【拙訳】スタンダードの1マナ域をプレイしてみた by Frank Karsten(Channel Fireball)

https://www.channelfireball.com/articles/so-you-want-to-play-1-drops-in-standard/

 タイトル詐欺。YouTuberが投稿しているような「○○やってみた」系の記事でした。よってタイトルは意訳です、悪しからず。
 Frank Karstenの記事というと細かいデータ分析のイメージがあるけど(尊敬してます)、こういう力技系の記事も書くんだなぁ、と。これはこれで面白いですね。


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So You Want to Play 1-Drops in Standard?
By Frank Karsten // 13 Feb, 2019

【はじめに】

 今度のクリープランドのミシックチャンピオンシップ(以下「MCクリープランド」)には、8枚以上の1マナ域を使ったデッキで出ようと思うんだ(唐突)。別にスタンダードでアグロがいい位置にいるという風に思っているわけじゃないんだけど、単純に僕が《野茂み歩き》とか《吸収》とか《運命のきずな》とか使っても楽しくないっていう単純な理由なんだよね(笑)。

 ここ数年は、僕はミッドレンジやコントロールを選ぶことが多くて、結果は、まぁ散々だった。それとは対極的に、アグロデッキのサイドボードプランを決めるのは楽しくて、いい結果を出せることが多い気がする。自分のプレイスタイルとは別に、メインボード戦をビートダウン戦略で勝ちとることは確かに多い気がする。

 どんなアグロデッキも、最低8枚の1マナ域を擁している。幸運なことといっていいのか、今のスタンダード環境は十分な(しかも、使うに値する)十分な1マナ域の選択肢がある。ということで、1マナ域を採用したデッキをたくさんつくって、MTG Arenaのプラチナランクやダイヤモンドランクで試してみた。この記事では、僕のテストしたデッキリストを見てもらいながら、勝敗結果、そしてそれに基づく考察を述べていこうと思う。(10マッチじゃ結論を出すのは尚早じゃないかとは思っているけど、とりあえずの結論は出してみたよ。)

 まずは1マナ域を含む単色のアグロデッキ5つをつくることから始めてみた。例えば、《ラノワールのエルフ》《生皮収集家》みたいな感じでね。1ターン目にコンスタントに送り出すには、その色を生み出す土地が最低14枚必要だということは分かっているよね。

 残り3つのデッキは1マナ域が複数の色にまたがることになった。例えば《水底の生術師》(青)+《クメーナの語り部》(緑)みたいな感じでね。彼らをコンスタントに1ターン目に送り出すには、そのデッキに《手つかずの領土》《予見のスフィンクス》の採用や、混成マナコストであることが求められる。

 さて、デッキを見ていこう! ところで、テストをする段階になって気付いたんだけど、メタゲームをあんまり気にせずにデッキを組んでしまった。MCクリープランドまでにはメタゲームはまた変わっているだろうし、どの道プロアクティブ戦略に出ようとは思ってるけどね。とにかく、「現在のスタンダードでベストなアグロ戦略はどれか?」を確かめに行こうと思う。


【白の1マナ域をプレイしてみた】

《不屈の護衛》《軍団の上陸//一番砦、アダント》

Azorius Aggro

lands
12《平地/Plains》
4《神聖なる泉/Hallowed Fountain》
4《氷河の城砦/Glacial Fortress》

creatures
4《不屈の護衛/Dauntless Bodyguard》
4《空渡りの野心家/Skymarcher Aspirant》
2《追われる証人/Hunted Witness》
4《短角獣の歩哨/Snubhorn Sentry》
4《アダントの先兵/Adanto Vanguard》
4《ベナリアの軍司令/Benalish Marshal》
4《敬慕されるロクソドン/Venerated Loxodon》

spells
4《軍団の上陸/Legion's Landing》 // 《一番砦、アダント/Adanto, the First Fort》
4《ベナリア史/History of Benalia》
4《議事会の裁き/Conclave Tribunal》

2《不敗の陣形/Unbreakable Formation》

sideboard
4《トカートリの儀仗兵/Tocatli Honor Guard》
1《拘留代理人/Deputy of Detention》
4《否認/Negate》
3《不可解な終焉/Baffling End》
3《暴君への敵対者、アジャニ/Ajani, Adversary of Tyrants》

■戦績:7-3
 Andrew Elenbogenがこの間のプロツアーを白ウィニーで制していたけど、ほぼそのリストのコピーみたいなものさ。よく出来てる――このリストはしっかりしてる。

