『生まれてきたことが苦しいあなたに──最強のペシミスト・シオランの思想』を読んで
最近「ネガティブ」について考える機会があった。何かヒントになるかもしれないと思い、本書を読み返す。サブタイトルに書かれているように、本書は最強のペシミストと呼ばれている(?)エミール・シオランの思想を紹介する本である。ペシミストとは簡単に言えば「暗い思想」を持つ人のことだ。ネガティブなことについて考えるならば、打ってつけの本なのではないだろうか。
この本を最初に知ったのはいつ頃だったか。なぜ知ったのか。あまり覚えていない。今手元に残されているという事実だけがある。確か、ネッ