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第10回 「崖の上のにえとの」こと、にえとのさんの崖狩りの強さを分析する

 こんにちは、Tokiです。今回は「崖の上のにえとの」とも評される、にえとのさんのピチューの崖狩りを見ていきたいと思います。また前回、前々回とにえとのさんのピチューの立ち回りと撃墜について分析してみたので興味のある方はこちらをご覧ください。

 今回も今までと同様に集計した試合を最後にまとめておきますので、興味のある方はご覧ください。対象は2021年以降のオフ大会での試合をカウントしており、キャラ被りはありますが約10キャラの約400回分の崖狩りを集計しています。

前提

 今回の分析では崖狩り場面を集計していますが、全ての崖展開を計測しているわけではありません。上から復帰や崖上の台に直接のって、崖つかまりをしていない場合や、飛び道具に被弾したり、復帰阻止に出ていたため崖狩りの展開になっていない場合、ラインを詰めて崖に追い詰められた状況からのライン回復を阻止する場面については集計していません。しかし、崖の2Fへの攻撃や一度崖をつかんでからラインを回復するまでの行動は計測しています。例えばその場上がりそのものは狩れなくても、その後のライン回復のためのジャンプ読み空後などは計測しています。

崖狩りでの行動

全体試用

 こちらのグラフはにえとのさんのピチューが崖狩りで使用していた技の割合を示しています。主に空N、横強、下強の割合が多く、横強は主に崖つかまりっぱなしや2F狙い、それ以外では全体フレームの短い技の使用率が高いです。

 これらの技の中でも空後は相手がその場上がりを狩れなかった後の相手のジャンプ読み空後として振ることで撃墜をしていたという場面も見られました。

 このようににえとのさんは崖上がり行動そのものを狩るのはもちろんですが、崖上がりの行動を通された後も着地狩りやライン有利という展開を維持し続けることによって、火力を稼いでいるようでした。

 続いて崖狩りで攻撃を当てた技の割合を見ていきます。

全体ヒット

 こちらは崖狩りで当てた技の割合を示したものです。これをみると、空N、つかみ、横強の順にヒットしている回数が多いことがわかります。
 特に空Nは崖際で振ることで、ジャンプ上がりに本当てしたり、その場上がりにかす当てでまた崖展開を継続することができ、さらには後隙もほとんどないため何度も使いやすい、非常に優秀な技となっています。

 横強については崖2Fを狙うのももちろんですが、相手が高%となった時に崖つかまりの時間が短くなるため、回避上がりの位置から急に崖際に詰めて横強を振るといった場面も見られました。

 また空N、横強は使用割合もヒット割合と同じくらいですが、つかみのヒット割合は使用割合の倍の割合となっています。このつかみは先ほどの空Nとの合わせることで、より通っているようでした。

 相手は先ほど述べたような崖際での空Nによって、ジャンプ上がりやその場上がりが狩られやすくなるため、崖離し攻撃、攻撃上がり、回避上がりを通す必要があります。それに対して、空Nを振っている間に相手の崖上がり行動を同時に見ることで、回避上がり以外は空Nの後すぐにガードからのつかみ、回避上がりはダッシュつかみというように崖際での空Nを軸としながらあらゆる崖上がりに対応することが可能となっていました。

 今述べた崖際での後隙の短い技を振りながら、相手の崖上がり行動を見るというのは篝火#6GFのザクレイさんも行っており、しゅーとんさんがYouTubeにて触れておりました。

こちらの動画の4:13あたりで触れています。

 さらに崖狩りでは技を振るのはもちろんですが、技を振らずにステップやガード、透かしジャンプといった行動を織り交ぜることによって、相手の崖へ様々な圧を与えたり、間合い管理をしていました。
 空Nを振ってから透かしジャンプやガード、相手の回避上がりの位置でステステ、微妙な間合いを詰めるのに透かしジャンプを使うなど、様々な行動で相手を揺さぶっています。

崖狩り行動

 一番崖狩りの行動で多いのはガードやステップ、それに続いて空Nや横強などとなっており、崖狩りは技を振るだけではないというがよくわかります。

崖狩りを行う位置と成功率

崖狩り位置

 こちらはにえとのさんが崖狩りを行う際に最初どの位置にいたのか、またその位置毎の崖狩りの成功率を示したものです。
 崖際とその場についてですが、ややあいまいではありますが、崖際は崖横強が当たる位置で、その場は崖横強は当たらないような位置で、その場上がりに対してめくらずにつかみ等が当たる距離感です。回避上がりは相手が回避上がりをした時の位置となっています。

 崖狩りも崖際やその場といった近い位置で始まることも多いですが、そこからすぐに回避上がりの位置でステステをしたり、そのまま空Nや透かしジャンプ、ガードをする、逆に回避上がりの位置からいきなり崖際に詰めて横強、そのままの位置でステステなどで揺さぶるというような相手に択を絞らせない行動をしていました。