■考察:
青をタッチするのが正解かどうか確信が持てずにいる。青のカードがサイドボードにまで投入されているのに、8枚だけの二色地形で事足りるのかどうか。《否認》は確かに、《英雄的援軍》や《実験の狂乱》といったカードより、現在の環境にフィットしたカードなのは疑いようがない。それでも《否認》をいいと思うほどでもなく、単純に白単がいいんじゃないか、と思った。サイドボードに《啓蒙》と《不敗の陣形》を入れて《荒野の再生》や《ケイヤの怒り》に対処したほうが、マナベース的には健全だろう。

・RNAで加わった《不敗の陣形》のインパクトは十分だ。ラスゴ系へのカウンターと《永遠の見張り》の2モードが選べて、柔軟性に富んでいる。

・《不屈の護衛》と《アダントの先兵》は全体除去に強く好感が持てるが、《短角獣の歩哨》はそこまでよく思わなかった。少し展開がもたつくとゲーム序盤に都市の承認は得られず、0/3のままでは戦力カウントできない。《癒し手の鷹》や《ハズダーの司法官》が代替案として良さそうに見えるが、どちらも良くは思わなかった。ライフゲイン能力持ちは《アジャニの群れ仲間》と噛み合うが、そもそも《アジャニの群れ仲間》は全体除去に《轟音のクラリオン》が使われていた時代しか有用ではない。4/4に育てたところで《ケイヤの怒り》や《燃え立つ門》には無力だ。

【青の1マナ域をプレイしてみた】

《プテラマンダー》《セイレーンの嵐鎮め》

Mono-Blue Tempo

lands
19《島/Island》

creatures
4《プテラマンダー/Pteramander》
4《セイレーンの嵐鎮め/Siren Stormtamer》
3《霧まといの川守り/Mist-Cloaked Herald》
4《マーフォークのペテン師/Merfolk Trickster》
4《大嵐のジン/Tempest Djinn》

spells
4《執着的探訪/Curious Obsession》

4《選択/Opt》
3《呪文貫き/Spell Pierce》
2《潜水/Dive Down》
3《航路の作成/Chart a Course》
1《一瞬/Blink of an Eye》
1《本質の把捉/Essence Capture》
4《魔術師の反駁/Wizard's Retort》

sideboard
2《フェアリーの決闘者/Faerie Duelist》
3《波濤牝馬/Surge Mare》
2《排斥する魔道士/Exclusion Mage》
1《アズカンタの探索/Search for Azcanta》 // 《水没遺跡、アズカンタ/Azcanta, the Sunken Ruin》
3《否認/Negate》
2《氷結/Deep Freeze》
2《幻惑の旋律/Entrancing Melody》

■戦績:7-3
 現在ミシックランク1位のAlexander Hayneが使っていたデッキをコピーしてみた。このデッキもよくできていて、大体の負けはマナスクリューか僕のプレイミスによるものだった。典型的なアグロではなく、上手く乗りこなすにはいくらか時間がかかる。

■考察:
・《プテラマンダー》強い。2ターン目の《執着的探訪》のエンチャント先として《霧まといの川守り》と同様に最高だし、《川守り》と違って終盤にトップデッキしても強い。順応に4~5マナかかったとしても十分強いよ。

土地19枚は少なすぎる。僕が思うに、《選択》《航路の作成》をカットしてもう少し土地を入れるべきだ。しかしそうすると、《プテラマンダー》が弱体化する。代替案として、《一瞬》か《川守り》を1枚カットして、20枚目の土地を入れるべきじゃないかな。

このデッキは積極的にマリガンをするべきだ。やりすぎはよくないと思うかもしれないが、例えば7枚のひどい手札よりは《大嵐のジン》《執着的探訪》のある6枚のほうがよっぽどいい。《航路の作成》はマリガン時の手札補填を助けてくれる。

・単色なのに驚くほど器用だ。特にサイドボードの《波濤牝馬》と《幻惑の旋律》は特に優れている。

・《呪文貫き》は《潜水》より優先すべきだろうか、と感じた。確かに《テフェリー》や《呪文貫き》を消すことができるが、一方で《拘留代理人》《貪欲なチュパカブラ》《ショック》あたりには無力だ。僕の最初の印象では《潜水》3枚と《呪文貫き》2枚が丁度よさそうだと思ったけど、今は《荒野の再生》が流行ってきているから、ヘインのリストのほうがいいのかもしれないね。

