これを知ればたった一時間で英語の発音が完璧になる
"ghoti"という単語の発音を知っていますでしょうか?
これは gh/o/tiをそれぞれ laugh[lɑːf]における gh と同じ[f] の音/women[ˈwɪmɪn]における o と同じ[ɪ] の音/nation[ˈneɪʃən]における ti と同じ[ʃ] の音とみなし、全て合わせることで [ˈfɪʃ] つまりfishと同じ発音になるわけですね。
しかし、この単語?は同様の理由でこう発音することもできます。[]。
おっと、これは決して[]の中に発音記号を書き忘れたわけではありません。
以下の理由で発音しない単語と見なすことができるのです。
すなわち・・・
though[ðoʊ]/people[ˈpiːpəl]/ballet ['bæleɪ]/business [ˈbɪznəs]
いずれも発音しないSilent letter(黙字)の集まりです。
このようにAlphabetは発音しない文字の集まりと見なすことが出来ます。
これらを理解すれば、明日から英語の発音は完璧です。そもそも発音する必要が無いのですから。
a Alphabetの始まりである"a"はaisle[īl]:通路で無用の長物と化します。初めの文字が通路で迷子となってしまうおかげで我々はaを発音しないという言い訳を手に入れたわけです。
b bomb[bäm]:爆弾で後ろのbは吹っ飛びました。後ろが吹っ飛んだのだから前のbも、他の単語もbも吹っ飛んだままになってもらいましょう。
c cは例えばmuscle[məsəl]:筋肉の中で黙字となります。筋肉に囲まれたら黙りたくなる気持ちは分かりますが、それならば違う場面でも黙っておくべきです。
d dはhandsome[hˈænsəm]:ハンサムの中で陰キャと化します。陰キャは陰キャらしくずっと黙ってもらいましょう。
e eはwine[wīn]:ワインで酔った結果表音文字としての役割を放棄します。あらゆる英単語の中でもっとも使われるeが黙った今、英語を発音せずにすむ大義名分がかなり得られましたね。
f fを話すべきではないのはf wordに限った話ではありません。halfpenny[ˈhāp(ə)nē]:半ペニー(ペニーは貨幣単位、転じて安っぽい、低価値等の意もある)におけるfはハーフペニーの価値すら無いのが実情です。
g gnaw[nô]:かじるにおいてgはまさしく齧られてなくなってしまいました。
h honor[ˈänər]:名誉におけるhは名誉ある黙字を選びました。honesty[ˈänəstē]:正直においても正直に自分が発音する必要が無いことを示してくれています。
i air[er]:空気の中のiはまさしく空気のような存在となりました。英単語におけるiは空気のように大切な存在ですが、それと発音するかどうかは別の話です。また、冒頭のghotiの例にあるようにbusiness [ˈbɪznəs]]ビジネスでも働きたくないという意思を表明しています。
j jは数あるAlphabetの中でも働きもので、黙字となることはほぼありません。しかし、Rijsttafel[ˈraɪstɑːfəl]:オランダ式のご飯と何十種類のインドネシア料理のおかずを皿に盛ってテーブルに並べたもの という単語の中では黙字となることを選んでくれました。
k 皆さんが"知っている"とおりknow[nō]:知るを始めとするknで始まるあらゆる英単語でkは黙字です。昔はknifeはクナイフのような発音をしていたそうですが、そりゃ音として消えるよなって感じの良いにくさです。
l fの項目のhalfpennyであったように、half[haf]:半分においてlは黙字となります。walkなどでも同様です。
m mnemonic[nəˈmänik]:記憶法の最初のmと同様mは発音しないと記憶しておきましょう。
n autumn[ˈɔːṭəm]:秋のnは読みません。春夏冬で秋無い→商いと読むように秋は何かと無くなるもののようです。
o people[ˈpiːpəl]:人の中では音を発さないoは真の陰キャと呼べるでしょう。他の母音同様ずっと黙っててもらいましょう。
p psychology[sīˈkäləjē]:心理学に限らず、psy-における最初のpは心から発音されてほしくないようです。
q qはそもそも英単語の中でも断トツで出不精のAlphabetです。しかし、出たら最後ほぼ確実に発音されることを望む厄介な存在でもあります。ただし、Colquhoun[kəˈhuːn]:スコットランドの姓においてはついに黙ることを選んでくれたようです。
r forecastle[ˈfōksəl]:船首甲板でのrはfore[fôr]におけるrとは一転して黙字となります。明らかにfore+castleで構成されているのにも関わらず!しかし、今は英単語の発音の無秩序さを嘆くよりもrも発音する必要がないという事実を喜びましょう。
s island[ˈīlənd]:島やaの項でも出てきたaisleなどの単語でsは発音記号となることを拒みます。
t castle[ˈkasəl]:城。先程のforecastleで気づいた方も居たかと思いますが、castleにおいては常にtを発音する必要はありません。すなわちどんな場面でも発音してあげるいわれはないわけです。
u guest[ɡest]:客の前でも黙っているuにはずっと黙ってもらいましょう。
v vもq同様滅多に出て来ない代わりに自分の発音文字としての役目を全うしようとする健気な文字です。しかし、Leveson-Gower[ˈljuːsən ˈɡɔːr]:ルーソンゴア(イギリス貴族の名字)においては働かない選択をしたようです。
w write[rīt]:書くにおいて書き文字なら発音関係ないだろうという顔をしているwですが、その他の場面においても発音しなくとも問題ないですよね?
x 普段使われないAlphabetは出てきたときは発音文字として働こうとする法則にこのxも当てはまります。しかし、faux[foʊ]:人造においては珍しく発音を放棄しています。ラッキーですね。
y 日本人はついついビヨンドやビーヨンドとyの音を入れたくなるbeyond[bēˈänd]:超えるにおいて、実はyはニートです。
z rendezvous[ˈrändəˌvo͞o]:ランデブー(出会い)は元はフランス語なのでこれに関しては英語の発音が文字通りじゃない!と難癖をつけるのは違う気もしますが、zを残してしまった方が悪いってことで今後はzも発音しないようにやっていきましょう。蛇足ですがフランス語由来となるとzはほぼ黙字です。
以上で全てのAlphabetが発音に値しないことが分かりましたね。
これから英語圏で挨拶するときは[]、見たことがない単語が出てきてもドヤ顔で[]と発音してみせましょう!
このnoteの見出しをみて、発音に悩んでいたので渡りに舟と飛び乗ったあなた。そして私へ。
1時間で発音が劇的に良くなるわけないじゃないですか。楽な道に逃げようとせずに真面目に勉強しましょう。
お詫び:発音したくない余りにイギリス英語発音とアメリカ英語発音を混ぜて発音しない方を選んでいることがあります。ご了承下さい。