカラーでのせたい!!とまだ本作りに慣れてないのに、風呂敷はどこまでも広がる。
可能なら挿絵もいれてみたかったんですが、挿絵まで用意しようとすると一生かかっても完成しない気がしたのでやめました。
仕様(最終的にできたもの)
・サイズ:A5サイズ
・構成:二段組
・文字サイズ:12pt
・表紙:新バフン紙N きぬ 180kg(マットPP加工)
・本文:淡クリームキンマリ90kg、モンテシオン
・遊び紙(表紙の下):和柄(紅)
・ページ数:160P(ログ本文148P、カラーページ8P、表紙裏表紙4P)
・奥付手前にカラー見開きでPC紹介
今回はこんな感じ。A6(文庫サイズ)とA5で迷ったが、TRPGのログ本となると描写より短い会話文のやり取りが多いのと、単純に文量が多くてA6だとP数がすごいことになりそうだな…とA5にしました。小説だったらA6サイズでつくってみたいかも。
あとはA5サイズが好きだからというのもあります。A5サイズ可愛くて、好き…。
印刷所を決める
さっきの仕様で作れそうな印刷所さんを探します。初めて作るログ本、できればなるべくこだわりたい…。自分がもともと狙っていた印刷所さんや、SNSのフォロワーさんにおしえてもらった印刷所さんから選ぶことに。10冊以上だとだいぶ選択肢広がるんですけど、10冊もいらないしなあ!?と1~5冊で探しました。
■STARBOOKS
こちらのメニューにある「オンデマンドカスタム」、一冊からかなりこだわって作れる!!RGB入稿も可能。オプションを選べばRGBの再現性を高めてくれるとのこと。
事前の見積もりで、モノクロ・カラー混合も選べるし、遊び紙や特殊紙も豊富で、このログ本を作り始めた二年前(!?)から狙っていたんですが、タイミング悪く、同人誌系が受注制限期間に。泣く泣く諦めました…。次があったら利用したい。
■しまうまプリント
こちらも一冊から作れる。イラストログ本でお世話になってる印刷所さん!前の記事でも書きましたが、WEBブラウザ上で原稿作成、入稿、支払い全部できるの本当に簡単で大好き。レイアウトにこだわりなければ、ぽんぽんイラストをアップロードして配置できるの最高。あまり仕様にこだわらない+漫画やイラスト本ならここで良かったんですが、今回は膨大なP数+文章系+用紙にこだわりたいので、見送り。
■シメケンプリント
フォロワーさんに教えていただいた印刷所さん。こちらも一冊から作れる。
巻頭口絵カラーとしてだけじゃなくて、本文にカラーページ挿入がメニューに既にある。そして安い。
RGB⇔CMYK変換ツールや、小説PDFメーカーなど、便利なツールもいっぱい!小説ならここでいいんじゃないかな…。
オーダーメイド見積もりもできるし、時期的なものもあるのか返答早くて嬉しかったです。
ただ、今回は用紙にこだわりたかったのと、RGB原稿で表紙もカラーページもつくっていて、これをCMYKで違和感なく修正する方法がわからなかったので見送り。
表紙だけならブックカバーをRGB再現性の高い印刷所さんで別で作るっていうのもありだったかもなあ。
■なないろ堂
フォロワーさんに教えていただいた印刷所さん。五冊からつくれる印刷所さん。発色が鮮やかでRGB原稿の色合いもきれいに出そう。
用紙も色々選べるし、遊び紙に和風のものがあって、五冊もいるか?とおもいつつ、今回はここにしました。
モノクロ・カラー混在については、カラー口絵というオプションがあったんですが、基本巻頭っぽかったので、改めて問い合わせをし複数回遣り取りをしたあと、上述した仕様で作ってもらえる感じに。
入稿用のデータを作成する
中身がなければ本はできない、ということでテキストログを片手に修正していくんですが、膨大~~!!