【黒の1マナ域をプレイしてみた】

《どぶ骨》《戦墓のグール》

Rakdos Aggro

lands
4《血の墓所/Blood Crypt》
4《竜髑髏の山頂/Dragonskull Summit》
10《沼/Swamp》
5《山/Mountain》

creatures
4《どぶ骨/Gutterbones》
4《戦墓のグール/Diregraf Ghoul》
2《物盗りインプ/Pilfering Imp》
2《オルゾフの処罰者/Orzhov Enforcer》
4《リックス・マーディの歓楽者/Rix Maadi Reveler》
3《火刃の芸術家/Fireblade Artist》
2《忘れられた神々の僧侶/Priest of Forgotten Gods》
4《災いの歌姫、ジュディス/Judith, the Scourge Diva》
4《騒乱の落とし子/Spawn of Mayhem》

spells
1《興行/Carnival》 // 《叩打/Carnage》
3《稲妻の一撃/Lightning Strike》
2《批判家刺殺/Skewer the Critics》
1《舞台照らし/Light Up the Stage》
1《魔性/Bedevil》

sideboard
1《貪欲なチュパカブラ/Ravenous Chupacabra》
2《強迫/Duress》
1《魔性/Bedevil》
3《溶岩コイル/Lava Coil》
3《ドリルビット/Drill Bit》
2《恐怖の劇場/Theater of Horrors》
1《実験の狂乱/Experimental Frenzy》
2《炎鎖のアングラス/Angrath, the Flame-Chained》

■戦績:5-5
 このリストは自分で組み上げたけど、影響を受けたのはAndrea Mengucciのデッキだよ。とにかく相手の戦線をこじ開けて速やかに殴りきる、そして絢爛達成状況をできるだけつくり上げる。デッキはそこまでひどくなかったけど、全体的にカードパワー不足かな。

■考察とデッキ構築メモ:
・もし《狂信的扇動者》が黒だったら、《戦墓のグール》と差替えるのに……。マナベースの都合で、1マナ域は黒限定にせざるを得ないんだ。

・《オルゾフの処罰者》や《物盗りインプ》は絢爛達成を助けてくれる。正直、構築では力不足だと思ったけど、明確に役割があり、《ゴブリンの扇動者》よりはインパクトがある。《オルゾフの処罰者》と《物盗りインプ》は全体除去の影響を軽減してくれて、このデッキにいることは大きな意味を持つんだ。

・驚いたことに、《騒乱の落とし子》くん、君にはがっかりだ。大体すぐ……やられてしまうし、その後に何も残らない。

・《リックス・マーディの歓楽者》も僕がこのデッキに求めていたのものではない。確かに《どぶ骨》を捨てながらカードを引いたり、後半にカードを3枚引いたりすることは素晴らしいんだけど、2/2というボディは貧弱で、大体の局面で役に立たない。そもそもこのデッキの問題は2/2やら2/1やらが多すぎるところで、相手の2/3に対して無力なんだ。中盤で3枚カードを引いたところで、スゥルタイもエスパーも同じことをしているし、もっと強いカードを持っている。

【赤の1マナ域をプレイしてみた】

《ギトゥの溶岩走り》《狂信的扇動者》

Mono-Red Aggro

lands
20《山/Mountain》

creatures
4《ギトゥの溶岩走り/Ghitu Lavarunner》
4《狂信的扇動者/Fanatical Firebrand》
4《遁走する蒸気族/Runaway Steam-Kin》
4《ヴィーアシーノの紅蓮術師/Viashino Pyromancer》
4《ゴブリンの鎖回し/Goblin Chainwhirler》

spells
2《実験の狂乱/Experimental Frenzy》

4《ショック/Shock》
4《稲妻の一撃/Lightning Strike》
3《魔術師の稲妻/Wizard's Lightning》
2《批判家刺殺/Skewer the Critics》
1《危険因子/Risk Factor》
4《舞台照らし/Light Up the Stage》

sideboard
1《凶兆艦隊の向こう見ず/Dire Fleet Daredevil》
2《軍勢の戦親分/Legion Warboss》
3《再燃するフェニックス/Rekindling Phoenix》
4《溶岩コイル/Lava Coil》
1《焦熱の連続砲撃/Fiery Cannonade》
1《火による戦い/Fight with Fire》
1《危険因子/Risk Factor》
1《宝物の地図/Treasure Map》 // 《宝物の入り江/Treasure Cove》
1《山/Mountain》

