はじめて同人アンソロジーの主催をする方へ
こんにちは。都海です。
私は、今まで4回同人アンソロジー(二次創作)の主催をしたことがあります。
せっかく4回も主催をやったので、備忘録も込めて主催のやり方をnoteにまとめておこうと思い、今回この記事を書いています。
アンソロジーの主催は楽しいものです。まるで深夜に食べるラーメンのように、一度やると何回でもやりたくなってしまいます。
しかし、そんな私も「こうすればよかった」と思うことや、「ああしていれば」となってしまうことは多くあります。
このノートはこれからアンソロを一人で主催される方に向けて、できる限り楽しく・ストレスができるだけない状態で活動してほしいという思いを込め、自分なりのコツを具体例を交えて書いておきたいと思います。
こちらははじめて・一人で主催をされる方を想定して書いていますが、共同で主催を考えている方、またこれからアンソロジーに、執筆者として参加を考えているという方も参考になる点があるかもしれません。どうぞ、最後までよろしくお願いします。
Chapter1 アンソロを作ろう!
この章では、アンソロ作りの大まかな流れを解説していきます♪
①テーマ決め〜アンソロ主催の醍醐味〜
主催の醍醐味ですね!!!!!!!!!!
自分で自分が見たいテーマを決められます!それこそ「AくんとBくんが夜、2人でラーメンを食べに行く」というテーマで作っても良い!!!この世に今までなかった、あなたの考えたテーマでアンソロジーが作れます!!
しかも個人本と違い、そのテーマのお話が何個も、人の書いたものが読めるのです。よく「人の描いた推しが見たい」と言いますが、「人の描いた(書いた)、読みたい設定のストーリーが読める」というのは、想像を絶する「最高」の感情になります。本を出すまで色々な大変なことがありますが、全てはこの「読みたかったあれが読めた」という快感でなんとかなったりします。しかも、あなたが世界で最初の読者です。それをできるのは、アンソロジーの主催という立場だけです。ぜひ、あなただけの夢を叶えましょう。
テーマは、とにかく自由に決めましょう。あとノリです。需要などは考えず、自分がやりたい!と思ったものを作りましょう。自分がやりたいものなら、最後まで走れます。ここからは、あなたの世界です。
②本のサイズとページ数を決めよう
テーマが決まったら、次に本のサイズとページ数を決めます。本のサイズはA5、B5、正方形などです。ここは執筆者の方にお願いする際に確定させなければならないところです。これより先の変更はできません。
(※変更するとなると、レイアウトも変わってしまいますし、確認がすごく大変になると思います。またミスも発生する可能性があがります)
またページ数は160ページ、200ページなどざっくりでも決めておいた方がイメージがつきやすいと思います。
また一人当たりにお願いするページ数も決めましょう。私はどうしても書いてもらいたかったので全ての参加者さんに1p〜20pで大丈夫です!とかなり幅を持ってお願いしていましたが、作りたいアンソロジーの厚さなどもあると思うので、4p〜10p、などある程度制限を持っておくことも大事だと思います。
③執筆者を集めよう
次にすることは執筆者を集めることです。
アンソロは大きく「依頼型」と「公募型」に分かれると思います。依頼型は書いてもらいたい方一人一人に連絡を取り、執筆をお願いする形式、公募型はツイッターなどで参加者を募る形式です。
私は「依頼型」しかやったことがないので前者についてくわしく書こうと思います。
依頼型の良いところはページ数の想定がつけやすいことと、好きな作品を描く方にお願いできるということです。ここに関して、私はフォロー外(相互フォローではなく、私からしかフォローしていない状態)の方にも何人もお声がけしています。
スカウトするときは相手の作品がいかに好きかということを書くとともに、丁寧にお願いすることを心がけました。みなさん丁寧にお返事をくださり、フォロー外でも書いてくださった方もたくさんいます。
「あなたが書かれるこのテーマの話がどうしても読んでみたいのです」という気持ちをしっかり持って、勇気を持ってお誘いしてみましょう。