自分がほしいから始めた物語なので、全ログ(HTML形式)のものを、いったんコピペですべてテキストエディタに貼り付け。
膨大~~!!(二回目)
(雑談を除いたメインログだけならまだ少なかったかもしれないんですが、完テキセの雑談にある発言がなかなか当時の楽しさがにじみ出ていて捨てがたいんですよね…)
ここから文章の構成は好みによると思うんですが、ログ本!!って感じなのを出したかったので、
・基本、[メイン]、[秘匿]、[雑談]、[情報]の内容は反映する。
(ただし、盤面に関する反応や関係ないシナリオの話しは消す。立ち絵や差分、背景、数日に分けたセッションなので挨拶とか)
・文頭の[雑談][メイン]や発言者名を残す。
・ダイス判定を残す。
・メインと雑談と秘匿の描写がリアルタイムで入り乱れているので、まとめれそうな部分はまとめる。
感じで整形していくことにしました。もうここからは自分との戦いですよ。誤字脱字の修正、半角全角入り乱れているところの統一、横書きを縦書きにしたことで記号が崩れているところの修正、絵文字の削除などなど…。
でも自分がほしいから!!!で気合でどうにか作りましたが、正直どこかしらなにか残ってると思います。
だいたい整理し終わって12万文字。12万文字??
入稿データを作る
ログの整形や整理がおわったら、入稿用のデータを作ります。WordとInDesignが手元にあるので、今回はInDesignを使用。
Wordのほうが使い慣れてるんですけど、縦書き文書つくるとなるとなかなか…。四苦八苦しながらデータを作りました。慣れてないから、本当なにもかもわからん状態で…。
このシリーズめちゃくちゃ参考にしました。ありがたすぎた。
テンプレートはこちらを利用。
https://s88.myssl.jp/nameless/rakugakidou/a5.html
https://booth.pm/ja/items/1086877
InDesignないよー!Wordならあるんですけど!!って方はこちらの方のテンプレートとか小説やログ本に利用できるのではな気持ちです。
話に聞くと縦式、一太郎のほうがいいらしいんですが、持ってなくて…。
中扉やログ本文はInDesignで作成してPDFで出力。
PCのカラーページはクリスタでつくったあとPSD保存しました。テンプレートはなないろ堂さんのを使いました。
ページ数を把握する
今回はまずページ数を決めて、注文が必要。
以前、イラストログ本はつくったことがありますが、それはブラウザ上で簡単に作れるやつで、そのまま入稿だったから勝手が違うんですよね。
そちらは自分で計算しなくてもP数を出してくれるし、後で増やしたり減っらしたりも簡単にできたのですが、今回は自分で計算しないといけなくて~!!ログ本だからページ数も多くてこんがらがる…。
本文はInDesignに流し込んで把握できるんですが、奥付やPC紹介のカラーページは今回別ファイでつくっているから、どうなるんだっけ?となって…。
こんなツールを見つけたので、台割でちゃんと計算することにした。(まあ、結局計算ミスったんですが…それについてはまたあとで…)
表紙を作る
悩みどころで、でも楽しいところ~!!表紙データは背幅がわかってから作成したほうがいいかもしれない。
でも私は、表紙のイメージを先に作りたい生き物なので、とりあえず色合いと簡単なレイアウトは先に決めました。
そのあと背幅計算して最終的にできたのがこちら(一部抜粋)
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背幅は印刷所によっては自動計算ツールがあるのでそれで計算すると便利です。表紙テンプレートも背幅ごとに用意してくださってるところ多いので!
なないろ堂さんを使うことにしたので、なないろ堂さんのところにある背幅計算ツールを使いました。
今回のログ本の背幅が10mm超えちゃったので、なないろ堂さんのテンプレートだとそこまでの背幅対応したものがなくて、表紙はSTARBOOKSさんのテンプレートを使っています。
そんなこんなで、表紙もできて入稿。
発覚するミス
入稿データの不備がないか何度も確認し、よし、いける。と入稿したはずなんですが、まあミスが有りましたよね……。
>本文のページ数が注文よりも少ない
カラーページも本文に換算していたんですが、今回それぞれ別で~!!モノクロ・カラー混合難しい。
>指定箇所のカラー口絵が見開きのため、その裏のモノクロもカラー用の用紙に印刷が必要
つまるところ、カラーが4Pでも、裏もカラー換算になるから6Pになるの、考えてませんでしたね…。
それを踏まえて、丁寧にこう注文すると良いかもしれませんとアドバイスくださってありがたかったな…。
発注内容を修正してもう一度注文しました。
ログ本完成、届いた!

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こうして無事完成しましたけど、最初からモノクロ・カラー混合、文章イラスト混合、表紙に特殊用紙、途中使う用紙変更の160Pの本作るのはあれだったのでは??
でも、楽しかったです。手元に自陣の本があるってだけで、こんなにもHAPPY…。
大変でしたが、また作れたら作りたいな…。