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車のイグニッションスイッチは消える運命か?

テスラ車にはイグニッションスイッチがありません。

アプリをインストールしたIphoneをポケットに入れて、車に近づきドアを開ければ、自動でロック解除。椅子に座ると自動的にスクリーンが起動、ブレーキを踏みながらレバーを引いてドライブモードにすれば、すぐに走り出すことができます。 車から降りる時はパーキングボタンを押して、外に出るだけ、鍵は自動でかかって勝手にスリープします。

テスラ車は電源ONとOFFの概念が希薄です。電源オフ状態であってもリモートから空調を制御することが可能ですし、自動車に乗り込むとすぐに自動運転機能が利用可能なので、たとえ自動車が電源OFFに見えても、常に自動車はスリープ状態になっています。

車を常にスリープ状態にして、ユーザーのインタラクション、スマホアプリ、遠隔呼び出しで電源ONにするのは非常に難易度が高いです。ハードウェア、ソフトウェア、スマホアプリ、クラウドサービスを高度に擦り合わせてこういったユーザー体験を作っているのは本当に凄いなーと感じます。

車の電源を入れなくても走り出せるし、止まってパーキングに入れて降りたら勝手にロックがかかってスリープする仕様は最高で、これに慣れてしまうと他の車には乗り換えがたい魅力があります。

今年の上海モーターショーで試乗したEVのうち、600万円以上のレンジの商品はそのほとんどが、テスラと同じような仕様になっていました。そのため、このユーザー体験は今後の自動車においてデファクトスタンダードになるのでは?と感じています。

では、本当にイグニッションスイッチはなくなるのでしょうか?

僕はイグニッションスイッチ基本なくなるべきと思っているのですが、たまにあっても良いかなと感じることがあります。

運転席から降りると自動で電源オフになるのはとても良いのですが、後席で作業をしたい時には、後席に座っても電源がONになりません。車をキャンプモードという車内滞在モードにしておけば良いのですが、それをしないと、運転席から降りた時点で電源がオフになってしまいます。こういう時には、後席から手を伸ばして電源ONにするスイッチが欲しくなります。

もう一つは先日試乗したポルシェのイグニッションボタンが電子式の捻るタイプでした。この捻った時のフィードバックが凄く機械に電源を入れてる感があり素敵でした。こういう感性に訴える概念としての電源ボタンはとても良いものです。



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