コインベース、カナダ大手銀行と暗号資産の普及に向けて協議
今後数四半期のうちに参入を期待
コインベースのカナダ事業ディレクターであるルーカス・マシソン(Lucas Matheson)氏はCoinDeskとのインタビューで、カナダの複数のティア1銀行と協議していると述べた。銀行の名前は明らかにしなかった。カナダの大手銀行はビッグ・ファイブとして知られており、カナダロイヤル銀行(RBC)、トロント・ドミニオン銀行(TD)、ノバスコシア銀行(BNS)、モントリオール銀行(BMO)、カナディアン・インペリアル・バンク・オブ・コマース(CIBC)がある。
マシソン氏は、「カナダ人の大多数が利用している銀行が5行ある。私がカナダで取り組んでいることの1つは、ティア1の銀行と緊密に連携して暗号資産の銀行業務を開始し、業界のサポートを開始することだ」とし、「今後数四半期のうちに、いくつかのカナダの大手銀行が暗号資産経済に参加し始めることを期待している」と述べた。
カナダの規制アプローチを称賛
今年6月に無登録の証券取引所として運営されていたとして米証券取引委員会(SEC)から提訴されたコインベースは、今月カナダでの営業を開始した。コインベースはカナダの暗号資産規制へのアプローチを賞賛した。
マシソン氏は、デジタル資産経済およびこの分野のリーダーになるというカナダ自身の野望の両方にとって適切な規制枠組みを見つけることにカナダの規制当局が関与し、支援してきたと指摘した。
コインベースは最近カナダで事前登録事業(PRU)を取得しており、特定の期日までにいくつかの規制要件を満たすことになる。マシソン氏によれば、その後コインベースは制限付きディーラー登録を取得し、新しく設立されたカナダ投資規制機構(Canadian Investment Regulatory Organization)に移行する予定だという。これによりコインベースは完全なディーラー登録を取得し、レバレッジ商品やデリバティブ商品を個人投資家と機関投資家の両方に提供できるようになる。
マシソン氏は、「国際的な規制について考えると、2種類の規制があることがわかる。アメリカで見られるような執行による規制と、カナダのような関与による規制だ」と指摘。コインベースの短期的な目標について、分散型システムの利点と重要性についてカナダ人に伝え、国内の決済の選択肢を拡大することに重点を置いていると述べた。
カナダの規制当局は7月、資本と流動性に関してこの資産クラスの扱いをより明確にするため、暗号資産を保有する銀行や保険会社向けの資本計画を提案した。
SECがアメリカの暗号資産業界に対する取り締まりを開始したことを受け、コインベースやクラーケン(Kraken)などアメリカを拠点とするいくつかの暗号資産企業がここ数カ月のうちにカナダで事業を開始した。一方で、大手暗号資産取引所のバイナンス(Binance)やパクソス(Paxos)などの企業は、より厳格な規則が導入されたことでカナダ市場から撤退した。
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