BIGBANGが好き


これは、ジヨンさんのステージを観て、何となく誰かと気持ちを共有したくなった拗らせオタクの自分語りである。
強い思想はないし、多角的に物事を判断すべきだと考える反面、愛着が介入した文章は、残念ながら客観的とは言い難い。

スンリ、V.I、すんちゃん、イ・スンヒョンという文字列に吐き気を催す人は、ゲロゲロし過ぎて脱水になるかもしれないので、読んでくださる時はお気を付けて。

あと着地点見当たらないまま書いているし、とっても長いぞ。


出会い


確か2013年、2014年頃だったろうか。
やすとものどこいこという番組に、BIGBANGのD-LITEさんという人がゲストに来ていた。

ああ、BIGBANG……弟が最近やたらとハマっている韓国のアイドルか。
ガラガラGOだけ知っているな。
こんな雰囲気の人がいるのか。
お世辞にも美形とは言えないが、背が高くて、日本語が上手くて、かなり人柄の良さそうな人だ。
イメージと違うな、チャラチャラした男性もアイドルもあまり興味は無いけど、この人なら好きになれそうだな。

D-LITEさんに対する、私の第一印象である。

当時高校生だった私の趣味は、アニメ、漫画、洋画、音楽、サッカー鑑賞と多岐に渡ったが、その中にKーPOPは含まれていなかった。
アーティスト単位でよく聴いていたのは福山芳樹、コブクロ、米倉利紀、KinKi Kids、小柳ゆき、平井堅、徳永英明……歌が上手く、綺麗な詞を歌う人が好きだった。

正直言って男女関係無く、アイドル文化にさほど興味を持たない時期が長かったように思う。
タレントとしては嫌いではなかったが、"歌手"として楽しむなら、マルチな才能を持った人より、音楽一点特化の人に惹かれる傾向にあった。
洋楽フリークの母が、お茶の間暴言ババアだったのがこの思想に大きく関わっている。
「下手くそはテレビ出るな」「音痴は歌うな」
と音楽番組を観る度によく言っていた。

(大人になって思うことだが、母の愛するミック・ジャガーも、最初は歌唱力が武器の人ではなかったのに勝手なものだ)



脱線失礼。

そんな私がBIGBANGにハマったのは、弟の長期的な策略に引っかかったからだった。
何年もかけてサブリミナル効果かのようにBIGBANGの良いところを、あらゆる方向から小出しにアピールしてきた。
数年後、私はついに自らFantastic BabyのMVを再生し、G-DRAGONの眼光に射抜かれ、例に漏れず彼のカリスマ性に脳を焼かれるのである。

あとは沈む一方だった。
苦手だったエラモルゲッタ、BAEBAE、SOBERの狂気に慣れれば感性が柔軟になる。
彼らの歌唱力、独創性、グルーヴ感、挑発的でド派手なパフォーマンスに興奮し、外交が得意でない内輪ノリにグヘグヘした。

弟の最初の推しはトップさんだったが、多分XツアーからMADE辺りで推し変した。
母への感謝の手紙の追伸に「最近TOPよりSOLが好きです」と書くほど野郎もメロメロであった。
だからどないしてん。


さて当時21歳の私。

D-LITEさんが一番好きだった。
ハマる前に顔と名前を覚えていたし、歌が異様に上手くて、男らしく、知的で、いつも笑顔なのにドライな感じがかなりツボだった。

とりあえず順番に全員掘り下げていく。
オタクなんかディグるんが一番楽しいんやから。
知識欲の化け物なんやから。

弟が言った。
「トップさんとV.Iだけイケメンや」

私はまだその時は、顔面に関してはトップオンリーワンにしか思えなかった。

数週間後には手のひらドリルをすることになる。


何ということでしょう。
私のスマホは気付けば1000枚以上のスンリくんの画像で圧迫されていた。





切っ掛け

今でも鮮明に覚えている。

まずはその歌声だった。
聴けば聴くほど私が大好きな声質だった。
徳永英明に始まり、福山芳樹の声がこの世で最も美しいと感じる私には、スンリくんの音色は劇薬に等しい。

そして、からくりTVに辿り着くのである。
日本のおばあちゃんに出されたおまんまの数々。
いくら食欲旺盛の若者でも流石に詰め込めない量をおもてなしされ、健気に食べるスンリくんの映像を観た。
スタッフが「残してもいいですよ」と言ったのに対し、「日本ではしちゅれいでしょ」と返し、食べきったのである。
Yes!Fall in Loveだった。

彼の母国は反日思想がかなり強い人が多い傾向にあるイメージだ。
日本で稼いでおきながら、平気で扱き下ろし、馬鹿にし、笑い者にしなくては自分に矛先が向くような、そういう圧力も未だにあるだろう。
だからこそ、この発言は本当に感動した。

