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パイオニア環境分析のつもり(8/17~25)再生がやってくるヤァヤァヤァ!

■はじめに

 こんばんは。……あの邦題何だったんでしょうね。

 さて、パイオニアの禁止改訂から1ヶ月弱、メタゲームも洗練されてきました。前回多くのアーキタイプが見られましたが淘汰が進んだようです。前回取り上げたあのデッキも大きく躍進しています。早速見ていきましょう。

▼Pioneer Preliminary 08/17

5-0
Mono-G Devotion
 
4-1
Mono-B Aggro
Ensoul
Rakdos Aggro
Esper Yorion
Reclamation
 
3-2
Mono-R Aggro
Mono-G Devotion
Azorius Control
Boros Aggro
Sacrifice
Sacrifice
Esper Yorion
Naya Winota

▼Pioneer Preliminary 08/18

5-0
Reclamation
 
4-1
Mono-G Devotion
Esper Yorion
Yorion Niv
 
3-2
Mono-B Aggro
Mono-R Aggro
Mono-G Devotion
Mono-G Devotion
Orzhov Aura
Jeskai Fires

▼Pioneer Preliminary 08/19

4-1
Mono-G Devotion
Mono-G Devotion
Gruul Aggro
Esper Yorion
Niv-to-Light

3-2
Mono-B Aggro
Mono-G Devotion
Rakdos Aggro
Reclamation
Esper Yorion
Jeskai Fires
Jeskai Fires

▼Pioneer Preliminary 08/20

5-0
Reclamation
 
4-1
Orzhov Aura
Reclamation
 
3-2
Mono-G Devotion
Sacrifice
Esper Yorion
Reclamation
Reclamation
Niv-to-Light

▼Pioneer Preliminary 08/21

5-0
Lotus Storm
 
4-1
Mono-R Aggro
Dimir Control
Sacrifice
Naya Winota
Niv-to-Light
 
3-2
Mono-B Aggro
Mono-G Devotion
Ensoul
Sacrifice
Jeskai Fires
Reclamation
Reclamation
Reclamation
Reclamation
Lotus Storm
Lotus Storm

▼Pioneer Preliminary 08/24

4-1
Mono-G Devotion
Mono-G Devotion
Mono-R Aggro
Spirit
Azorius Control
Dimir Control
 
3-2
Mono-R Aggro
Mono-G Devotion
Dimir Control
Rakdos Aggro
Sacrifice
Reclamation
Reclamation
Reclamation
Yorion Niv

▼Pioneer Preliminary 08/25

5-0
Mono-B Aggro
 
4-1
Reclamation
Reclamation
 
3-2
Mono-G Devotion
Mono-G Devotion
Spirit
Sacrifice
Esper Yorion
Niv-to-Light

■メタゲームブレイクダウン

画像1

 前回紹介したティムール再生(Reclamation)が一気にトップメタに躍り出ました。ワカミさんのパイオニアチャレンジ優勝はそれだけのインパクトを残したようで、海外記事でも次々と紹介されています。

 以下緑単信心(Mono-G Devotion)、エスパーヨーリオンゴルガリ/ジャンドサクリファイス5色ニヴミゼットと続きますが、ここまでの上位5つのアーキタイプでメタゲームの6割を占める結果となっています。禁止直後の雑多な環境が整理され、メタゲームのティアーがはっきりしてきたようです。

Tier1:緑単信心、ティムール再生(New!!)
Tier2:5色ニヴミゼット(↓)、エスパーヨーリオン(↑)、サクリファイス

 いわゆる「ブン回り」が発生すると手がつけられない点はティムール再生、緑単信心ともに同じであり、エスパーやニヴミゼットがそれを受ける形となります。ボードに触りつつフィニッシュ手段にもつながるコンボを内蔵するサクリファイスは両者の中間の立ち位置ですが、大きく分けてプロアクション系、リアクション系の二つにメタゲームが分かれていて、今はプロアクション側が優勢です。

