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テザーに4800億円規模の訴訟──USDT保有者への影響は無いと主張

  • テザーは、セルシウスによる「根も葉もない」訴訟を戦うつもりであり、どのような展開になってもテザーのトークン保有者に影響はないと述べた。

  • 破産した暗号資産レンダーのセルシウスは、融資契約の一部として詐欺的に保身を図ったとテザーを起訴した。

時価総額で世界最大のステーブルコインであるUSDTを運営するテザー(Tether)は、破産した暗号資産(仮想通貨)レンダーのセルシウス(Celsius)から起こされた訴訟を「ゆすり」と呼び、自社を防衛すると述べた。

現地時間8月9日、セルシウスはテザーが合計5万7428.64ビットコインを放棄するか、あるいは「全ビットコインの現在価値」、今日の価格で約33億ドル(約4850億円、1ドル=147円換算)を支払うことを求めて、ニューヨーク南部地区連邦破産裁判所に提訴した。

「この訴訟では、ビットコインが2022年6月の価格でセルシウスの指示と同意のもとに清算されたにもかかわらず、信じられないことに、テザーが約24億ドル(約3528億円)相当のビットコインを返還するよう求めている」とテザーはウェブサイト上の声明で述べた。なお、約24億ドルという数値をどのように算出したかについてテザーは明らかにしていない。

今回の訴訟は、セルシウスとテザーとの間で結ばれた融資契約に関するもので、この契約によってセルシウスは「事業の重要部分を運営するために」ステーブルコインを借りることができたと訴状では述べられている。セルシウスは訴訟において、2022年半ばに市場が暴落した際、セルシウスが破産を申請する「90日間より前の期間」に、テザーはビットコインを「作為的かつ詐欺的に移動」させることで、差し迫った破産から身を守ったと主張している。

訴状では「具体的には、テザーは数回にわたり、破産を目前にした窮状を改善させるため、新たに多額の担保を要求し、それを受け取った」と述べられている。

徹底抗戦を表明のテザー

テザーのパオロ・アルドイノ(Paolo Ardoino)CEOはX(旧ツイッター)に「この根も葉もない起訴は、セルシウスのポジションをカバーするために売却されたビットコインを我々が返すべきだと主張しようとするものだ」と投稿し、「原告の申し立てには多くの欠陥があり、我々は自身の契約と行動の堅実さについては自信を持っている。(中略)この訴訟は最後まで戦うつもりだ。業界全体を代表して、恥知らずで金目当てに掴みかかってきても通用しないという範を示すことが重要だ」と述べた。

セルシウスは、2022年6月にテザーが「セルシウスの債務に対して、ビットコイン市場の現地時間6月13日の終値である22,487.39ドルよりもかなり低い平均価格20,656.88ドルで、セルシウスのビットコインを充当した」と主張した。

「したがって、このようなビットコインの作為的かつ詐欺的な移動は避けられるべきであり、そのビットコインまたはビットコインの持つ価値は、セルシウスの財産のために回収されるべきである」と訴状では述べられている。また、契約違反に対する損害賠償として1億ドル(約147億円)を要求している。

テザーによると、市場が暴落した際、この契約によって「セルシウスはビットコインの清算を避けるために追加の担保を差し入れる」必要に迫られ、「セルシウスは追加のビットコインを差し入れないことを選択した際、テザーが保有していたビットコインの担保を清算するよう指示した」という。

テザーはまた、テザー・グループの連結株主資本は6月30日現在で120億ドル(約1兆7600億円)近くあるため、「この根拠のない訴訟が展開していくという最も非現実的なシナリオが起きても、テザーのトークン保有者に影響はない」と述べている。

セルシウスの破産手続きは、昨年11月に裁判所が再生計画を承認したことで正式に終結している。

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