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パイオニア環境分析のつもり(1/14~31)だからてめえをボコる!徹底的にだ!
■はじめに
こんにちは。もうすぐ『神河:輝ける世界』が発売になります。特にデジタルでは2月11日リリースということで、今週末にはいよいよ遊べる、という日を迎えます。既に全カードが公式カードギャラリーに公開されています。
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前回から20年弱、蓋を開けたらスピリットや侍もそこそこに、待っていたのは一風変わった機体や装備品、変身する英雄譚など、アーティファクトやエンチャントのオンパレード。最近あまりフィーチャーされることがなかった要素なだけに、ワクワクしますね。
ということで、ここまでのパイオニア環境を振り返ってみる意味でも、前回からの期間(1月中旬~下旬)のメタゲームを振り返ってみたいと思います。
■メタゲームブレイクダウン
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前回の記事でフィーチャーした、ボロス英雄的が急伸しました。
使用率は第2位で、1位のイゼットフェニックスに迫る勢いです。比較的安価でゲームスピードが速い、という点でオンライン向けのデッキであり、特に勝ちパターンにハマった時のスピードは他の追随を許しません。イゼットフェニックスが押し引きで勝負するデッキなのに対し、ボロス英雄的は基本的にプロアクティブ戦略を実行していくデッキになっています。
また赤単も、再び《僧院の速槍》を採用した赤単アグロ型に回帰する傾向が見られました。上記グラフでは赤単系として一括りにしてしまっていますが、割合としては7割がアグロ型です。
代わりに減少したのはなんと吸血鬼。徐々に減っていっているイメージですが、コンボに対する相性の悪さに加え、ボロス英雄的という軸をずらしたデッキの台頭で、一気にデッキの乗り換えが進んだ印象です。強力なデッキではありますが、一時期の勢いは完全に途絶えました。
コンボ系も順位を落としてはいますが、ジェスカイの隆盛コンボは依然として一定数を保っています。
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メタゲームもアグロが増えました。ほぼボロス英雄的、赤単アグロの増加分ですが、ちらほらとアグロが増えているように見受けられます。なお、本グラフでは赤単アグロはAggro、赤単ミッドレンジはMidrangeでカウントしています。
代わりにコンボが割を食っています。ジェスカイの隆盛、ロータスコンボともに減少したため全体の割合が大きく落ちました。ミッドレンジよりアグロの方が厳しいですが、両コンボともキルターン数は遅くないため、それ以上の理由があるかもしれませんね。
■注目デッキ1:ラクドスブラッド
BEENEW (1ST PLACE)
PIONEER CHALLENGE 12377873 ON 01/22/2022
creature (17)
2 《縫い師への供給者/Stitcher's Supplier》
1 《魔王の器/Archfiend's Vessel》
4 《ヴォルダーレンの美食家/Voldaren Epicure》
2 《血に飢えた敵対者/Bloodthirsty Adversary》
4 《税血の収穫者/Bloodtithe Harvester》
4 《死の飢えのタイタン、クロクサ/Kroxa, Titan of Death's Hunger》
sorcery (11)
4 《思考囲い/Thoughtseize》
1 《強迫/Duress》
3 《立身/Claim》 // 《出世/Fame》
2 《戦慄掘り/Dreadbore》
1 《真っ白/Go Blank》
instant (10)
4 《致命的な一押し/Fatal Push》
4 《命取りの論争/Deadly Dispute》
1 《癇しゃく/Fiery Temper》
1 《コラガンの命令/Kolaghan's Command》
land (22)
4 《血の墓所/Blood Crypt》
4 《憑依された峰/Haunted Ridge》
4 《荒廃踏みの小道/Blightstep Pathway》
1 《ヨーグモスの墳墓、アーボーグ/Urborg, Tomb of Yawgmoth》
2 《ロークスワイン城/Castle Locthwain》
1 《目玉の暴君の住処/Hive of the Eye Tyrant》
2 《バグベアの居住地/Den of the Bugbear》
1 《寓話の小道/Fabled Passage》
2 《山/Mountain》
1 《沼/Swamp》
sideboard (15)
1 《夢の巣のルールス/Lurrus of the Dream-Den》
2 《強迫/Duress》
2 《炎恵みの稲妻/Flame-Blessed Bolt》
2 《大群への給餌/Feed the Swarm》
2 《溶岩コイル/Lava Coil》
2 《アングラスの暴力/Angrath's Rampage》
3 《真っ白/Go Blank》
1 《神々の憤怒/Anger of the Gods》
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以前ご紹介したラクドスミッドレンジに新たな派生が登場しました。採用カードと動きから「ラクドスブラッド」と仮称を付けましたが、ミッドレンジ的なデッキであることに変わりはなく、分類上はひとくくりにしています。上記グラフの半数以上は今回の形になります。
動きとして大きく違うのは、《死の飢えのタイタン、クロクサ》を中心に据えたハンデス特化のデッキということです。
1マナ域には《縫い師の供給者》《ヴォルダーレンの美食家》という軽量な墓地肥やしのパーツを採用、デッキを掘り進める原動力としつつ序盤のチャンプブロッカー、あるいは《命取りの論争》の餌にします。《立身//出世》は上記パーツや《クロクサ》を再利用しつつ墓地を肥やしながら相手の妨害を行います。
その間、相手をハンデスや除去で妨害しながら手札を締め上げ、高速で《クロクサ》を呼び込み、相手のリソースが枯れたところを一気に仕留めます。
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以上の説明だと、以前のラクドスアルカニストに近い動きですが、《戦慄衆の秘儀術師》は不採用。打点が高く能動的に墓地に行ける《税血の収穫者》、打点を稼ぎつつ後半にアドバンテージ源となる《血に飢えた敵対者》などが採用されています。より速いターンでの決着を望んでいるチョイスと言えるでしょう。
非常にテクニカルな動きをするため、現段階での評価が非常に難しいですが、環境に遅めorコンボデッキが増えるとハンデス軸の妨害が有効になるため、選択肢として浮上してきます。
従来のラクドスミッドレンジでは不得手だった相手に勝機が見えてきますので、勝率が伸び悩んでいる方はぜひ一度お試しください!
