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第3回 協会の隠蔽工作――内部告発を封じる手口

全日本ろうあ連盟に対して公益通報がなされたものの、問題は速やかに調査されるどころか、内部で揉み消されようとする動きがあった。通報者は数か月にわたり音沙汰がなく、最終的に東京都スポーツ文化事業団を介してようやく通報が届いていたことが確認された。

これを受け、連盟側は第三者委員会を設置し調査を進めると発表。しかし、調査開始から1年以上経過した現在も、何の報告も公表されていない。この異様な遅れに対し、内部告発者や関係者の間で「証拠隠滅が行われているのではないか」という懸念が強まっている。

また、内部告発を行った選手やスタッフに対する報復措置の疑惑も浮上している。選考からの除外、練習環境の制限、さらには協会関係者による名指しの非難など、組織的な圧力がかけられている証言が複数寄せられている。

加えて、本誌が入手した2024年4月23日付のメールでは、全日本ろうあ連盟スポーツ委員会コンプライアンスチームの担当者が、調査の長期化について謝罪しつつも、具体的な進展については一切明らかにしていないことが判明した。

「調査の状況としまして、当チームとして必要と考える関係者に対してヒアリングをさせていただく中で、より専門的な対応ができるようにする必要があるとの判断から、鈴木啓示弁護士をチーム委員に加え、コンプライアンスチームとしてより適切に対応できる体制整備を図りつつ、調査を進めているところでございます。」

しかし、調査の進展は一向に見られず、さらに、「調査を進める中で一層懸念される問題状況が把握された」との記載があるものの、その内容についての詳細な説明は避けられている。

このように、協会の体質そのものが問題の根源にある可能性が高く、今後さらなる調査が求められる。

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