■戦績:7-3
 赤単アグロはこの間のプロツアーでプレイしたデッキだし、僕が自分なりに調整してみた。戦績はそこまで振るわなかったものの、デッキの感触は良かった。

■考察とデッキ構築メモ:
《舞台照らし》はほぼ《物読み》だ。ミラディン時代の親和を思い出すよ。《ギトゥの溶岩走り》も信頼に値する強さで、この2枚のおかげで土地を20~21枚まで減らせる。

・クリーチャーより火力が多いリストを良く見かけるけど、僕が思うに継続的なダメージ源の方が重要だと思うよ。僕にとっては20枚のクリーチャーに何ら不満はなく、21枚目として《軍族の戦親分》や《再燃するフェニックス》を入れたとしても気にならない。

13~14枚の火力(《舞台照らし》があれば15~16枚に相当する)がちょうどいい枚数だと思う。なので、《魔術師の稲妻》《批判家刺殺》を4枚取ることはしない。メタゲームが動いて、より多くの1マナ域がプレイされたり《野茂み歩き》が増えたりするなら、《ショック》を何枚か3点火力に変更するだろうけど、今の比率の方がいいと思う。

・以前は《実験の狂乱》が赤単のベストカードだったけど、RNA環境が全て変えてしまった。《舞台照らし》がアドバンテージ源としてはベストな選択なので、デッキ全体のマナカーブを低く抑えることで有効に活用することがよい構築だろう。加えてコントロールがメインから《屈辱》を積んでいるような状況だし、《狂乱》は4枚から2枚に減らした。

【緑の1マナ域をプレイしてみた】

《ラノワールのエルフ》《生皮収集家》

Gruul

lands
4《踏み鳴らされる地/Stomping Ground》
4《根縛りの岩山/Rootbound Crag》
10《森/Forest》
5《山/Mountain》

creatures
4《ラノワールのエルフ/Llanowar Elves》
4《生皮収集家/Pelt Collector》
4《成長室の守護者/Growth-Chamber Guardian》
4《ザル=ターのゴブリン/Zhur-Taa Goblin》
2《クロールの銛撃ち/Kraul Harpooner》
4《グルールの呪文砕き/Gruul Spellbreaker》
2《軍勢の戦親分/Legion Warboss》
2《無効皮のフェロックス/Nullhide Ferox》
1《スカルガンのヘルカイト/Skarrgan Hellkite》
2《原初の飢え、ガルタ/Ghalta, Primal Hunger》

spells
2《ドスン/Thud》
4《争闘/Collision》 // 《壮大/Colossus》
2《強撃/Thrash》 // 《脅威/Threat》

sideboard
1《クロールの銛撃ち/Kraul Harpooner》
1《猛竜の幼生/Raptor Hatchling》
1《シヴの火/Shivan Fire》
3《溶岩コイル/Lava Coil》
4《燃えがら蔦/Cindervines》
2《野生の律動/Rhythm of the Wild》
2《混沌をもたらす者、ドムリ/Domri, Chaos Bringer》
1《ビビアン・リード/Vivien Reid》

■戦績:9-1
 発売当初、多くのプレイヤーが《野生の律動》を高く評価していた。最初は僕もいいかなーと思っていたけど、いざ自分でグルールアグロを組もうとしたら、最終的に抜けた。結果、《野生の律動》なしのリストは好感触だったよ。

■考察とデッキ構築メモ:
《律動》は《吸収》デッキに対するサイドボードカードに落ち着いた。メインには入らない。《ラノワールのエルフ》が引けない時には貧弱だし、ゲーム後半にトップしても嬉しくない。クリーチャーを戦場に追加しなければならないタイミングと被ってしまうし、《生皮収集家》が強くなるわけでもない。このスタイルのデッキは、3マナ域をクリーチャーで固めるべきだろうね。