 成功率を見てわかるようににえとのさんの崖狩りの成功率は驚異の50%となっており、まさに「崖の上のにえとの」の名に恥じない結果となっています。

 このような脅威の崖狩り成功率を誇るにえとのさん相手に崖に素直に逃げるのもまた危ないということで、崖をつかまないように上から復帰をしたり、大胆に崖につかまらないでそのまま着地しようとするのに対して、しっかり着地狩りも行うため結局崖展開になるといったことも見られました。

崖狩り成功率

 こちらは集計した人毎の崖狩り成功率を示したものです。緑色の人は崖狩りが平均よりも低かった人です。崖上がりにフリップや電光石火を使えるディディーやピカチュウなどでも、崖狩りは4割以上成功しており、崖上がりが強いキャラであってもにえとのさんの崖からは逃れられないというのがよくわかります。

 にえとのさんの崖狩りの凄さとは話が脱線しますが、EPI DAY1では60%近く崖を狩られていたコメさんがFINALでは40%台まで抑えたり、しゅーとんさんやてぃーさんは驚異の30%台まで抑えており、にえとのさんの崖の強さだけでなく、日本ベスト8の人たちの強さもわかる結果となりました。
 とくにてぃーさんは崖展開が30回以上あったにも関わらず、このような結果となっており、パックマンのキャラ性能もありますが、てぃーさんの崖の強さも目を見張るものでした。

各種崖上がりの崖狩り

 以下に各種崖上がりでの崖狩りの詳細を示します。ただし崖つかまりっぱなしへの攻撃はグラフ化していません。それぞれの崖上がりで割合が多くなっているものについて簡単に触れておきます。

その場上がり

 その場上がりは崖際での空Nやつかみ、回避上がりの位置でのステステをし、その場上がりしてからガードする相手へつかみを通していました。またその場上がりを通された後に、ジャンプ読み空後を打ったり、空Nがその場上がりの無敵に合わせられても、着地してすぐにをそのまま打つことで崖外へ押し出して、再び崖展開を継続していました。

回避上がり

 崖際で空Nを打っているときに回避上がりをされた際は、空Nをしながら相手の崖上がり行動を見て、後隙も短いため見てからつかみやDAを通していました。また崖際やその場上がりの位置でガードをしているときに回避上がりをされたら空後によって回避上がりを狩るという場面が見られました。

崖離し

 主に崖離しでは崖離し攻撃をしてきていましたが、それに対して崖際では空Nで相打ちになったり、ガードからのガーキャン空N、つかみ。めくられていれば空後。また崖離し攻撃に対して崖際からすぐに引きステップをして差し返すという場面も見られました。

攻撃上がり

 これらも崖離し攻撃などと同様に、ガードや引きステップからの反撃を取っていました。

ジャンプ上がり

 ジャンプ上がりには崖際での空Nが一番よく当たっていました。空Nが当たらず、ジャンプ上がりを通されても、すぐに引いて、相手の真下を陣取って着地狩りの圧をかけることで、相手がライン回復を断念し、また崖際に着地するといった場面もよく見られました。

まとめ

 今回にえとのさんの崖狩りについて見てきましたが、空N、横強、つかみが崖狩りに占める割合が多く、空Nとつかみによって崖上がりの多くの範囲をカバーしており、さらに横強によって崖つかまりっぱなしにもリスクを与えるといった、にえとのさんの崖狩りが見られました。

 仮に崖を上がられたとしても、ライン有利や着地狩りといった有利状況を維持して、再び崖展開へ移行して火力を稼いでいました。

 また崖狩りもガードやステップ、透かしジャンプなどで相手に拓を絞らせなかったり、絶妙な間合い管理をするといった場面が多くみられ、ただ技を振るだけが崖狩りではないということがよくわかりました。

 にえとのさんの崖狩りの成功率は平均50%。崖から逃げやすい強力な技を持っているキャラや日本トップ8に入るような方でようやく3~40%となっており、「崖の上のにえとの」の名に恥じない崖狩りの強さを誇っていました。

終わりに

 今まで3回にわたってにえとのさんについてまとめてきました。一応これでにえとのさんの分析は終了予定ですが、もしこんな分析をしてほしいといったリクエストがありましたらコメントお願いします。次回の分析については未定です。
 今回は早めの投稿となりましたが、相変わらずマイペース投稿となるのでご了承ください。
Twitterやnoteでの反応はとても励みになりますので、気軽に反応していただけると嬉しいです!

 ここまで見てくださってありがとうございました。よければ今後も最上位勢の分析を行っていく予定なのでフォローをしてくださるとうれしいです。また、何か質問やリクエスト、さらなる分析・考察がありましたらコメントをくれるとありがたいです。

集計試合

敬称略
kept Rush Gaming

EPI2
 DAY1
  対キシル ピカチュウ
  対コメ シュルク
  対ちきん ディディーコング
 FINAL
  対コメ シュルク
  対かめめ ソラ
  対れぽ ロックマン
  対じゃがいも パルテナ


East Geek Smash【スマブラ配信クルー】

篝火4
 Lv.1 トゥーンリンク
WINNER3
 対ぱせりまん フォックス
 対しゅーとん オリマー
WINNER2
 対ぱせりまん フォックス
 対たまかす シュルク

GSpro配信

G1カーニバル
 対てぃー パックマン


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