■注目デッキ1:エスパーヨーリオン

MAROLANZI (4-1)
PIONEER PRELIMINARY 12195678 ON 08/19/2020
 
planeswalker (11)
1《悪夢の詩神、アショク/Ashiok, Nightmare Muse》
4《覆いを割く者、ナーセット/Narset, Parter of Veils》
2《ドミナリアの英雄、テフェリー/Teferi, Hero of Dominaria》
4《時を解す者、テフェリー/Teferi, Time Raveler》
 
creature (2)
2《空を放浪するもの、ヨーリオン/Yorion, Sky Nomad》
 
sorcery (12)
4《思考囲い/Thoughtseize》
4《思考消去/Thought Erasure》
4《至高の評決/Supreme Verdict》

instant (6)
1《塵へのしがみつき/Cling to Dust》
1《取り除き/Eliminate》
4《致命的な一押し/Fatal Push》
 
enchantment (14)
3《エルズペス、死に打ち勝つ/Elspeth Conquers Death》
4《ケイヤの誓い/Oath of Kaya》
4《海の神のお告げ/Omen of the Sea》
3《野望の試練/Trial of Ambition》
 
land (35)
1《アーデンベイル城/Castle Ardenvale》
4《水没した地下墓地/Drowned Catacomb》
4《寓話の小道/Fabled Passage》
1《ガイアー岬の療養所/Geier Reach Sanitarium》
4《氷河の城砦/Glacial Fortress》
4《神無き祭殿/Godless Shrine》
4《神聖なる泉/Hallowed Fountain》
2《島/Island》
3《孤立した礼拝堂/Isolated Chapel》
1《平地/Plains》
1《乱脈な気孔/Shambling Vent》
2《沼/Swamp》
4《湿った墓/Watery Grave》
 
sideboard (15)
1《空を放浪するもの、ヨーリオン/Yorion, Sky Nomad》
2《霊気の疾風/Aether Gust》
2《ドビンの拒否権/Dovin's Veto》
4《墓掘りの檻/Grafdigger's Cage》
4《神秘の論争/Mystical Dispute》
2《空の粉砕/Shatter the Sky》

 勢力拡大中のエスパーヨーリオンです。トップメタのティムール再生への回答である《時を解す者、テフェリー》がナチュラルに4積みされていること、緑単信心に有効な全体除去・軽量除去が積まれていることで、メタゲーム上のポジションが一気に良くなりました。

 EtB能力を持つエンチャントや各種PWを軸にしたタップアウトコントロールであり、打ち消しは備えていません。その代わりを務めるのが、合計8枚の手札破壊。手札破壊と除去の連打で消耗戦に持ち込み、《ヨーリオン》でアドバンテージを稼ぎながら相手の攻め手を潰し、空から殴りきるのが勝ちパターンです。

 サイドボードには《墓掘りの檻》が4積みされていて、トップメタ・ティムール再生の《ウーロ》《薬術師の眼識》というアドバンテージカードを封じ、Tier2以下でもサクリファイスの《ボーラスの城塞》による即死、他黒単アグロの復活生物群、緑系の《集合した中隊》など幅広いカードを防ぐことができます。80枚デッキなので4枚積まないと引くことができない点はネックですが、リスクリターンの判断においては致し方ないところ。

 デッキの性質上、メタゲームにクリーチャーが多ければ多い程真価を発揮します。根強い人気があるデッキで、メタに合わせた調整も容易なことから、今後数が増えてくるかもしれません。

