巨額のマネロンで起訴された起業家兼ラッパー、求刑はわずか18カ月の禁固刑
検察当局は、2016年のハッキングで暗号資産取引所ビットフィネックス(Bitfinex)から盗まれた12万ビットコインのロンダリングに関与したヘザー・モーガン(Heather Morgan)被告、ラッパー名ラズレカン(Razzlekhan)にわずか18カ月の禁固刑を求刑した。
2023年8月、モーガンはマネーロンダリング(資金洗浄)の共謀罪1件と詐欺の共謀罪1件を認めた。それぞれの最高刑は懲役5年だ。
当初、モーガン被告と彼女の夫であるイリヤ・リヒテンシュタイン(Ilya Lichtenstein)被告はハッキングで得た収益(現在の価値で約75億ドル、約1兆1250億円:1ドル=150円換算)を資金洗浄しただけだと考えられていたが、その後、リヒテンシュタイン被告は自分が元のハッカーであることを認め、最大で懲役20年のマネーロンダリングの共謀罪1件で有罪を認めた。
裁判資料によると、リヒテンシュタイン被告は2016年に単独でハッキングを実行し、4年後の2020年まで、そのことを妻に告げず、また、資金洗浄に手を貸すよう彼女に依頼することもなかったため、彼女はすでに発生していた犯罪の従犯者に過ぎないことになる。
「彼女はある意味で同意なしに深刻な犯罪計画の渦中に放り込まれたのだ。そして、間違いなく、夫への忠誠心と2人の生活を守りたいという思いから、その計画を支えることを余儀なくされたのだと思う」と検察官は書類に記した。「しかし、最終的に彼女は夫の共謀に加わり、自身のスキルセットを駆使して、彼の犯罪行為を支援し、強化した。そのため、彼女の行為の深刻さが否定されるわけではない」。
検察官は、モーガン被告が早い段階で罪を認め、明らかに「法執行機関に多大な協力」をしたこと、また犯罪収益をほとんど自分のために使わなかったことを考慮し、モーガン被告は軽い刑に処すべきだと提案した。
しかし、検察官は同時に、捜査の過程でモーガン被告が証拠隠滅を試み、コンピューターをダストシューターに投げ捨てたり、デバイスからデータを削除したり、また、マンハッタンの自宅アパートで捜索令状に基づく捜索が行われている最中に、ベッドの下からネコを抱き上げるふりをしながら携帯電話の電源を切るなど、捜査妨害を試みたことも考慮するよう裁判官に求めた。
モーガン被告への実刑判決を求めたほか、検察官は裁判所に、彼女に「政府がビットフィネックスのウォレットから押収した暗号資産(仮想通貨)を返却する」よう命じることを求めた。返却対象には、9万4643.29837084BTC(ビットコイン)、11万7376.52651940BCH(ビットコインキャッシュ)、11万7376.58178024BSV(ビットコイン・サトシビジョン)、11万8102.03258447BTG(ビットコインゴールド)など、現在の価格で60億ドル(約9000億円)以上の価値がある暗号資産が含まれる。
モーガン被告は、リヒテンシュタイン被告の判決の翌日である11月15日午後2時(現地時間)にワシントンD.C.で判決を受ける予定だ。
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