ようこそ、TOKECOMへ
コミュニケーション学部長祝辞
山田晴通
私たち人間は、サルに近い人類の始まりの頃から群れを作って生きてきました。今も私たちは、非常に複雑化した高度な形ですが、やはり群れの中で生きています。それを私たちは「社会」と呼んでいます。非常に複雑で、手が届かないほど遠く、見聞きもできないほどの広がりにまで到達したこの社会ですが、それを組み上げているひとつひとつのパーツは、人と人を結びつけるコミュニケーションです。コミュニケーションは、様々な技術を踏まえて人と人を結びつけ、そうして組み上げられたネットワークが社会を形づくり、私たちを生かしているわけです。
昨年来のコロナ禍の状況の中で、私たちは様々な生きにくさに直面してきました。それまで当たり前であったコミュニケーションの様々な姿が、いろいろな形で歪められ、制約されて、私たちを追い詰めてくるような局面が多々あったと思います。楽しかったはずの高校生活が、それによって窮屈なものとなった、という思いを、皆さんも抱いているのではないでしょうか。
コミュニケーション学部における学びは、人と人の個人的なつながりから、世界中に広がるネットワークまで、様々なスケールのコミュニケーションについて、理論で考えることと、実践的に取り組んでいくことの両面からアプローチしていきます。その学びを通して、皆さんひとりひとりが、自分で問題を立て、考え抜いて、最終的に必修科目になっている卒業研究に取り組むという流れが用意されています。皆さんは、そこに飛び込んできたわけです。
これから始まるコミュニケーション学部における学びの中で、皆さんが大きく成長できることを祈っています。ともに学ぶ仲間、そして教職員とともに楽しみながら学ぶ時間を、大切に過ごしてください。
コミュニケーション学部へようこそ。教職員を代表して歓迎いたします。
(2021年4月1日)