・このデッキの1マナ域がスタンダードで一番強かった。

・クリーチャーのマナカーブと、それを支えるマナベースは強固だ。《強撃//脅威》はクリーチャーとしても除去としても使えるいい役割を担っている。

・《成長室の守護者》マジで強いな。片手間で全体除去対策になる。速攻クリーチャーも、ラスゴ系効果にいくらか耐性を持たせる術となる。

《燃えがら蔦》はサイドボードのエースだね。

・《再燃するフェニックス》も《鉄葉のチャンピオン》も考えたんだけど、コンスタントに唱えられるようにするには《冒険の衝動》《培養ドルイド》《管区の案内人》あたりが必須になってしまう。少なくとも僕が最初に作ったリストではそこまでする価値を見いだせなかったけど、将来的には試してみる価値はありそうだとも思うよ。特に《再燃するフェニックス》は魅力だね。ただし、1ターン目に緑マナを出せる土地を12~13枚に下げてしまうことになるので、デッキにとっては大きな痛手となる。そういう方向に持っていくのは好きじゃないけど、それを補ってあまりあるデッキパワーの増加につながるなら、受け入れるかもしれないね。

・《ドスン》は……どうだろうなぁ。本当の所、あんまり要らない気がする。大体サイドアウトしてたけど、《争闘//壮大》とのコンボは試してみる価値があると思う。それとは別に、パンプアップした《クロールの銛打ち》や《ガルタ》を相手の顔面にシュートすることもできるぞ。

・《猛竜の幼生》と《シヴの火》は最後にサイドボードに足した枠で、赤単と白単を同時に見られるカードにしたかったんだ。《焦熱の連続砲撃》は白単相手に良く効くし、《クロールの食料隊》《打ち壊すブロントドン》あたりは赤単相手に良い。メタゲームによって使い分けようと思う。

【《予見のスフィンクス》を使ってみた】

《癒し手の鷹》《セイレーンの嵐鎮め》

Azorius Skies

lands
7《平地/Plains》
7《島/Island》
4《氷河の城砦/Glacial Fortress》
4《神聖なる泉/Hallowed Fountain》

creatures
4《癒し手の鷹/Healer's Hawk》
4《錆色翼の隼/Rustwing Falcon》
4《プテラマンダー/Pteramander》
4《セイレーンの嵐鎮め/Siren Stormtamer》
2《戦凧の匪賊/Warkite Marauder》
3《予見のスフィンクス/Sphinx of Foresight》
3《敬慕されるロクソドン/Venerated Loxodon》

spells
4《順風/Favorable Winds》
1《議事会の裁き/Conclave Tribunal》
3《大判事、ドビン/Dovin, Grand Arbiter》

1《航路の作成/Chart a Course》
3《解任/Depose》 // 《開展/Deploy》
2《不敗の陣形/Unbreakable Formation》

sideboard
3《フェアリーの決闘者/Faerie Duelist》
3《否認/Negate》
1《軽蔑的な一撃/Disdainful Stroke》
1《潜伏工作員の悪知恵/Sleeper's Guile》
1《残骸の漂着/Settle the Wreckage》
2《幻惑の旋律/Entrancing Melody》
2《空の縛め/Sky Tether》
1《議事会の裁き/Conclave Tribunal》
1《暴君への敵対者、アジャニ/Ajani, Adversary of Tyrants》

■戦績:3-7
 なんで僕はこんなデッキを組んだんだろう……。構想段階では「たくさん飛行持ちを出して《順風》貼ったら強くね?」だったんだけどね。現実は残酷である。

■考察とデッキ構築メモ:
・1マナ域の色はどちらかに絞るべきだね。《平地》と白の1マナ域、《島》と青の1マナ域、という風にね。後手の時だけは《予見のスフィンクス》の占術でどちらの土地も探しに行けるんだけど。

・《予見のスフィンクス》はまともだったし、《順風》はデッキにフィットしていたけど、だからといって1/1飛行の群れを入れたデッキがプレイアブルになるわけないよな。

・《執着的探訪》と《潜水》はなんか場違いな気がしたので入れなかった。

・《不敗の陣形》と《敬慕されるロクソドン》(どちらも《順風》と同じ役割がある)は《プテラマンダー》との相性が悪すぎた。

・このデッキは《ライラ》《ゴブリンの鎖回し》《ケイヤの怒り》といった、スタンダードで良く見るカードのいずれにも弱い。

・《ドビン》もそこまで強くなかった。プレイアブルではあるけど、僕がプレイしたゲームでは、このデッキ構築の方向性を正当化する程のインパクトはなかったね。

【《手つかずの領土》を使ってみた】

《水底の生術師》《クメーナの語り部》

Merfolk

lands
6《島/Island》
5《森/Forest》
4《繁殖池/Breeding Pool》
4《内陸の湾港/Hinterland Harbor》
4《手付かずの領土/Unclaimed Territory》