公募型は前述したように「こういうアンソロ作るよ!」という告知をし、執筆者さんを募るやり方です。こちらもたくさんの作品が集まって楽しそうだと思います。ただ私はやったことがないので、こちらに関しては他の方の記事や投稿などを参考にすることをおすすめします。
–執筆者の方に送るメッセージのテンプレート-
ここで、アンソロジーの執筆を依頼する方に向けたメッセージのテンプレートを貼っておきます。適宜コピーして使っていただいて構いませんが、内容はよく確認し、アンソロジーの趣旨に合わせて変えてください。
④告知しよう
〜とにかく宣伝!アンソロジー宣伝用のアカウントを作ろう〜
テーマが決まったら、やることがたくさんあります。どこまでこだわるか、という話はありますが、告知は必須です。せっかく出すのであれば、1人でも多くの人に手に取ってもらいたいですよね。おすすめなのは、アンソロ専用のツイッターアカウントを作ることです。そして、告知は出来る限りこまめにおこなうこともポイントです。
一回「アンソロ作ります」とツイートしたら、それを何度も再リツイートしていました。可能であれば、執筆者の方に拡散のお願いをしておきましょう。
告知内容は執筆者一覧の発表、サンプルの告知……と続きますがもし余裕があるのであればこれらも1日で終わらせるのではなく、できるだけ情報は分けて、1週間毎日連続で告知する方がいいと思います。
アンソロを一人でも多くの人の手に取ってもらうには、とにかく「多くの回数」アンソロジーがあるという事実を人の目に触れさせるということが大事だと感じています。情報が流れやすいツイッターではとにかく何度も宣伝していきましょう。宣伝すればするほど、アンソロを知ってもらえる可能性がどんどん広がります。
しかし何度も言いますが、これは余裕がある場合だけです。もし忙しい場合は、まとめてで構わないと思います。
⑤コメントカットを書いてもらおう
原稿が集まったら、コメントカットを書いてもらいましょう。コメントカットはアンソロジーの最後に入れるあとがきのようなものです。こちらでテンプレートを作り、枠内に自由に書いてもらいましょう。執筆者の方のツイッターアカウントや、pixivのアカウントを載せてもらうかは自由です。
大きさはアンソロジーによると思いますが、私は一人当たりA5ページの半分くらいの大きさ(1ページに二人入るくらい)でお願いしていました。これはかなり大きい方です。コメントカットは大きければ大きいほどいいですからね……🤗(自論)
⑥頒布しよう
ここまできたら最後は頒布です。
頒布方法はリアルイベントに参加する、通販する……などいろいろあると思います。
リアルイベントは参加するまでが準備が大変ですが、参加したら本当に楽しいです。
私はスパコミで、オンリーも何もないときにジャンル/1サークルで参加したこともありますが、その際何名も立ち寄ってくださったときは感動しました。凝った装丁に対し「すごい!」という声を聞けたりして、本当に嬉しかったです。
また通販ですが、私はBOOTHで自家通販をしていました。これは数が多くなると結構大変です。手数料はかかりますが、通販の委託サイトにお願いするのも一つの手かもしれません。
Chapter2 アンソロ編集で知っておくと役立ちそうなポイント
この章では、アンソロの編集作業で知っておくと役立ちそうなポイントをご紹介します。
①【デザイン・装丁】頼めることは、できるだけ頼もう
まずはデザインと装丁についてです。
これは副題のとおり、「頼めることは、できるだけ頼もう」に限ります。主催はやることがたくさんありますが、一番大変なのは膨大なページ数の編集作業と、告知作業です。それらについては後述するとして、デザインと装丁はできる限り人に頼みましょう。デザインというのは表紙のデザイン、表紙のロゴ、目次のレイアウト、コメントカットの枠、またツイッターやpixivに載せるためのさまざまな告知画像……とにかく、たくさんの「デザイン」をしなくてはなりません。
私はデザインが得意ではありません。しかし、最初に主催した数回は全てを自分でやっていました。正直、かなり大変でした。しかし、最近主催したアンソロジーではそのなかの一部をデザインが得意な人にお願いしました。とても……ありがたかったです!
