フランクリン・テンプルトン、3億8000万ドル規模のトークン化米国債ファンドでP2P送金を可能に
資産運用大手フランクリン・テンプルトン(Franklin Templeton)は25日、3億8000万ドル(589億円、1ドル155円)規模のマネー・マーケット・ファンド(MMF)である「フランクリン・オンチェーン米国政府マネー・ファンド(FOBXX:Franklin OnChain U.S. Government Money Fund)」でP2Pでのトークン送金を可能にしたと発表した。この措置は重要なもので、これによって競合と同様にデジタル資産経済全体との相互接続性を高めることになる。
このアップデートより、FOBXXの投資家は、仲介者を介さずにこのファンドのBENJIトークンを相互に送金できるようになる。BENJIトークンは、ステラ(Stellar)とポリゴン(Polygon)のブロックチェーン上で利用できるもので、政府証券・現金・レポ取引を保有するファンドの保有口数を表しており、トークン所有者には安定した利回りが支払われる。
ステラ開発財団(Stellar Development Foundation)の最高ビジネス責任者(CBO)を務めるジェイソン・クリパラ(Jason Chlipala)氏は電子メールで、「ファンドの保有口数のP2P送金を許可することで、フランクリン・テンプルトンは金融セクターの最先端に立つことになる。このセクターでは、トークン化された現実資産(RWA)が主要ジャンルであり、よりオープンで透明性があり、アクセスしやすい」と述べた。
譲渡が可能であれば、流通市場での取引や分散型金融(DeFi)プラットフォームでのローンの担保としての使用など、将来的にトークンの有用性を拡大できるため、この進展は重要だ。
フランクリン・テンプルトンのデジタル資産責任者、ロジャー・ベイストン(Roger Bayston)氏はプレスリリースで、「最終的には、ブロックチェーン上に構築された資産が、他のデジタル資産エコシステムとシームレスに連携できるようになることを期待している」と述べた。
トークン化された米国債は、現実資産のトークン化とも呼ばれる、債券などの伝統的な金融資産をブロックチェーン上に導入する競争の最前線に立っている。デジタル資産投資家がブロックチェーンベースの現金保有に対して安全な利回りを求めているため、トークン化された米国債の市場は12億ドル(約1860億円)に急成長し、2023年初め以来10倍に成長している。
rwa.xyzのデータによると、2021年に立ち上げられたBENJIはその中で最大かつ最古のもので、時価総額は3億8000万ドルに上る。オンド・ファイナンス(Ondo Finance)のトークンや資産運用大手ブラックロック(BlackRock)がSecuritizeと提携して新しく立ち上げたBUIDLファンドなどが新規参入しているが、これらはすでにP2Pのトークン転送を許可しており、かなりの市場シェアを獲得してフランクリン・テンプルトンのファンドに迫っている。
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