creatures
4《クメーナの語り部/Kumena's Speaker》
4《水底の生術師/Benthic Biomancer》
3《霧まといの川守り/Mist-Cloaked Herald》
4《銀エラの達人/Silvergill Adept》
4《深根の精鋭/Deeproot Elite》
4《マーフォークの霧縛り/Merfolk Mistbinder》
1《マーフォークの枝渡り/Merfolk Branchwalker》
4《オラーズカの暴君、クメーナ/Kumena, Tyrant of Orazca》
1《翡翠光のレインジャー/Jadelight Ranger》
2《楽園党の議長、ゼガーナ/Zegana, Utopian Speaker》

spells
1《ハダーナの登臨/Hadana's Climb》 // 《オラーズカの翼神殿/Winged Temple of Orazca》

3《呪文貫き/Spell Pierce》
2《孵化/Incubation》 // 《不和/Incongruity》

sideboard
1《鋭射手の斉射/Sagittars' Volley》
3《蔦形成師の神秘家/Vineshaper Mystic》
1《大嵐呼び/Tempest Caller》
1《俊敏な番人/Swift Warden》
1《潜水/Dive Down》
3《否認/Negate》
1《軽蔑的な一撃/Disdainful Stroke》
1《川守りの恩恵/River Heralds' Boon》
1《押し潰す梢/Crushing Canopy》
2《幻惑の旋律/Entrancing Melody》

■戦績:5-5
 マーフォーク部族デッキだ。プレイが楽しく、競技レベルに達している印象を持ったけど、そんなことはなかった。

■考察とデッキ構築メモ:
・部族デッキの時はいつもそうだけど、何度も試行錯誤した結果の最終的なリストを載せている。《深根の水域》や《マーフォークのペテン師》なども試してみたけど、うまく機能せず、デッキから抜いた。

・RNAで加わったカード(《水底の生術師》《ゼガーナ》《孵化//不和》)はすべてデッキに入った。デッキにシナジーを与え、デッキがパワフルになった。

・戦場にクリーチャーを並べることで機能するデッキなので、全体除去にとんでもなく弱い。《採取//最終》や《ケイヤの怒り》なら《呪文貫き》でどうにかできなくもないけど、《燃え立つ門》には無力だし、そもそも《ゴブリンの鎖回し》がどうしようもない。

・除去が取れないので《野茂み歩き》や《拘留代理人》、《人質取り》に対して無力なのも気になる。《孵化//不和》も回答とは言いづらい。サイドボードから《幻惑の旋律》を引き込むことは可能だけど、それだけでは足りない。

【混成マナの1マナ域を使ってみた】

《どぶ骨》《脚光の悪鬼》

Mardu Judith

lands
4《神無き祭殿/Godless Shrine》
4《聖なる鋳造所/Sacred Foundry》
4《血の墓所/Blood Crypt》
4《孤立した礼拝堂/Isolated Chapel》
3《断崖の避難所/Clifftop Retreat》
1《竜髑髏の山頂/Dragonskull Summit》
3《沼/Swamp》

creatures
4《脚光の悪鬼/Footlight Fiend》
4《どぶ骨/Gutterbones》
4《第1管区の勇士/Hero of Precinct One》
3《徴税人/Tithe Taker》
4《無慈悲な司教/Pitiless Pontiff》
2《忘れられた神々の僧侶/Priest of Forgotten Gods》
3《真夜中の死神/Midnight Reaper》
4《災いの歌姫、ジュディス/Judith, the Scourge Diva》

spells
2《舞台照らし/Light Up the Stage》
3《屈辱/Mortify》
4《英雄的援軍/Heroic Reinforcements》

sideboard
3《疫病造り師/Plaguecrafter》
3《強迫/Duress》
2《喪心/Cast Down》
2《ドリルビット/Drill Bit》
2《恐怖の劇場/Theater of Horrors》
1《実験の狂乱/Experimental Frenzy》
2《炎鎖のアングラス/Angrath, the Flame-Chained》

■戦績:10-0
 あー、最後に結果が出せてほっとしたよ。yoman5が使っていたマルドゥ人間デッキを組もうと思っていたんだけど、Gerry Thompsonの最新版(リンク先は英語)を見てそっちに乗り換えた。コピーしたら、うっとりするほどきれいに回ったんだ。

