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北海道の旅

良い天気だが沖縄の冬を凌ぐ寒さ、6月とはとても思えない。

札幌での観光PRの仕事を終えJRでトマムを目指す。
駅までは南富良野の観光協会の小林さんが迎えにきてくれていた。
昨年12月渡嘉敷で行われた、軽石除去ボランティアとアドベンチャーツアーのモニター参加に来ていただいた時以来の再会だ。とは言ってもSNSやメールではいろいろ相談に乗ってもらっている。寒さに怯んではいるが翌日からは楽しみにしていた浜中町のランドエッジへの視察である。
甘い装備は十分にカバーしてあるとのことで車の後部座席にはすでに明日の荷物が準備されていた。


すでに出発準備が整えられ、カヌーまで屋根に。19時を過ぎてもこの明るさ

翌日、大先輩ガイドの小林さん(カヌーレジェンド)の運転で、南富良野からその日の目的地の浜中町まで移動した。
距離は約280kmとのことだから、高速道路も使っていけば4時間半くらいで着くのだろうか。全く土地勘がないため行程は全てお任せである。
出発は朝4時半、小林さんは途中Web会議に参加するとのことだが、計算上ではかなり早めだ。
この時期の北海道は3時半から明るい。かなり東にあることと高緯度だから、沖縄と比べると2時間ほど早いのだろうか。日本が広さに比して長い国だということを実感した。

もし最短ルートで行くのなら、もっとゆっくり出発しWeb会議の時間までに目的地に移動して会議中は別行動というのでもよかったのだろうが、私も早く起きることができたし(なんせ3時台に明るくなるので北海道滞在中はだいたいこの感じ)出発の準備は整えてあったこともあり、早く出てゆっくり回るルートが選択できることになった。

南富良野を出発点とし(空知川の澄んだ力強い流れが印象的)
新得ー士幌では広大な農業地帯の中をひたすら抜け、本別、白糠を通り釧路へ、釧路湿原では川沿いと山の二ヶ所の展望台から湿原のスケールを楽しむことができた。

そして、今では失われつつあるアイヌの丸木舟の伝説的な漕ぎ手の方に会いに標茶町塘路湖へ、お会いして少しお話しし、厚岸に到着は10時前、ちょうどWeb会議開始にぴったりの時間帯。
会議中はすぐ近くに見えた橋を渡って対岸まで歩いたり(エゾジカにも出会う)、不足してる衣類などを買い出したり、Aウロコという海産市場を見て回ったりと退屈せず過ごすことができた。
琵琶瀬展望台で厚岸名産の牡蠣をふんだんに使った蕎麦を注文したが、ここのおかみさんの「北海道版カメーカメー攻撃」にあい、お腹いっぱいで目的地浜中へ到着した。

フキ、笹、紅葉樹、沖縄でも見慣れた組み合わせ
広い
広い

途中、お互いガイドということもあり話も弾み、楽しい時間だったが、私自身、連日の睡眠不足で不覚にも途中何度も睡魔に襲われ意識を失いかけた。だが、運転は小林さんである。先輩が眠くならないようこちらの方がいろいろ気を使うべきなのに本当に申し訳なかった。

長いドライブだったので、お互いの悩みや向き合っている課題などにも話が及びなかなか良い時間となった。

さて、長々と書いてきたが、後から考えてみると勉強になる点はいくつもある。

使える時間によってオプションがたくさん準備してあったこと。
道東らしい風景や特徴的なものを巧い組み立てで見せてくれたこと。
道中知り合いを訪ねながら、都度私のことも紹介してくれたこと。
車の中の会話も単に風景の説明でなく、たっぷりある時間を使ってお互いをよく理解する機会を作ってくれたこと。
他にも様々ある。

しかし、これは普段のガイド活動にも通じるものがある。
私たちが案内するときも相手の興味や関心だけでなく、季節や天候などの他様々なことを考え、組み合わせてガイドに当たる。時には準備していたものが使えない場合もある。
しかし主役はあくまで参加しているゲストである。ゲスト本人がいかにこの時間を楽しむか、今までにない新しい時間を過ごし、ここでしか体験できない体験をすることが大切なのだ。
そのために探り探りではあるが、注意深く観察し、感じ取り、良い時間と空間を作るための手伝いに徹することが我々ガイドにできることではないだろうか。

もしガイドの引き出しが少なく限りがあるとしたら、事前に決めたコースに固執しているとしたら、悪天候で諦めてしまっていたら、せっかくお金を払って参加してくれたゲストに対しては本当に申し訳ない結果になる。
必ずベストな結果や関係性を築けるわけではないが、少しでも良いものを出そうと全力を尽くす姿勢だけは大切にしたい。
そして尽くす全力については、日々、その広さ、深さを、高さを追求していきたいし、そうすべきだと感じている。

私のガイドについてはよくこう言われる。「やることがいつも違うし、コースもしょっちゅう変わる。専門分種目もどうやらはっきりしていない。」
でも、心の赴くままに何にでもチャレンジし、いろいろな場所に行き、たくさんの人に出会い、経験と知識と技術を自分なりに追求していっているつもりだ。
各地に信頼できる仲間も増えて(ガイド仲間であったり、ゲストであったり、あまり関係なさそうな分野の専門家であったり)お互いに語り合えるようになったのは、単に年齢のせいだけではなく、向き合う姿勢が共感しあえるということも大きく関係しているのだと思う。

つまり、いつも「これからが楽しみ」なのである。

今回の旅で出会った皆さんに本当に感謝したい。またいつか会ってこの日を振り返って楽しい時間を過ごしたいと思う。


カヌーレジェンド小林氏と
ランドエッジ芦田さん
ランドエッジ伊藤さん
地域の方々も一緒に夕食が始まるところ

2022.6.2~9
渡嘉敷ー那覇ー福岡ー千歳ー札幌ー南富良野ー厚岸ー浜中町ー南富良野ー千歳ー羽田ー那覇ー渡嘉敷
気温5℃〜28℃


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