パイオニア環境分析のつもり(10/19~11/3)再び群雄割拠、そして戦争へ
■はじめに
こんばんは。気付いたら『兄弟戦争』発売が間近に迫っています。公私ともに多忙な時期を抜け(そういえば昨年もこの時期が忙しかったような・・・)、ようやく少しずつ落ち着いてきたので、noteの更新の時間を取ることぐらいはできるようになりました。
パイオニアは統率者セットの『ウォーハンマー40000』や『バルダーズ・ゲートの戦い』の影響を受けないため、4月の『ニューカペナの街角』以後は9月の『団結のドミナリア』までカードプールに変化がなかった(禁止改訂はありましたが)ため、今回は2か月弱で環境変化の要因がやってくることになります。
その間にも『パイオニア・チャレンジャーデッキ2022』が発売となりました。
いずれも構築済とは思えないほどのデッキパワーがあるラインナップになっています。ぜひこれを機にパイオニアに触れる方が増えてほしいと思います。
敵を知って己を知れば百戦危うからず。環境を知る意味でも、環境にどのようなデッキが多いかを知っておいていただければと思います。
■メタゲームブレイクダウン
9月中は20%を超えていたRakdos Midrangeの勢いは落ち着いてきました。8月の水準に比べるとやや高めではありますが、トップメタが15%程度の使用率であれば健全と言えるでしょう。次いでMono-G Devotionが続きますが、3番手にIzzet Phoenixが復権してきたのはニュースと言えそうです。
手元の集計では、8月前半を過ぎたあたりから低迷を始めていたため、実に3か月弱の雌伏の時を経て復活したことになります。こちらは、今回のチャレンジャーデッキのひとつとして発売されています。
他にもチャレンジャーデッキの面々、Orzhov Humansこそいませんが、類似のMono-W Aggro(5.0%)、そしてDimir Control(5.0%)、Gruul Midrange(2.3%)と揃って集計対象としてランクインしています。4種すべてに可能性があるということですので、デッキの強弱によらず、ぜひお気に入りのデッキを選んでいただければと思います。
今回からSacrificeの代わりにIzzet Phoenixを入れました。紫の線がV字型になっているのが見て取れると思います。禁止カードによる弱体化やラクドス側の強化によって相対的な立ち位置を落としていましたが、今のメタゲームでは戦いやすい形になってきたようです。
Fires系デッキ(4C Rukkaや5C Enigma)が増えてきており、中速デッキが台頭しています。そのためIzzet PhoenixやSpiritsが勝ちやすいフィールドになっているようです。代わりにミッドレンジに力負けしやすいアグロの入賞数が下がっています。Mono-WやMono-Bが健闘してはいますが、ミッドレンジ戦略に後塵を拝する格好です。
■注目デッキ
・注目デッキ1:Orzhov Midrange/オルゾフミッドレンジ
黒系ミッドレンジはRakdos Midrangeの独壇場ですが、白黒カラーのOrzhov Midrangeがラクドスを意識した形で登場しました。
いわゆる「囲いプッシュ」パッケージのデッキであり、デッキの骨子はラクドスと同様です。オルゾフの一番の利点は、対緑単やイゼットに効果的な2マナ除去《消失の詩句》の存在です。ラクドスが苦手とする緑単の生物群も苦にしません。
他のパーツはラクドスを意識しており、汎用性が高く、かつラクドスに強い《スカイソブリン》はもとより、対処の難しい《婚礼の発表》が戦線を支えます。
なんといっても《魅せられた花婿、エドガー》や《幽霊議員オブゼダート》といったカードはラクドスには非常に効果的で、特に《オブゼダート》はインスタント除去が《削剥》に寄っている現環境では非常に厄介な生物です。ソーサリータイミングの除去では打ち取ることが困難なので、対処に手を焼くことは必至です。
素のデッキパワーが高い上に、ラクドス、緑単といったTier1を強く意識したデッキなので、上記のデッキが周りに多いようであれば試してみるのも一興だと思います。カスタマイズ幅も大きいので、ぜひ自分なりのオルゾフを試してみてください!
・注目デッキ2:Big Red/赤単ミッドレンジ
珍しい形の赤単がランクインしました。無色土地とエルドラージ、アーティファクトを多用したミッドレンジ系デッキです。
パウパーでよくみられる《浄化の野火》を自身の破壊不能土地に打ち込んで《不屈の自然》として使うテクニックでマナ加速をしながら、《作り変えるもの》《難題の予見者》のエルドラージ群で場を持たせ、《カーン》からのシルバーバレットや《スカイソブリン》《栄光をもたらすもの》で勝負を決めます。
《浄化の野火》は場合によっては、相手のやっかいなユーティリティランドや、緑単の《ニクソス》を割ることで相手を足止めすることも可能です。
《スカイソブリン》が3枚も取られていることから、ラクドスやスピリットを強く意識していることが伺えます。《栄光をもたらすもの》もその両者に強い特徴を持っており、対処が追い付かないとそのままゲームを決めるインパクトがあります。
サイドボードはウィッシュボード化しているのでほとんどメイン構成のままで3本を戦うことになります。メタゲームが散らばれば散らばるほど不利にはなりますが、地力の高さで戦えそうな予感はします。逆に、ラクドスやスピリットが多い場所であれば力を発揮できそうです。
■終わりに
いよいよ『兄弟戦争』が発売間近となります!
カードギャラリーでカードが公開されていますが、やはり目を引くのはアーティファクト関連のカード。
現在のパイオニアでは《大いなる創造主、カーン》でのシルバーバレットでアーティファクトが使われていることから、重めのアーティファクトにも出番がありそうです。
さらに、「試作」は軽く出せるクリーチャーながら《致命的な一押し》圏外のものが多いので、囲いプッシュ環境に一石を投じられるかもしれません。
お使いのデッキが強化できるかどうかチェックしながら、発売を楽しみに待ちましょう!