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子供に自信を培わせるには

このエッセイは私の幼少期を振り返る上でも役に立つものでした。英文ですが後ろに引用しておきます。

 褒めるということが人に自信を持たせるものではない、考慮に値する人間ということを感じ取らせることが自信につながるというのが結論です。人が人と関わるというのは結構ストレスになるものです。私たちは、学校であれ職場であれそこから逃れるために取り繕って適当なお世辞を言うことは往々にあることです。もちろん集団から逃れて一人っきりになると言う危険はおかしませんよ。そうではなく、多くの人は対峙しながら、あるいは集団に所属しながら誰とも関わっていないというのが私の率直な気持ちです。

 自ずと、考慮に値する人間とはどう言うことかわかります。それは善悪または優劣を基準に子供や生徒を点数づけるものであってはなりません。通信簿で五段階評価で科目の点数をつける。さらには、人間性的なものにまで評価を下すというおぞましいことが義務教育では行われていますね。「協調性」「主体性」などというものにまで、ABCの評価が下されている。大事なのは、子供をある基準のなかに当てはめるのではなく、それを取っ払い観察することなのです。

 このエッセイでは、80歳の女性がお絵かきをしている4歳児と一緒にいるところが描かれています。子供は手を休め、褒められることを期待してか途中で女性を見上げます。すると彼女が言ったことは「あなたの絵には青が多いのね」です。子どもは、モデルとなっている風景を詳しく話していくのですが即答せず、ただ耳を傾けているのです。

 これは今の学校の先生にも、是非読んで欲しいのです。図画工作に評価を下すなどというのは関係からの逃避に過ぎないということをわかってほしい。一人ひとりの個性を見出している先生がどれくらいいるのでしょうか?

I once watched Charlotte with a four-year-old boy, who was drawing. When he stopped and looked up at her- perhaps expecting praise- she smiled and said, 'there is a lots of blue in your picture.' He replied, 'It's the pond near my grandmother's house- there is a bridge.'  He picked up a brown crayon, and said, 'I 'll show you.'  Unhurried, she talked to the child, but more importantly she observed, she listened.  She was present.  
 一度、シャーロットがお絵かきをしている4歳児と一緒にいるところを見たことがある。その子が手を休めてシャーロットを見上げた(褒められるのを期待していたのかもしれない)とき、彼女は微笑んでこう言った、「あなたの絵には青が多いのね」。その子は答えた、「おばあちゃんの家の近くの池だよ、橋があるんだ」と。その子は、茶色のクレヨンを取り上げていった、「描いてあげるよ」。シャーロットは急がずその子に話しかけたが、もっと重要なのは、シャーロットが見守り耳を傾けていたことである。シャーロットはそこにいたのである。


沈黙を埋めるためだけの会話

 子供に限らず、他者におべんちゃらを使うのは自分を守るためであることが往々にあります。それを使わないと今度は自分が観察される側に回ってしまう。大人はこれまで自信を培ってこなかったなら窮してしまうのではないでしょうか。だからしゃべり続けるのかもしれませんね。

 予備校の英語の先生が言ってました。「talkをするな、tellをしろ!」と。前者は目的語をとらないから「内容はないよう」とダジャレを言っておられたのを懐かしく思い出しました。それに対し後者は内容が要求されるから、他者の存在を意識しないといけないのです。




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