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パイオニア環境分析のつもり(1/5~24)モダンから来ました

■はじめに

 こんばんは。前回から間があいてしまいましたが、おそらく本環境最後のパイオニア環境分析をお届けしたいと思います。
 そう、今週末から「カルドハイム」プレリリースが開始となります。

 残念なことに緊急事態宣言期間のため、該当11都府県においてはリアルイベントは軒並み自粛となりそうですが、MTGAやMTGOのイベントは普段通り実施されますので、ぜひオンラインでもお楽しみいただければと思います。

 予習に役立つ(かもしれない)体系整理用のカードリストも作りましたので、ぜひご活用ください!

■メタゲームブレイクダウン

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 最多使用率については前回から大きく変化はなく《荒野の再生》デッキが2つ合わせてトップ、次点が4色オムナスです。差は縮まっていて、《再生》デッキは20%を割り込みましたが、オムナスは前回の12.5%からやや上回る使用率を見せています。

 大きく数字を伸ばしたのはその次の2つ。ひとつは緑単信心で、単体使用率2位の12%を叩き出しました。ブン回り+「メインからのサイドボーディング」が雑多なメタでは有用で、特に妨害手段の少ないアグロや、ブン回り対決になるランプ対決では速度で勝ります。

 もうひとつはボロスアグロ。赤単が大きく数を落としています。《荒野の再生》デッキのように細かなスペルを連打する相手には《大歓楽の幻霊》が有効で、アグロが減れば減るほどバリューが増します。今回は苦手なオルゾフオーラの使用率がやや減少していることも躍進要因のひとつだと思われます。なお、2マナ域を《ケラル砦の修道院長》にしているデッキも数件見られます。より妨害に強くなり、長期戦を意識した形の構成となります。

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 ミッドレンジが若干増加、アグロ、ミッドレンジがほぼ同率に。コンボとコントロールが少しずつ率を落としています。
 ミッドレンジの使用率増加の影響か、テンポデッキは若干ですが増加傾向にあり、今回はスピリットがやや多めに見られました。他、ディミーアローグも入賞しています。


■注目デッキ1:オルゾフハンマータイム

CONOR_MAN11 (15TH PLACE)
PIONEER CHALLENGE 12250163 ON 01/16/2021
 
creature (18)
4 《マルドゥの悲哀狩り/Mardu Woe-Reaper》
4 《ドラゴンを狩る者/Dragon Hunter》
3 《血に染まりし勇者/Bloodsoaked Champion》
4 《コーの刃使い/Kor Blademaster》
3 《血顎の憤怒鬼/Blood-Chin Rager》
 
sorcery (4)
4 《武器庫の開放/Open the Armory》
 
instant (6)
4 《毅然たる一撃/Resolute Strike》
2 《神々の思し召し/Gods Willing》
 
artifact (7)
4 《巨像の鎚/Colossus Hammer》
1 《影槍/Shadowspear》
2 《願い爪のタリスマン/Wishclaw Talisman》
 
enchantment (4)
4 《シガルダの助け/Sigarda's Aid》
 
land (21)
4 《陽光昇りの小道/Brightclimb Pathway》
4 《コイロスの洞窟/Caves of Koilos》
4 《秘密の中庭/Concealed Courtyard》
4 《神無き祭殿/Godless Shrine》
4 《変わり谷/Mutavault》
1 《平地/Plains》
 
sideboard (15)
1 《夢の巣のルールス/Lurrus of the Dream-Den》
1 《封じ込める僧侶/Containment Priest》
4 《浄光の使徒/Apostle of Purifying Light》
4 《思考囲い/Thoughtseize》
1 《致命的な一押し/Fatal Push》
1 《疎外/Isolate》
1 《真髄の針/Pithing Needle》
1 《魂標ランタン/Soul-Guide Lantern》
1 《軍団の最期/Legion's End》

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 モダンではおなじみの一撃必殺コンボデッキ・ハンマータイム。メインコンボはパイオニアのカードプールでも成立しますが、サーチ手段や踏み倒し手段の不足から使用率は微々たるものでした。実は地味に《ゼンディカーの夜明け》でパーツが増えていて、今回は期間入賞に4デッキを送り込んでいます。

 その増えたパーツとは《毅然たる一撃》。戦士クリーチャーを対象とした際、《磁力窃盗》よろしく装備コストを踏み倒すことができます。1回限りなので除去を挟まれると弱いのですが、他のモダンのカードもそれは同じこと。追加の《シガルダの助け》として使っていくことができます。

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 他、《石鍛冶の神秘家》不在は《武器庫の解放》でカバー。それでも足りないので「猿の手」こと《願い爪のタリスマン》で追加のサーチを補っています。サーチしたそのターンに決着が付くのが一般的なので、基本的にはノーリスクです。

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 《コーの決闘者》で一撃必殺!というわけにはいかないのですが、これまた「ゼンディカーの夜明け」で追加された《コーの刃使い》で同じ動きを再現できます。また、《血顎の憤怒鬼》で威迫を付与することで相手のブロックをかいくぐる動きもトリッキーです。

 モダンとの一番の違いは《ルーンの与え手》や《呪文滑り》も不在なので相手の妨害に弱い点。上のリストでは《神々の思し召し》やサイドボードの《思考囲い》で梅雨払いをしていきます。

 妨害の遅いデッキに対してはとにかく速く決着がつけられますし、妨害のあるデッキに対しても1マナ2/1が束になって襲い掛かるため、普通にアタックしているだけでライフを削り切ることもあります。
 良くも悪くも、全体除去が間に合えば負け、それ以外なら勝ち、という分かりやすいデッキです。パイオニアは妨害もそこそこ強いので勝ちきるのは難しいですが、カードも全体的に安く組みやすいため、気分転換におススメです。

■終わりに

 環境末期ということで、なかなか新しいタイプのデッキや、大幅なアップデートが行われたデッキは見当たりませんでした。本環境を振り返ると、やはり《オムナス》の大躍進による環境変化が目に付きます。スタンダードを追われた《ウーロ》と《オムナス》がタッグを組んで活躍できるフォーマットということで、禁止が出ない限りはこの傾向はしばらく続きそうです。

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 冒頭にも触れましたが、いよいよ「カルドハイム」がリリースとなります。氷雪、予顕、誇示といった新しいメカニズムは、パイオニア環境をどう変えるのでしょうか。特に予顕は強力なスペルが揃っている印象で、《時を解す者、テフェリー》、《ドミナリアの英雄、テフェリー》との相性も抜群。パイオニアのゲームスピードに間に合うかどうか、ぜひ注目したいところです。

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とけいまわり
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