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第20回 ぱせりまん・Lightフォックスの撃墜を分析する
こんにちは、Tokiです。今回は前回に引き続きぱせりまん選手とLight選手のフォックスを比較します。今回は撃墜について見ていきます。前回は立ち回りを分析・比較しているので、まだ見ていない人はこちらもご覧ください。
前回同様最後に集計試合の再生リストを記載しておきますので、興味のある方はご覧ください。撃墜回数はぱせりまん選手は約130回、Light選手は約140回となっています。
両者の違い
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両者の違いは
ぱせりまん選手は90%~120%での撃墜や上スマ撃墜が全体の半分以上を占めており、特定の%帯での撃墜や上スマを通すのを得意としている。
対するLight選手は有利展開を継続して撃墜するため幅広い%で撃墜しており、多彩な撃墜手段を有している。
続いてグラフから詳細を見ていきます。
撃墜手段の割合
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こちらは撃墜手段を示すグラフです。両者ともに崖での撃墜が多く、次いでコンボ、着地狩りなのは変わりませんが、Light選手は復帰阻止での撃墜が4番目というのが大きな違いとなっています。ただ復帰阻止のような大きな違いはあれど、他の撃墜手段においては大きな違いはありませんでした。
続いてそれぞれの撃墜手段について詳細を見ていきます。
崖
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フォックスは崖狩りが優秀のため空Nによる崖展開の継続で火力を稼ぐことが可能ですが、撃墜となると空Nだけではできずプレイヤーの強さが現れるところかと思われます。
両者ともに崖は空後での撃墜が多いのは共通で、空後でガードに圧をかけてジャンプ読みや大ジャンプや小ジャンプ、上りや下り、急降下の有無といったタイミングずらしでうまく当てるというのは両者ともに見られました。
Light選手はそれだけでなく相手が復帰で崖をつかむ瞬間に大ジャンプで崖奪いをするフェイントでその場上がりを釣って、それに対して空後を当てるという場面が何度も見られました。
ぱせりまん選手は崖つかまりの無敵が切れるタイミングで横スマをすることで撃墜しており、多彩な撃墜手段を持っていたLight選手でも見られない撃墜でした。この択を見せることで相手は崖から早く上がらないと撃墜されるため、早めの崖上がりを強要させることもでき崖狩りが成功しやすくなります。
コンボ
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お互いに空N上スマが多いのは共通ですが、Light選手はそれ以外にも崖でDAかす当てから空後や空上、空前落としで浮かしてから空上や空後などの多彩なコンボルートから撃墜していました。非確定のコンボもあったかもしれませんが、上強や空前といった相手を浮かせる技で有利展開を作って撃墜技を通すというのがLight選手は得意としているように思えました。
着地狩り
フォックス最強の技でもある空上で着地狩りの展開になった瞬間に撃墜したり、上スマでぎりぎり撃墜しなかった相手へのさらなる追撃で空後や空上でとどめを刺すというのも何度か見られました。
復帰阻止
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Light選手はクラウドのような復帰弱者に対して復帰阻止を決めるのはもちろん、ルキナやパルテナといった復帰阻止を決めるのが難しいファイターにも決めていたり、意図的な踏みつけによって撃墜する場面も見られました。
復帰阻止を失敗した場合フォックスの復帰は比較的狩られやすいため積極的に行う択ではありませんが、撃墜のチャンスを一切逃さず復帰阻止を行う際は確実に決め切っていました。
またフォックスの復帰阻止は下Bのイメージがある人も多いかと思われますが、空Nや空後の撃墜も見られました。
ダウン・受身展開
両者ともに割合に違いはありませんが、ぱせりまん選手は空N上スマで相手がダウンした瞬間に当てており、通常のコンボと同様に上スマを振っているのに対し、Light選手はダウンする展開の時は弱を打ってダウン連にしたり、受身を取られても弱の全体フレームが短いのでそのまま受身先に上スマを決めており、ぱせりまん選手よりも確実に撃墜につなげていました。
撃墜技の割合
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こちらは撃墜技のグラフです。両者ともに上スマと空後に撃墜技が集中しており、2つの技だけで7,8割を占めており、ここまで撃墜技が集中しているのは今まで分析していた中にもいません。各種技の使用タイミングは先ほどの撃墜手段の割合で述べていますので省略します。
