詩|無風
ヤジロベーみたいに
全体が微妙な調和の上に
小さな点の上に乗っている
静かに目を瞑って
小さな息をしている
力で留まるわけでなく
けれど上手に調和している
数多くのキセキが集まって
ここに結晶したのだろう
愛をくれた人の形
命の新しい純な勢い
そして何をも破らぬ
ハリのある静寂の力
少しずつ深く眠りに落ちて
風も吹かぬような静けさを纏い
君は眠りの世界へ赴いていく
全ての活動をやめて
却って表に現れる
心身の理想形
手を伸ばしても
伸ばさなくても
その身の中に描かれて
ただ新しい幸いの
訪れるのを待っている