とは言え芸能人は台本と設定を基に行動するはずだ。
仮にスンリくんが「親日媚びキャラ」として作り上げられていたとしても、それが日本人に好印象だと考えた点が小賢しくて好きだ。
そも、日本に媚びたキャラクターを受け入れてしまえば、母国で広まった時に何を言われるか解らない。

彼の粉雪のような歌声と、根性の入った賢さに、私はKOされた。





ケーポオタク、何て楽しいんだ。
まだ見ぬ世界へ限界を超えていきたくなった私は、未だかつて無い程画像を集め、歌を聴き、動画を漁り、外国語の記事であっても喜んで翻訳して読んだ。
ファンクラブに入って過去の日記を血眼で摂取し、コンサートに行って狂喜乱舞した。

母の言う通り、洋楽が正義だと思っていた。
アジアのアーティストは、欧米人の下位互換だと。

だけど彼らは食らいつこうと必死に見えた。
憧れたであろうマイケル・ジャクソンに、ザ・ローリング・ストーンズに、デヴィッド・ボウイに。
※各メンバーが好きなアーティストは流石に覚えていないので、私が好き且つ、オマージュ要素がある気がする名前を挙げています。

好きだ、BIGBANG。好きだ、スンリくん。
とっても充実していた。ハマるのが少し遅かったこと以外は。


疑問


しかし順調にスンペンへの道を突き進む過程で、気になっていたことがある。

何故彼だけこんなにも軽んじられ、蔑まれて、小馬鹿にされても良い対象なのだろう?

どうやらデビュー当時はかなり自信家で、口の減らない小生意気なボクちゃんだったそうだが、2012年頃からだろうか、言動やキャラクターの主軸に自虐性を置いている感じがする。
会社での評価や、パートの少なさ、カット割りの少なさもまるで虐めのようだった。
まああれだけの仕打ちを受けていれば、そうなるのも不思議ではない気もする。

恐らく勉強が得意なのであろうスンリくんは、四ヶ国語がペラペーラになると、バラエティやライブでのトークで人一倍出しゃばっていた。
自分が戦える土俵を作り上げたのだろう。
そういった人間性も尊敬に値する。

だけど、スンリくんの歌が好きな私は悲しかった。

スンリくん歌上手いのに、下手ちゃうやん。
SOLさんもD-LITEさんも、みんな外す時あるやん。
何でスンリくんだけメンバーにもファンにもボロクソ言われなあかんの?
何でそれを笑いに変えなあかんの?
耐えられるからって、自虐出来るからって、何を言ってもいいの?

裏でどんな人間なのか、メンバーが本当はどんな関係性なのか、知らないし知ることは出来ない。
実際に関わっている人間なら色々言いあっても判る気もするが、ファンのその雰囲気は、何だ?
「澤はドリブルが上手い」ではなく、「澤は美人ではない」と本人に揶揄し続けているような空気だった。

正直、あなた方のファンはそういう態度をスンリくんにぶつけるのだから、メンバーがもう少し発言に気を付けていてくれたら、私は素直にペンミのDVDを観られたと思う。
SOLさんのファンが推しとハグしたいが為に、スンリくんに自作ボードを持たせた光景を見て、私は辛くなって二度と続きを再生していない。
何も面白くなかった。
「スンリはスタッフじゃないですよ」だったか、SOLさんが苦言を呈してくれたからまだ救いがあった。
でも彼女らをそうさせたのは、蓄積された悪ふざけにも要因はあると思う。

その頃仲良くしていた友達に言われたことがある。

「よくそんなグループ推せるね、私やったら推しがバカにされる空気とか無理」

解る。
でも私、5人とも大大大好きなんよ。
それに、何やかんやスンリくんて愛されキャラなんよ。
だってウリスンリチャレなんやもん。
あれ見た時笑い転げたよね。
あ、自分らがイジるのはいいけど、他人に馬鹿にされるの大嫌いなんやなって。

何かもう語りだしたらキリがないな。
1,2,3!が元々ブルピンのお下がりだとか、デビューして以来自分だけヤンサに誕生日祝われたことなくてしょーもないケーキ出されて子供みたいに泣いてる動画とか、ジヨンさんの海外ツアーのソロライブのゲストがスンリくんで「他メンだと思ったのに!」ってクソカス言われたのとか、思い出したら信じられないこと、勝手に泣きたくなることたくさんあったよ。
ファン歴の短い私でもこうなんだから、ずっとスンリくんが大好きだった人、どんな気持ちで追い掛けていたのか、想像を絶するよ。


まあでもね?
もしかしたらそんな仕打ちされても当然のような、ちょっと困った素行の人だったのかもしれないし……という観点も一応持ち合わせていました。
あの日までは。