■考察:
・マナベースは完璧とは言い難い。《どぶ骨》を唱えるのに必要な黒マナ(=1ターン目のアンタップイン)が11枚しか入っていない。その分《脚光の悪鬼》は1ターン目に唱えやすくなっている。混成マナのおかげで、1ターン目に15枚の土地のうち1枚が引ければスタートできるからね。

・《第1管区の勇者》、《ジュディス》、《英雄的援軍》は大いに活躍する。加えて《忘れられた神々の僧侶》はどちらの1マナ域とも噛み合う。いくつかの局面で、「このターン内に勝てる?」問題のようなシチュエーションになる。僕の大好きな盤面だね(笑)。

このデッキは全体除去に耐性がある。《無慈悲な司教》《どぶ骨》《徴税人》《真夜中の死神》といった面々をクリアにすることは不可能だ。サイドボードからのハンデスもコントロール戦略にばっちり刺さる。

《徴税人》《真夜中の死神》《舞台照らし》の枠はフリースロットだ。他のカードを試して、よければこれらのいずれかの枚数を減らすかな。

・試してみたい方向性はいくつもある。まず、土地を24枚にして、《正義の模範、オレリア》《興行//叩打》を入れるパターン。次に、《速太刀の擁護者》《タージク》《完全//間隙》を入れた前のめりなバージョン。《速太刀の擁護者》バージョンには《不屈の護衛》や《追われる証人》を入れてマナベースを整えることになるから、《どぶ骨》を抜くことになり、結果《忘れられた神々の僧侶》の価値も下がることになる。それがいいかどうかはわからないけど、人間ベースに固めることで《手つかずの領土》を入れることが許容されるんだ。


【結論】

 僕はコンボデッキは大好きで、特に四次元チェスをプレイするようなものは最高だと思う。でも、スタンダードの競技シーンに持ちこんで勝てるデッキということになると、どうしても《運命のきずな》になってしまう。《山》相手にボコボコにされたり、0-0-7の結果で終わったりするのは嫌だ。だから1マナ域だ。アグロデッキなら時間切れになることはないからね。

 僕が気に入ったのは白ウィニー、青単テンポ、赤単、グルールアグロ、マルドゥジュディスの5つだ。プロツアーで打ち消しを搭載したデッキを使うのはあんまり好きじゃないんだ。僕よりもっとプレイがうまいプレイヤーがたくさんいるからね。でも青単テンポは有力候補の一つとして考えているよ。何にせよ、まだ結論は出ていない――もっともっとテストを重ねて、メタゲームを研究しなきゃいけないね。上記以外のデッキ(ラクドス、アゾリウス飛行、マーフォーク)はデッキパワー不足で、全体除去やキーカードの的確な除去に弱かった。

 現在のメタを考えると、使われうる全体除去はいくつかある:《採取//最終》《ケイヤの怒り》《轟音のクラリオン》《ゴブリンの鎖回し》《燃え立つ門》、加えてサイドボードからは《焦熱の連続砲撃》《肉儀場の叫び》も飛んでくる。これらには破壊不能、打ち消し、死亡誘発効果、墓地やデッキからの復活、速攻、PWの利用、そしてハンデスといった手段を組み合わせて対処しよう。

 付け加えると、アグロデッキは相手が無抵抗なら4~5ターンで相手を倒せなければダメだ。そうでなければ、アグロ側のターンは二度とやってこない。加えて、厄介なクリーチャーたち、例えば《野茂み歩き》《大嵐のジン》《拘留代理人》《人質取り》のような面々に対する対抗策も必要になる。除去を握っていれば問題ないが、すぐに除去できなければ前述の生物は影響力が強く、他の手段で乗り越えなければならない。1/1や2/2の群れに意味はない。僕のデッキのうちいくつかが上手くいかなかったのはこの点にある。

 最後に書き足しておくと、全てのデッキはMTG Arenaで全部無料で組んだものだ。RNAのドラフトを何度もやって、ワイルドカードを使ってカードを集めたんだ。どうやったかはこのビデオ(https://www.youtube.com/watch?v=xrEW5YfZO6E)を見てくれ。

 デッキ・テクをもっと詳細に聞きたいデッキ、もしくは僕にMCクリープランドで使ってほしいデッキはあるかな? ぜひ、コメントで僕に教えてくれ!!

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とけいまわり
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