キャリアの「タグ付け」や「掛け算」について思うこと
ここ近年、仕事上のキャリア形成において「キャリアのタグ付け」や「掛け算」というのをよく耳にするようになりました。以前のような終身雇用は崩壊し、仕事人生の中で複数回転職するのが当たり前となった今、人材市場価値を高め、より良い条件を得る為に「如何に自分のキャリアを形成していくか」は非常に重要です。
ここでは、このキャリアを形成するのに重要なことを、ここ近年よく耳にする「タグ付け」や「掛け算」と絡めて書いていきたいと思います。
キャリア形成とは
そもそもキャリアを形成するとはどういうことなのでしょう。
私が思うキャリア形成とは、「自分という人材(商品)を社会(市場)に出したときに、需要があって高値が付くようにする」ことだと思います。「自分という商品を、社会や企業に向かってプロデュースしていく活動」とも言えます。そしてそのキャリア形成の過程で、様々なスキルを身に付けていく必要がありますが、このスキルは「今後成長していく市場」で「需要のあるスキル」のほうが良いです。スキルの希少価値が高ければ尚良しです。
私はこのように、将来を見据えて戦略的にキャリアを形成していくことが重要だと思います。
キャリア作りを意識しよう
よく、「Connecting The Dots」のエピーソードや、こういう話を聞くと思います。
理想的はこうですよね。「タグ付け」とか「キャリアの掛け算」というのも、夢中になって走っている最中は意識しておらず、後になって振り返ってみると様々なタグが付いており、掛け算されていたという状態ですね。私もこうなりたいです(笑)
でもこういうのって多動力のある人だからこそ成せる技だと思います。
普通の人がやろうとするとなかなか行動力が要るし、突っ走り続けなきゃいけないのも大変そう…
ということで、私のような普通の人は、もう少し計画的というか、作戦っぽくしてキャリアを形成していったほうが良さそうです(笑)
「タグ付け」と「掛け算」
ここで重要になる考えがタイトルにもあるキャリアの「タグ付け」と「掛け算」です。
キャリアの「タグ付け」や「掛け算」については、詳しい説明は省きます。あえて説明する必要も無いくらい、認知されている言葉だと思いますので。そして、皆さんこの「タグ付け」と「掛け算」の効果や威力についても十分ご存知だと思います。
ただ、これ気を付けないと、威力を発揮するどころか下手するとマイナスイメージとなってしまう可能性があるので注意です。
本来、タグ付けや掛け算は、
複数スキルを掛け合わすことにより、人材としての希少価値を高める
タグを組み合わせることにより、新たなジャンルを創造し、そこでのポジションを取る
ことが目的だと思いますが、これに必要なのは「深掘りしたスキル」だということです。
経験も浅く、少しかじった事がある程度の薄~いスキルは、タグとしても貼れないし掛け算もできません。(貼り付けたとしても意味が無い)
薄~い Lv2のスキルを掛け合わせても「2 × 2 = 4」ですが、Lv10の一人前の人の半分にも達しないですからね。
私は中途採用面接もやっていましたが、こういう人はよく見ます。色々とやってきた内容は多いけど、どれも浅いので「何が得意なのか、武器なのか分からない」というタイプです。
「タグ付け」という言葉が浸透している為、この言葉を意識してタグで着飾ろうとする人は多いのですが、一人前と呼べるような重みのあるタグでないと意味がありません。
薄~いタグをいっぱい並べる人を、別の言い方をすると「器用貧乏」と言います。
目安は1万時間
では、どれくらい重みのあるスキルなら、タグ付けしたり掛け算するのに効果的となるのでしょうか。
勿論、職種や身に付けるスキルにもよりますが、目安は1万時間の経験が必要だと思います。業界によっては、3年くらいとなる場合もあると思いますが、それでも最低限数年単位の経験値は必要です。
「1, 2年やってましたー♪」というものをアピールしても武器にならないどころか、マイナスイメージに成りかねません。
偏差値55以上のスキルを掛け算する
まずは目の前のスキルを時間を掛けてじっくりと深掘りしましょう。同じ職種の人同士のなかで、もし仮にスキルの偏差値というのがあれば、最低でも偏差値55は超えましょう。
このスキルをベースに、次は少しだけ離れたところに位置するスキルを習得しましょう。あまりにもかけ離れすぎていると、ゼロからの再出発となってしまいます。ベースとなるスキルと関連する分野に手を伸ばしましょう。
私のいる製造業界でいうと、設備の機械設計者ならば次はソフトウェアのスキルを身に付ける、といった具合です。
このように偏差値55以上のスキルをタグ付したり掛け算していくと、きっと市場価値のある人材になれると思います。
最後に
最後に、1つのタグや1分野の専門性を極める、ということはお勧めしません。非常にマゾなレースが待っています。勿論、専門性を極めることを選択されている方もおられます。そういう方々は、非常に尊敬しております。
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