ただ両者の違いはその二つの技の割合にも見られ、ぱせりまん選手は上スマだけで半分以上を占めており、崖での横スマ撃墜も多いためスマッシュだけで撃墜の3分の2を占めています。
また先ほどの撃墜手段の割合ではそこまで割合に違いもなく、着地狩りはぱせりまん選手のほうが高かったのに、空上の撃墜割合はLight選手のほうが大きいです。これはぱせりまん選手は着地狩りで空上のほかに空後をかなり使っているというのがあります。Light選手は着地狩りで空上と上スマで約9割占めていますが、ぱせりまん選手は空後の着地狩りが約3割ほどあり、対空で空後を当てるのがぱせりまん選手は得意なのかもしれません。
ただし空後の使用割合はLight選手のほうが高く、崖展開で空後を的確に当てているため、Light選手のほうが空後の撃墜割合が高くなっています。
撃墜時の相手%
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こちらは撃墜技被弾時の相手%を示したグラフです。コンボ始動での撃墜だった場合はコンボの始動技が当たった%を計測しています。最初に述べたように撃墜回数に差があるので、撃墜回数100回となるようにそれぞれ補正係数をかけています。
ぱせりまん選手は撃墜が90~135%にかなり集中しており、この%帯だけで撃墜の8割を占めています。Light選手も同様の%で撃墜が集中していますが、全体の7割でLight選手は135~150%での撃墜もそれなりにあります。
またLight選手は一番撃墜が集中していても105~120%で28回と他の分析してきた最上位勢と同じくらいですが、ぱせりまん選手は同じ%で38回と今まで分析した最上位勢と比較してもかなり多いです。今までの分析では多くても30回を超えることはありませんでした。ぱせりまん選手のこの%帯における撃墜の嗅覚は非常に優れていると言えるかもしれません。
続いて撃墜%毎の詳細を見ていきます。
撃墜%詳細
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これらは撃墜%における撃墜手段の内訳を示したグラフです。
両者ともに黄色の崖やコンボでの撃墜が多く、105~120%では上スマ単発から撃墜しきれるようになるため緑色のニュートラルやガーキャンなどが多くなっているのがわかります。
ただしぱせりまん選手は105~120%でガーキャンや着地狩り撃墜がLight選手よりも多くなっています。これは上スマ単発での撃墜をぎりぎり狙えるタイミングでしっかりと上スマを当てており、ぎりぎり撃墜できなかった時もすぐに着地狩り空後や空上で撃墜しているためこのようになっているのだと推測できます。
それに対してLight選手は崖狩りでの撃墜割合が90~150%で安定しており、空N上スマといった黄金コンボの確定帯を逃しても安定して撃墜できているのが強みであると言えます。
続いて撃墜%における撃墜技の詳細です。
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これを見るとぱせりまん選手はスマッシュの割合が常に高く、%帯毎にスマッシュの占める割合はそこまで変わりませんが、Light選手は%が高くなるにつれて空後や空上などの空中技での撃墜の割合がだんだん高くなっていきます。
またLight選手は空前1段で浮かしてから空後や空上、崖のその場上がりにDAかす当てから空後、崖奪いフェイントの大ジャンプから空後、着地狩りで真下に入って上強によって浮かせてさらに着地狩りを狙うなどスマッシュや空後単発以外にも撃墜択を豊富に持ち合わせているためこのような空中攻撃での撃墜割合が高くなっているのだと思われます。
まとめ
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今回はぱせりまん選手・Light選手のフォックスの撃墜における様々な状況などを分析してきました。両者の違いは
ぱせりまん選手は90%~120%での撃墜や上スマ撃墜が全体の半分以上を占めており、特定の%帯での撃墜や上スマを通すのを得意としている。特に105~120%の撃墜力は他の最上位勢と比較しても目を見張るものがある。
対するLight選手は有利展開を継続して撃墜するため幅広い%で撃墜しており、多彩な撃墜手段を有している。特にフォックスの強力な撃墜択である上スマッシュ以外の空後や空上で撃墜するための択が豊富である。
終わりに
今回も前回に引き続きぱせりまん選手とLight選手の違いを見てみました。個人的に撃墜手段の割合にそこまで違いがないのに撃墜技に結構違いが見られたのが面白かったです。またLight選手の復帰阻止は見ていてすごかったです。特にRiddles戦における空後の復帰阻止は印象に残っています。
ここまで見てくださってありがとうございました。よければ今後も最上位勢の分析を行っていく予定なのでフォローをしてくださるとうれしいです。また、何か質問やリクエスト、さらなる分析・考察がありましたらコメントをくれるとありがたいです。