劇場版モノノ怪 唐傘 おススメです

劇場版モノノ怪 唐傘 皆さん見ましたか?
すでに公開映画館は少なくなっているので、時すでに遅しな投稿ではありますが。とてもよかったので、書いてみます。

この映像と音楽、とてもクールで、劇場で楽しむべき映画と思います。
以下を見てもしフィットしそうな方は、ぜひ劇場での鑑賞を。
(キャラクターが多く、どれが誰だっけ?と混乱するかもしれないので、公式サイトで人物だけざっと見ておくのがおすすめです)

良かった点を4点あげてみます。

1 和柄テクスチャの上に重ねられた、独特の色遣いの映像がとてもきれい

2 音楽がクール

(映画の音楽はまだ作品の外ではあまり聞けないようですね。
例えばこちらの映像のBGMとか、しびれます)

3 重ねての鑑賞を楽しめる構成

4 日本社会の病巣を描いたテーマ

1.2.は上記動画を見てみてください。
3.4.について、とても素敵な映画だったので、テーマなど、少しだけネタバレしますが、
干渉に大きな影響のない範囲でのネタバレにとどめ、以下記載してみます。

3 重ねての鑑賞を楽しめる構成


最近は「鬼滅の刃」など、誰でもわかるわかりやすいストーリーが好まれる印象がありますね。

たとえば、映画監督 庵野秀明氏は、もともと「謎が多く、見れば見るほど面白い」作風だったエヴァンゲリオンでしたが、現代の嗜好に合わせ、シン・エヴァンゲリオンではとても分かりやすい作風に変えました。
(シン・エヴァはとても好きな映画の一つで、その作風を否定しているわけではないです。念のため)

そんな風潮は気にせず、噛めば噛むほど味の出る映画を作成されている中村健治監督とツインエンジンの皆さんはすごい。
洋画でいうクリストファーノーランの作品のように、あるいは、今敏の作品のように、重ねての鑑賞で味が出る作品と思います。
(いろいろ語りたい部分もあるのですが、ネタバレになってしまうので)

4 日本社会の病巣を描いたテーマ設定

「認められたい、愛されたい、必要とされたい。
これらは自分自身では満たせぬ感情だ。
これを満たしてくれるはずの隣人は、
同時に比べられ、限られた席を奪い合う隣人でもある」

劇中でのセリフの1つですが、承認欲求駆動で生きることの苦しさ。
つまりは「承認欲求軸では社会は限られた席の奪い合いになる」ということを見せつけている。
 

また、この作品は、作品のテーマとして「合成の誤謬」をあつかっています。
個人の視点では合理的な行動であっても、社会全体では同じ行動をしたときに必ずしも好ましい結果が得られるわけではない、個人の合理性と集団の合理性は合致しないことを表す言葉だそうです。
  
組織の決定を優先し、自分の想いを押し込めて、生きてはいないですか。
組織に迎合する中で、あなたはあなたの中の大切なものを捨ててはいませんか。
組織で上に上る中で、周りの人を切り捨ててはいませんか。
そんなことを問うてくる映画なのです。

そして、とても「組織開発的」な映画で、「カウンセリング的」な映画だと思います。

かっこいいうえにテーマ設定も面白い。
まだ間に合うようでしたら、ぜひ映画館でご鑑賞を。

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