■注目デッキ2:ボロスバーン
L3D91 (11TH PLACE)
PIONEER CHALLENGE 12377843 ON 01/23/2022
creature (14)
4 《僧院の速槍/Monastery Swiftspear》
4 《ヴォルダーレンの美食家/Voldaren Epicure》
2 《傲慢な新生子/Insolent Neonate》
4 《大歓楽の幻霊/Eidolon of the Great Revel》
sorcery (4)
4 《批判家刺殺/Skewer the Critics》
instant (22)
4 《火遊び/Play with Fire》
4 《稲妻の一撃/Lightning Strike》
4 《頭蓋割り/Skullcrack》
4 《ボロスの魔除け/Boros Charm》
2 《灼熱の血/Searing Blood》
4 《癇しゃく/Fiery Temper》
land (20)
4 《聖なる鋳造所/Sacred Foundry》
4 《感動的な眺望所/Inspiring Vantage》
4 《戦場の鍛冶場/Battlefield Forge》
1 《ラムナプの遺跡/Ramunap Ruins》
7 《山/Mountain》
sideboard (15)
1 《夢の巣のルールス/Lurrus of the Dream-Den》
4 《墓所の門番/Cemetery Gatekeeper》
4 《岩への繋ぎ止め/Chained to the Rocks》
1 《ポータブル・ホール/Portable Hole》
3 《乱動する渦/Roiling Vortex》
2 《灼熱の血/Searing Blood》
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アグロの主体がボロス英雄的や赤単に移ったため、ボロスアグロはどうなったの……?と気になる方も少なくないかと思いますが、ボロスアグロはその中でも形を変えて生き残っています。
赤白2色のアグロデッキを、本noteでは一貫して「ボロスアグロ」という名称を用いてきましたが、いよいよボロスバーンといった様相を呈してきました。
基本は以前と変わらず、軽量クリーチャーと軽量バーンスペルという構成ですが、変わったのはその比率です。《大歓楽の幻霊》以外の軽いクリーチャー、具体的には《ヴィーアシーノの紅蓮術士》などを避け、代わりに《頭蓋割り》《批判家刺殺》などの軽量火力を入れています。
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特筆すべきは手札ローテーションのシナジーです。具体的には1マナ域に《ヴォルダーレンの美食家》や《傲慢な新生児》を投入しつつ《癇しゃく》を採用、1マナ3点火力での運用を可能にしながらアグロ相手のブロッカーとして活用、同時に手札を循環させます。当然コンボ等の相手には微弱ながらクロックとしても活躍します。こうしたマナフラッドを徹底的に回避する方針はバーンらしいですね。
これによって軸がずれるため、従来のアグロ対策を回避する狙いがあります。本体火力は特定の方法以外で防ぎづらく、汎用的なサイドボードでは効果がありません。
サイドボードも徹底したバーン仕様。アグロ、主に英雄的対策に《岩への縛り付け》《ポータブル・ホール》が採用されていますが、基本はスピード勝負。レガシーのバーンに近い仕上がりになっているので、プレイングは一癖ありますが、好きな方はぜひこちらのバージョンも試してみてください。
■終わりに
最初にも触れましたが、いよいよ『神河:輝ける世界』がリリースされます!
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少し重めのカードが多い印象もありますが、パイオニアにどのような影響を与えるのでしょうか。ぜひ注目していきたいと思います!
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