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東海道珍道中Day 8 由比宿→府中宿~しゅくしゅく余裕で歩きたい~

ストライドの松田もバーサーカーと化した富永もいない、二人足りない駿河編。
 
登場人物:
田内(仮名):私。社会人3年目。武蔵国、相模国、伊豆国を超えてなんか人間として大きく成長した。
中山(仮名):東海道の考案者。箱根峠の入り口で出会った東海道最高の老翁・手練爺(仮名)に感銘を受ける。

スターウォーズ形式を採用し、Day 2~7(神奈川宿~由比宿)の話を後に持ってきて、由比宿からスタート。
こんなことしてしまうとこの記事がジョージルーカスの目に留まる可能性高くなってしまうことが気がかりで、ハリウッド周辺の物件とかわからないから、スカウトされてしまうと実際問題困る。
ジョージルーカスはお金持ちで心に余裕があると思うから、製作陣に加わるのは問題ないが是非リモート勤務を認めてもらいたい。

【前回の記事】


由比宿→興津宿(10km)

2022年2月26日、JR東海道線でぶらりと由比駅まで向かい、由比で中山と合流。
これから歩く由比宿から興津宿までの間には、東海道一の景勝と言われる薩埵峠がある。
天気も晴れていて、Day 7の勝負師の采配が的中したことに感動。

奥に隠れ富士山

由比駅から薩埵峠までの道のりは、右手に山を、左手に海を臨めるいい道。歩き出すと、ある寺の前にあの名言「諦めたらそこで試合終了ですよ」が貼られていた。
東海道ウォーカーにとっては含蓄が深い言葉だ。でも格言だけど多分寺の前に貼る系の格言ではない。寺の前には諦めてもいいんだよ系の格言を張ってほしい。

もう少し歩くと、峠の入り口にたどり着く。薩埵峠に至る道は、断崖絶壁と海の間を歩く道で、箱根峠・大井川と並び難所と言われたという。箱根峠の悪夢を思い出して身構える。

が、今は道が舗装されているから、そこまで厳しくなかった。
坂道ではあるが、斜度がきついわけではないから、箱根峠くらいのきつさはない。
それどころか、引き続き見晴らしがいい道で、左手に海と海上道路をながめながら歩ける好ロケーション。
右手には山の斜面にみかん畑が。ここのオレンジをかじって旅を続けたいところだったが、生憎道沿いに売ってるところはなかった。

1時間弱で峠に到着。そして峠からこれまでの道を振り返ると、そこには確かに東海道一というのもうなずける絶景が広がっていた。スゲー。

それはそれとして、もう東海道一番のみどころ来ちゃった?
まだ1/3くらいなのに、もう最大の見所が来てしまったら、この先見所がないではないか。と思いながら峠を降りる。

目の錯覚にありそうな、上り坂に見える下り坂。

この下り坂を降りて普通の道路に戻ってさあ進もうと攻略本を見ると、絶対まっすぐ進める道なのに旧東海道の道はそこで右に曲がることになっていた。
こういう迷子になる道はちょくちょくあって、何もなければ旅人はさじを投げつけるしかないが、今では三種の神器の攻略本があるから、しっかり道案内してくれる。

興津宿→江尻宿(4.6km)

興津宿では問屋場跡の公園でチェックイン。

興津宿公園付近に貼ってあったポスター。和牛のコント「公園」は腹筋がいくつあっても足りないくらい本当に面白い。

次の江尻宿までの途中には、清見寺というお寺がある。山門と総門の間に線路が通る珍しい寺で、ペース配分考えて寄らずに過ぎてしまったけど、結局この日は余裕だったから寄ればよかった。

興津から江尻の間は、宿場間の間隔としてはかなり短い4.6km。
大学3年の就活ぶりに、あっという間に清水市に入る。

なんでだったか思い出せないが、就活の時に清水市の会社を受けてあっさりと落ちた。静岡で就職したいとかでもなく、なんで受けたのかは歴史のミステリーだ。後世の番組とかで調べてほしい。
大学3年の就活といえば他にも、人生で関係するエピソードないのに魚群探知機の会社を受けて、志望動機聞かれて全く答えられず玉砕したことがある。
就活は茶番とか理不尽なことが多いとかいわれるが、これらは100%自分が悪い。

江尻宿→府中宿(11.4km)

清水駅は港のすぐ近くにある。
港に行かない手はないぞと、南北連絡通路を越えて漁港の方へ。
案の定清水魚市場という建物があり、その中の色々おいしそうなメニューに迷いつつ、最終的に炙りサーモン丼を注文。すゑひろがりずのように舌鼓を打つ。

この時点で14時で、この日の残りはわずか10kmくらい。食事は済ました。峠も越えた。絶景にサーモン丼にと、いうことのない試合運びだ。
余裕をもってるだけでご飯もおいしく食べられる。

江尻宿では、駅のデカマルコ画前でチェックイン。
東海道ウォーカーにとっては江尻宿にまる子がいるのは紛らわしい。というのも、もう少し先に丸子宿があり、そっちにはまる子はいないし、なんなら丸子宿は「まるこ」ではなく「まりこ」と読む。テストに出てきそうな二段構えのひっかけだ。

そこからは夕暮れの線路沿いを進む、小学生の夏休みの帰省のような懐かしい道のり。
途中には「兎餅」の跡地があった。餅で看板残すなら「発祥の地」な気がするが、餅の「跡地」って何だろう。

府中宿には19時くらいに到着。これくらいに着くのがちょうどいい。
東海道の旅は宿のある場所はある程度固定だから、途中で切り上げることができない。
ある回ではペース配分を間違え、早歩きしてオーバードライブ気味になり、それでも23時くらいになったときがあった。

府中宿というのは現在の新静岡駅あたりで、駿府城がある。
ライトアップされた駿府城でチェックアウト。

その後はもう自由時間。駿府城隣にあるショッピングモール「セノバ」にはいり、つけうどんを食べて一日のエネルギーを取り返す。
セノバ内の書店による時間もあり、ここで中山に薦められて「六人の嘘つきな大学生」を買ってしまった。
この本は就活を扱ったミステリーで、読んでみて本当に面白い本だったが、東京でいくらでも買えるのに、徒歩旅の最中に買うのは間違っていた。

この日はビジネスホテルで一泊。この日に限らず東海道の旅はだいたいビジネスホテルに泊まる。そしてなぜかエレベーターで不倫っぽい二人組に合う率が高い。

疲れをとって翌日は府中宿から藤枝宿へ。
朝、チェックインの時に駿府城のベンチでとある二人組に遭遇した。

次回:Day 9 府中宿→藤枝宿


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