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メディアについて学んだらメディア業界に就職するの?

「先生、わたし、自分が間違ってたことに気づきました」

就活中の四年生が、ぽろりとつぶやきました。卒論指導の面談中、就職活動の進捗に触れたときのことです。何が「間違っていた」のか?

その学生さんは、書くことが好き。学生生活でライターのアルバイトも経験し、取材や執筆、編集に自信とやりがいを感じていたことから、就職活動でも「書く」仕事としてイメージしやすい出版社などの業界にしぼり、選考に臨んでいたそうです。しかし、思ったようにうまく進まない。ただ実力不足で壁にぶつかる、というのともまた違う。募る違和感。なにかが、ズレている。なぜ?

行き詰まった彼女は、各業界で働いているゼミの先輩数人に相談しました。Webサービスのベンチャー企業でライティングの仕事をしているAさん、大手婚活ビジネス会社でサイトの運営やイベントの設営を手がけるBさん、最終的に地元に戻り、家業の経営に携わるCさん。どんな就職活動を経て、進路を決めたのか。今、どんな仕事をしているのか。聞いてみて、わかったというのです。それぞれ一見、「書く」には結びつきづらい会社/職場ながら、みな、「書く」ことに深くかかわっていると。そして先輩方は口々に言う。「卒論をちゃんとやれば、仕事でも活きるよ」と。

「それまでの自分の視野がいかに狭かったか、先輩たちの話を聞いて目から鱗でした。考えてみれば、どんな仕事でも「書く」ことからは逃げられないですよね。卒論で、論理的に考えて書くこと、データを集めて分析すること、さらに読者という相手への「サービス精神」(わかりやすく、美しく、おもしろがらせようという「コミュニケーション能力」※ゼミで教員が度々口にする文句)を身につけられたら、自分の武器になるなと思いました。それを強みにして、魅力的な人々の働く"いい会社"に入って、そこでまた成長していけたら。そう気づけたことで、苦痛に感じていた就職活動が、いま、すごく楽しくなりました!先輩たち、大学でメディアのこと、異文化のことを学んでてすごくよかった、いま、役に立ってるって言うんです。卒論のモチベーションもあがりました!!」

卒業生の言葉は、藍よりも青し。彼女らの活躍もさることながら、後輩に対する面倒見の良さを有難く思いました。また、自分から先輩に話を聞こうという積極的な姿勢も素晴らしい。これぞ、コミュニケーション能力。たしかに、卒業論文・卒業制作を完成させる過程には、データ収集のためのアポ取り、スケジュール管理、問題発見のためのセンス、知識の応用と思考力、表現力の養成などなど、それができたら「仕事に活きる」要素が目白押しです。在学生の皆さん、卒業研究、がんばりましょうね!!

世界は、目に見えているよりずっと複雑で、「就職」も「会社」も「仕事」も実に多様です。◯◯を学んで、どんな就職につながるのか。そのパターンを知ることもキャリア学習の一つかもしれませんが、卒業生が実際、どんな人生を歩んでいるかに注目することこそ大切です。大学で学んだことが、彼らの人生をどのように豊かにしているのか。先輩にインタビューした学生さんは、そこに気づいたのだと思います。きらっきらの笑顔に、こちらも嬉しくなりました。

メディア×国際のコミュニケーションを学んだ先に、どんな未来が待っているのだろう。卒業生は、どんなキャリアを切り拓いているんだろう。受験生の皆さんにとっても、気になるトピックだと思います。どうぞ夏のオープンキャンパスをのぞいてください。「将来のイメージ」について語りましょう。そしてさまざまな制約はあれど、それぞれに、いい夏になりますように。

(松永智子)

※先に公開された「TOKECOM 新体制コンセプトムービー」に続き、在学生/卒業生にフォーカスした動画も準備中です。以下は撮影中の一コマ。お楽しみに!!

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