2019年以降

あとはこんな無名のファンの、とっちらかった駄文に付き合ってくださる方が知らないわけないでしょう、とんでもない顛末が待っていたわけですね。

ぶっちゃけめちゃくちゃ泣きました。
スンリくんが最後に投稿した文章を見て、世の中を呪いました。
そこから数年間、色んなことを考えた。
裁判の様子も、有難いことに翻訳してくれるファンの方のツイートやブログを読み漁った。
読めもせん英語や韓国語の記事を探して、自分でも多方面から情報を得ようと思った。
もっと悲しいことが起こるかもと危惧したけど、一番辛いはずの御本人が闘っていたから、見届けるしかないと思ったな。


当時のTwitter、酷かったね。

海外の某グループファンがスンリくんの写真に非人道的な加工をして、とんでもない遊びをしていた。
流行ってたね、何やったかな、スンリ地獄へいけ、みたいなタグ。
私は推していた他のアイドルが反日発言したり捕まったりして幻滅しても、そんな事しようと思ったこと一度もないけど、あの人らはスンリくんが親の仇なんか?

どうしても主観が拭えないし、信じている、ではなくて信じたい、の気持ちが先行して、「無実であってくれ」が正直な感想でした。
それかいっそ、えげつなく全部本当で、下衆の極みであってくれたら悲しくもないんだけども。
真相はわからん。
どの方面からの発言もバラバラだった。


でも当時の他メンバーやスタッフさんの言動や行動を見て、私はスンリくんを好きでいてもいいか、と結論づけた。
これは感情論です。
どんなに理屈を捏ねても感情論の域を出ない。

だって他のアイドルでもっと小さな違和感なのに二度と顔を見たくないと思った人が、グループがいるから。
私の中では反日というのがどうも、生理的に受け付けないらしい。
それがスンリくんに掛かった疑いである人もいるでしょう。
それだけのことですよね。


とは言っても、現在のスンリくんを追い掛けてはいません。
彼は歌手ではなくなったので、自然と食指が動かなくなりました。
ただ健康に生きて、少しでも笑っていて欲しいとは思ったけど、私が好きだったのは歌手のスンリくんだから、ステージを去った彼のプライベートに熱は上がらなかった。

除隊後、何年も他メンバーが何故動かなかったのか、いや、ほとぼりが冷めるまで動けなかっただけなのか。
活動して欲しいけど、して欲しくない。
会いたいけど、会いたくない。
考えるのも疲れて、いつしかKーPOP自体に興味が無くなった。




ROM専だったのにお気持ち表明したくなった理由



ただいつも思うのが、スンリくんを好きでいることを、放っておいてくれないか。
私はあなた達に「スンリくんを信じろ!好け!」とは言わないよ。
私だって興味無いやつのニュースなんか、見出し見てほーんってなって明日には忘れてるよ。
バニサンの全てを調べてこいなんて言わない、その上で5人のBIGBANGだけを推せ!なんてもっと、絶対に強要出来ないよ。
強要してくるやつには文句言っていいよ。
宗教勧誘と一緒やそれは。

でも5人のBIGBANGが好きで、願望を持っていて、ジヨンさん達の言葉や行動に一喜一憂するのだけは、放っておいてくれないか?
迷惑掛けたのか?
その民意を汲んで5人で戻ってきたらどうするって?
じゃあ受け入れられない人はファンを辞めたらいいじゃない。
あと戻って来ないよ、多分。
戻って来たいと思うわけがないよ、現実的に考えて。
私なら二度と人前に立ちたくないと思う。


なんかでも、とりあえず、ありがとうジヨンさん。
除隊の時に「オフコース!」と言ってくれたSOLさん以来の、尋常ではない衝撃だったよ。

弟が「この曲をBIGBANGの曲として出さんのが、ほんまにジヨンさんやなあって思う」と言った。

母が「すんちゃんやトップの分までD-LITEさんが声出してたんがめっちゃ泣けたわ」と言った。

親友が「3人でも帰ってきてくれたのが嬉しいのに、受け入れたくない自分がおる」と言った。

私はそうね、あの日脳を焼かれた眼光にまたグッサグサされたし、太陽登りきってたし、ずっと変わらん最高の歌手であるD-LITEさんにも鳥肌止まらんかったね。響き渡るトップさんの声にも涙出たよ。ああ、BANG BANG BANG大サビ(私にとってD-LITEさんパートが大サビ)から始めるんや、なるほど。録り直す気はないんや、すごいねって。

でも一番は、「あー多分BIGBANGの曲やったらここスンリくんパートやな笑」と妄想してたCメロの一部分だけ、ライトが青一色になったこと。
妄想、勘違い、お花畑であっても、私が幸せならOKです。


何の中身もない吐露で申し訳ないです。
読んでくださった方ありがとうございました。

BIGBANG大好き。

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