■注目デッキ2:ラクドスアルカニスト

TOASTXP (3-2)
PIONEER PRELIMINARY 12198563 ON 08/24/2020
 
creature (17)
4《縫い師への供給者/Stitcher's Supplier》
4《戦慄衆の秘儀術師/Dreadhorde Arcanist》
2《ケラル砦の修道院長/Abbot of Keral Keep》
4《若き紅蓮術士/Young Pyromancer》
3《死の飢えのタイタン、クロクサ/Kroxa, Titan of Death's Hunger》
 
sorcery (9)
4《立身/Claim》 // 《出世/Fame》
1《突破/Crash Through》
4《思考囲い/Thoughtseize》
 
instant (12)
4《致命的な一押し/Fatal Push》
4《村の儀式/Village Rites》
4《乱撃斬/Wild Slash》
 
land (22)
4《血の墓所/Blood Crypt》
1《泥濘の峡谷/Canyon Slough》
2《ロークスワイン城/Castle Locthwain》
3《竜髑髏の山頂/Dragonskull Summit》
4《凶兆の廃墟/Foreboding Ruins》
4《山/Mountain》
4《沼/Swamp》
 
sideboard (15)
1《夢の巣のルールス/Lurrus of the Dream-Den》
3《群れネズミ/Pack Rat》
2《魂標ランタン/Soul-Guide Lantern》
2《強迫/Duress》
2《マグマのしぶき/Magma Spray》
3《害悪な掌握/Noxious Grasp》
1《ファリカの献杯/Pharika's Libation》
1《コラガンの命令/Kolaghan's Command》

 ヒストリックで注目を集めているラクドスアルカニストがパイオニアにも登場しました。1マナの優良スペルを、デッキ名にもなっている《戦慄衆の秘儀術士》で再利用、さらには相棒に《夢の巣のルールス》も加わり、カード・ボード両面でアドバンテージを取りながら制圧していきます。もともとあったアーキタイプですが、M21から《村の儀式》を得て一気に強化されました。

 ヒストリックとの違いは「墓地対策の頻度」「マナベースの強化」です。ヒストリックではアゾリウスコントロールの《安らかなる眠り》で詰んでしまう点が問題視されていますが、パイオニアでは墓地を使うデッキが限られており、墓地対策はやや控えめです。また、友好2色のマナベースもヒストリックより改善されています(《凶兆の廃墟》あたりは性能的になかなか厳しいですが……)。

 緑単信心やティムール再生、5色ニヴミゼットは手札や盤面をある程度溜めこむ「下準備」が必要なため、速いターンでのリソースの削り取りが有効に働きます。一方で後手の際はリソース攻撃が間に合わないケースもあり、トップデッキからの逆転を許すケースもあります。

 サイドボードにはあの悪名高い《群れネズミ》の姿が。リソース勝負に持ち込んだ後の《群れネズミ》はゲームを速やかに終わらせることができ、コントロールはマスト対処です。また、ささやかながらエンチャント対策の《ファリカの献杯》も見られ、《荒野の再生》を狙い打つ準備も万端。

 墓地依存度がサイドボード後も高く、《墓掘りの檻》《安らかなる眠り》《虚空の力戦》など墓地対策が刺さってしまう点はスゥルタイ昂揚と同様ですが、ゲームレンジが短いため早めの攻めで解消できそうです。急戦オプションも含めて、リストの洗練が進めば面白いデッキになりそうです。

■終わりに

 前回ご紹介したティムール再生のリストが海外でも広まりトップメタになりました。雑多なデッキの入賞は数えるほどとなり、アーキタイプ数も減少しています。ちらほらと面白いアイデアは散見されるものの、理不尽な動きをするTier1の2デッキへの対応は難しく、メタゲームの支配率は高くなっています。

 反面、ビートダウン系デッキに元気がありません。なかなか《ウーロ》を乗り越えるのが難しい様子。アグロならではの理不尽さ(《エンバレスの宝剣》《ウィノータ》など)を押し付けるデッキでないと、《ウーロ》へ対抗するのは難しそうです。もしくは、ラクドスアルカニストのようなデッキ全体でのアイデアで乗り越えるしかないのかもしれません。

 いよいよ来週9/2から「ゼンディカーの夜明け」のプレビューも開始予定。パイオニアに楔を打ち込むカードは現れるのでしょうか。こちらも楽しみにしながら待ちましょう。


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とけいまわり
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