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【牡牛座の土星】喪失を恐れる気持ちを感じさせる.

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占星術研究家である鏡リュウジ先生は
『鏡リュウジの占星術の教科書1』のなかで

「土星は制限や限界を司る星であり、
 強い自分を作るための力を与えてくれる星」

「土星の力をしっかりと発揮すれば、
 あなたは試練と出遭ったとしても、
 決して恐れることなく立ち向かい、
 痛みや苦しみを乗り越えて、
 成長することができます」と書かれています。



しかし、土星星座から目をそらしたり、
逃げ出してしまうと、
それはコンプレックスとなって残るものなんですね。

そう考えると、土星星座から
「自分のエネルギーを注ぐポイント」もみえてきます。

土星星座って、やっぱり痛いんですけど、
でも、未来からのメッセージかなと感じています。

僕は困難に立ち向かうこと自体、
イエスともノーとも言えないのですが、

「必要で、生産的な努力」と
「不必要で、非生産的な努力」、
このふたつがあると思っています。

だから、一概に「努力は美徳」だとも思わないのです。

大切なのは
ポイントを見極めていくことではないでしょうか。


【おうし座の土星について】

鏡先生曰く
「安定を好むおうし座にある土星は、
 喪失を恐れる気持ちを生み出します」と。

では、そもそも、「安定」とはなんぞや。  

辞書には「激しい変化がないこと」とか
「少々の変化を与えても、もとの状態に戻ろう、
 もとの状態を保とうとする性質」とあります。

また「容易に分解、反応、崩壊しないこと」と、
そのような意味もあるんですね。

2、3番目の解釈から、
これって「人間そのもの」だと思ったんです。

特に「もとの状態へ戻ろうとする」なんて、
まさにホメオタシスの機能です。

この機能があるからこそ、人は生きていけるんですよね。

一概には言えませんが、
人って、持っているもの、手に入れたものは
できるだけ手放したくない性質なんでしょうね。

だからこそ「大切にしているものを失う」ことへの
恐れが大なり小なりある。

「失くす」というのは、できるだけ避けたいもの。

そう考えると、人って、
要は未知なものと向き合うことは、
できるだけ避けたいのかもしれません。

だって、そこには不確定なものしかないからです。

そこには、今あるものを
失くしてしまう可能性があるからです。


ただ、「失うこと」を恐れていては、
結局、未来へ意識が向かないとも言えます。

だからこそ「失う」とか「持っている」とか
「過去」「未来」などの定義を明確にすることこそ、
まずは優先させるところです。

「失う」って、
本当、どういうことなんでしょうね。

僕は「一体になる」ことかなと感じているんです。

あえて、この相反するものを同位置で考えています。

失うことは、自分の手元から離れていくこと。
一体になることも、自分の手元から離れていくこと。

確かに「一体になる」って、
離れていってはいないのかもしれません。

ここはイメージしてもらいたいところですが、
自分と一体になった時点で、
もう目には見えなくなります。

だって、自分の姿は実際には見られないからです
(鏡に映る姿は、現実ではないんですよね)

だから、このふたつは、
ともに「目には見えなくなる」わけです。

僕は、どんなかたちであれ、
目には見えなくなったら、
それらは「一体化した」と考えているんです。

決して「失った」とは考えないんですよ。

「もう、必要なくなったから、手元から失くなった」
「お役目を終えたから、近くからいなくなった」云々、

そのような考え方も嫌いではないんです。

ただ、もっとシンプルに、遠くに行ったのではなく、
自分のほうへぐっと近づいてきただけ。

そして、今の自分へ溶け込んだだけ。

こういう感覚もいいなと思うんです。


土星におうし座がある方は、
その両方の視点があれば、

失うことを必要以上に怖れないで、
無理をせずエネルギーを注ぐポイントを
さらに厳選できるんじゃないのかな、と感じています。


そして、これは誰もが
感じていることだと思いますが、

失うことを何度か経験して、本当の意味で、
「持つ」ことについて考えることもあります。

本当は失う前に気がつくほうがいいんです。
それでも、
失うまでわからないことだって、やはりあるもの。

安定感という定義は、
一度は失うことを覚えるからこそ、
体感として理解できるのかもしれませんね。


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