可能であれば、デザインは得意な人にお願いしてしまう方がいいと思います。
②【締め切り】⑴締め切りは入稿日よりかなり前に設定しよう
次に、原稿の締め切りについてです。
原稿の締め切りは、入稿したい日の一ヶ月以上前にしておくのがおすすめです。
かなり余裕を持たせる理由は、余裕がある方がいろいろと見通しを立てやすいのと、締め切りを守れないという方が出てきた場合に備えるためです。
その上で、締め切りにどうしても間に合わないという方の原稿をどうするかを考えましょう。入稿日ギリギリまで待つか、今回は申し訳ないけど断るか、これも主催が決めます。
断っても大丈夫です。締め切り後の入稿までも原稿整理や、誤字のチェック、ページ数が飛んでないかなチェックや全体のページ数の計算など、主催はいろいろとやることがあります。原稿が揃っていないとアンソロの作品配置が決められなかったり、総ページ数がどれくらいのページ数になるかもわからなかったりと、作業が前に進まないことがあります。私は今までどうしても依頼した方の書かれた原稿がすべて読みたかったため、遅れて出される方の分もギリギリまで待つようにはしていましたが、これは本当に場合によると思います。その時々の判断で決めてください。どうか無理だけはしないでください。
⑵締め切り後の修正は断ろう
これは締め切りの話に関わってきますが、締め切りの後に修正をしたいという方がいたりします。その時点でもしページ配置を行っていた場合、こちらは、申し訳ないですが、どうしてもというような場合を除き、できたら断りましょう。
理由は、修正したものかそうでないものわからなくなってしまう可能性が高いためです。
またページを配置した後に上書きしてしまうと、ページ重複やページの抜け落ちの可能性も出てきます。重大なミスにつながる可能性もあるため、これは申し訳ないですが、できたら断ったほうがいいです。
ですが、締め切り内の修正なら場合によりますが受け入れても大丈夫です。それまでは閲覧のみに留めておくか仮のフォルダに保存するなどして、締め切り日に正式にダウンロードし、データに名前をつけてフォルダに入れ、整理しておくのがおすすめです。
③原稿の提出方法
提出方法はデータ便やギガファイル便など、ほかにもいろいろありますが、もし参加者の方に支障がないのであればGoogleドライブに入れてもらうのがオススメです。そうすればファイルの上書きなども容易で、「どのリンクだっけ……」「リンク切れた……」という心配がありません。締め切り前まではいくらでも修正できるため、参加者の方にもメリットがあると思います。(ダウンロードは締め切り後にまとめてしましょう)
④【執筆者への連絡】連絡は一括ができるものは一括、個別が適したたものは個別に分けよう
執筆者の方への連絡は基本的にツイッターのグループDMがおすすめです。ただ、相手からの返信が欲しいものは少し大変ですが個別でそれぞれ送りましょう。
⑤【チェック編】ダブルチェックが大事!
校正や確認ってめちゃくちゃ大事です……。私は主催した4回のうち、最初の3回は一つもミスなく発刊ができたのですが、4回目で2個もミス(ページ数の重なりや、ページの欠けに気づかない)をしてしまいました😭
「確認」はとにかく二人以上でした方がいい、ということを実感した回でした。校正や確認をやってくれる方を募集し(できたらアンソロジーの執筆者の方の中でお声がけした方がいいです)一緒に確認してもらいましょう。せっかく作ったアンソロジーにミスがあると、告知やそれぞれの本にお詫びのカードを入れる作業などが必要になります。なによりも該当ページの執筆者の方に本当に申し訳ないですし、しょんぼりします。それを防ぐためにも確認は二人以上で確認をおこなうことはすごく大事だと思います。
おわりに〜アンソロジー作りで一番大事だと思うこと〜
アンソロジー作りで一番大事だと思うことは、「情熱・誠実・感謝」だと思います。(ラーメン屋?)
まず情熱、これは「とにかく絶対アンソロジーを出すんだ!」という思いは持ち続けましょう。企画の段階でこの情熱を持てるテーマを設定しておくのが重要だと思います。
次に感謝です。主催は執筆者の方に対しても、購入を検討してくださる方に対してもつねに誠実さや感謝の気持ちを持っていることが大事だと思います。アンソロジーはたくさんの人が厚意によって作られるため、相手からの信頼はすごく大事になってくると思います。そんな信頼をすこしでも損なわないよう、なにかあっても誠実に対応することや、感謝の気持ちを忘れずにいることを心がけていました。
またこれはできたらですが、執筆者の方から原稿が届いたら見たタイミングですぐに感想を送るのがおすすめです。感想は熱いうちに打て……と言います。(?)読んだ時の興奮はできるだけ早く文字化したほうがいい感想が書けます。
短くてもいいので、作品を受け取ったら一言でも感想を送ると、執筆者の方も嬉しいと思います。
今回の記事は以上です。何かご質問などありましたらコメントや、ツイッターに来てもらえたら嬉しいです。
あなたの主催されるアンソロジーが最高のものになることを私も祈っています!
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