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かけ合わさる「移動」と、あなたが「動く」ことと。

東京の開花宣言からまもない4月1日。本学では入学式が挙行され、コミュニケーション学部に新入生を迎えました。まだ咲き始めの桜のごとく、新生活への期待でいっぱいの新・コミュニケーション学部生に向けて、佐々木裕一学部長は次のようなメッセージを発しました。

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では、二つのことをお話しします。
一つは学問に関すること、もう一つは生活に関することです。

皆さんはメディア社会学科、あるいは国際コミュニケーション学科に所属しています。 ただし、この二つの学科が非常に密接に関連しているということを頭に入れてください。 わかりやすい例ですと、メディアテクノロジーが発展し、インターネットを利用したSNSというものがあるおかげで「こんな日本の田舎にあるユニークなお店に、外国人観光客がいるんだ」というようなことが起きています。 つまり、メディアテクノロジーの発展によって、人、ないしはモノ、あるいは情報の移動が世界規模で起きているということです。 ですので、メディア社会学科と国際コミュニケーション学科が併存しているというのは、私たち教員からすると実に普通のことです。さて、その2つの学科というのがどういう学部にありますかというと、それがコミュニケーション学部というものです。 東経大のコミュニケーション学部は1995年にできました。 皆さんよりもすでに年齢を重ねています。 そしてこれは日本で初めてのコミュニケーション学部です。 皆さんは卒業時には「コミュニケーション学士」という学士を得ることになりますので、 2つの学科いずれに所属していても、それらの密接な関わりを意識しながら「ではコミュニケーションというものは何なんだろう」ということについて考え続け、一定の見識を4年間で得るということを希望します。

もう一点は生活に関わることです。 まず生活圏を広げる、ないしは変えるということを意識してほしいと思います。例えば皆さんの結構な割合の方は、実は年内(高三の秋まで)に東経大コミュニケーション学部に入学することが決まっています。 あるいは現在、地元に近い大学を選ぶという人も増えています。ですので 、高三の11月にもう進路が決まり、近所のコンビニエンスストアなどでアルバイトを開始し、入学してもそのまま4年間生活圏をほとんど変えることなく卒業する、という人が一定の割合でいます。私はこれは非常に残念なことだと思います。 例えば国際コミュニケーション学科であれば若いうちに一度海外を見ておけということで 海外研修が必修に近い形になっています。これはすべてあなたたちが見聞を広め、いろいろなことを経験してほしいという考え方に基づいています。経験を得たり、あるいは身体を使って体験することで、それらは記憶に刻まれます。そしてそのことが実は「売りを作る」ということになります。これは就職活動でも有利になるような話です。つまり「社会に出るための準備をこの人はしてきたんだなぁ」というようなことを採用する側の企業もちゃんとわかってくれます。「売りを作る」上で大事なことは優先順位をつけるさらに逆算するということです。現実的な問題として2年後にあなたたちは就職活動を始めます。ではそれまでにどういう順番で何をしたらいいのかということを考えることが重要で、例えば「周りの人と同じように動いていればいいや」ということであればそれは決して際立った成果につながるとは言えません。自分なりに考えて優先順位をつけ、逆算して今何をするべきかということを考えて学生生活を過ごしてもらえればと思います。
以上、学問のことと生活のことについて二点お話ししました。
本日は入学おめでとうございます。

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さてこの祝辞。佐々木学部長にスピーチ原稿をタイピングしてもらったのではなく、当日のメモ書きを見ながら生成AIソフトに向かって再度学部長が喋り、生成された音声ファイルから1分ほどで文字起こしさせたテキストをもらった私(松永)が編集しました。メディアテクノロジーとの付き合い方を、手触り重視で検討、発案していくTOKECOM(東経大コミュニケーション学部)らしい一コマです。

もう一つ。ちょうど一年前、当noteで紹介した教員著作(佐々木裕一・山下玲子・北村智『スマホでYouTubeにハマるを科学する』日本経済新聞出版、2023年)が、第39回電気通信普及財団賞を受賞しました。

コミ部にとっても幸先のよいニュース!
さあ新入生の皆さん、あなた自身が存分に動きながら(生活圏を広げる、変える)、「メディア」と「国際」の掛け合わせを武器に「コミュニケーションとは何か?」についてじっくりと考え抜いてください。私たち教員一同、皆さんとのこれからの学びの日々を楽しみにしています!



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