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雪の日の朝、ありがたいもの
(ブログ「とかいところから」 https://tokaitoko.com/snowplow/ より)
雪が降る季節は、本当に周りの音が静かになります。
音が無いのでなく、吸い込まれている感じ。
大きくてやわらかい雪の圧力に包まれて、なにかそこにあるんだろうな。
あったんだろうな。という気配だけが届いてくる感じ。
山形市の職場に通っていた頃、午前5時半くらいに起床していました。
この時間帯は、まだ家の外も中もそんな風にしーんと静かで、真っ暗闇です。
身体のオン・オフも全然切り替わらない。
ねていたい…。
隣ではすやすやと、だんなさんといちひめが爆睡中です。見回してみる。
…うーん。
わたし、今、すごく「ひとり」だな。
台所に行って、夕飯の準備をしないといけない。寒そうだな。
今日も雪、多いかな。
こころぼそいな。
そんな寝床から離れがたい朝、何とも頼もしいものがありました。
しかも、毎日来てくれた。
除雪車です。
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除雪車は、我が家にとって、まさに冬の命綱。
夜のうちに積もった大雪を、きれいに家の前まで掃いてくれるから、仕事や保育園や買い物に行ける。
でもそれ以上に、こういう朝の除雪車は、わたしにとって本当に頼もしくてありがたい存在でした。
あ、今日も除雪車のおんちゃん、来てくれた!
ごうごうと、遠くから大きな音が轟いてやってくる。
暗闇を強力な光で照らして、やってくる。
重く降り積もった雪をはねのけて、やってきてくれる。
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あー。
他にも、もう働き始めてる人がいるんだな。
わたしよりもずっとずっと朝早くから、お仕事してたんだなあ。
明るい、心強い。
もう、ひとりじゃないな、わたし。
おんちゃん。
今日も道、通れるようにしてくれて、ありがとさまです。
あんなに積もっていた雪なのに、除雪そのものは、ものの五分で終わってしまうようです。
いつもあっさりと、あっけなく、大きな音と光をとどろかせながら除雪車は立ち去っていきました。
窓越しにそれを見送りながら、わたしの身体と心はやっと引き締まり、ようやく始まる朝でした。