はじめに
これは、サイバーパンクREDに全身義体を追加するオリジナルデータだ。アダム・スマッシャーのような極めて強力で危険な敵NPCを作り、PCに恐怖させる目的でデータを作っている。
これらのサイボーグはストリートレベルにおいてオーバーパワーであるため、基本的にPCに利用させるべきではない。もしそうするとしても、スポット参戦させるにとどめておくのを推奨する。
サイボーグの基本ルール
サイボーグの定義・メリット
サイボーグは、自分の脳を脳神経保存槽に移し、その後全身義体に脳神経保存槽を接続することでなれる。
なぜそのような行為をするかと言えば、以下の2つの理由がある。
そのため、力あるメガコーポはサイボーグを切り札として用意している。
脳神経保存槽
サイボーグになるためには、『脳神経保存槽』のサイバーウェアをインストールすることが前提となっている。このサイバーウェアをインストールした上で、義体を購入すれば、おまえはサイボーグになれる。
義体なしでこれだけを買ったら? まぁ、誰かが培養液を交換してくれたらしばらくは生き延びられるかも……。
サイボーグの生活
サイボーグは睡眠が必要な一方で、食事は必要ない。代わりに、サイボーグは毎日脳神経保存槽の培養液を交換しなければならない。培養液は神経系と免疫系を安定化し、おまえが狂うことを抑止するものだ。
このため、サイボーグの生活費には、月あたり5000ebが追加される。培養液を交換できなかった1日毎に、おまえの【人間性】は2ポイントずつ減少していく。
良いことを教えてやろう。おまえが魂を売っていれば(P.118)、追加の生活費は不要だ。おまえの雇い主がおまえを適切にメンテナンスしてくれる。代償として悲惨な仕事が待っているが、魂を売り渡した時点でそうなることは分かっていたはずだ。
全身義体
全身義体はサイボーグ用に作られた肉体の代替品であり、完全に脳以外の全身を機械化したことで通常のサイバーウェアでは得られないレベルの出力を得ている。
全身義体と【人間性】消費
全身義体は、初めてその義体に脳を接続するときのみ、記載された【人間性】を消費する。
全身義体にはサイバーウェア・オプションをインストールするスロットがあるが、義体に追加でインストールしたとしても【人間性】を消費する必要はない。
全身義体の能力値
全身義体に接続すると、記載された能力値へとおまえの一部の能力値は上書きされる。
また、おまえの肉体は防具を身に着けていなくても、頭部と胴体は記載されたSPにより守られる。おまえの各部位の SPは、その部位の防具の中でも最も高い SPを用いる。さらに、ある部位の防具が損耗する際には、その部位のすべての防具が同時に損耗する。使用者の自然治癒が1日ぶん進むたび、ナノマシンが身体および頭部の失われたSP を1ずつ回復させる。
完全な機械化
脳以外の完全な機械化は、おまえの肉体が”治療”ではなく”修理”対象となったことを表す。おまえはHPではなくSDPを持ち、〈サイバー技術〉技能によって重傷状態や致命的損傷を修理できる。修理の難易度は安定化の難易度(P.222)や致命的損傷の治療難易度(P.221-222)と完全に同一であり、修理に必要な時間もそれぞれの治療に必要な時間と同じである。
おまえの肉体は自然回復しなくなるが、一部のナノテクノロジーは、自然回復プロセスの代替品として作用する。
また、おまえは脳神経保存槽に直接薬物を投与されない限り、あらゆる薬物の効果を完全に無効化する。
全身義体の種類
全身義体はいずれも極めて高価であり、ミッドナイト・マーケット(P.339)、あるいはネオコープたちの倉庫でしか見つけられない。少なくともストリートのゴミ捨て場に全身義体が捨てられているという事態は万に1つも起こらないし、もし起こったとしたら、それはキャンペーンシナリオの幕開けにふさわしい出来事だ。
人間性減少
全く新しい種類の全身義体に初めて接続する場合、「慣らし期間」として1か月をかけてセラピーを行い、脳と新たな肉体をなじませる必要がある。このセラピー価格はサイボーグの購入費用に含まれている。そうしてもなお、新しい種類の義体に接続する際には記載された数値の【人間性】減少が発生する。
同一種類の義体の場合、たとえ義体を交換しても新たな【人間性】減少は起こらない。おまえは十分にその義体に慣れているからだ。
アルファ-クラス・サイボーグ
アルファ-クラス・サイボーグは、全世界のサイバー企業が作っているサイボーグの雛形であり、最も普及しているタイプの全身義体だ。
外見はあからさまな機械人間であり、汎用的にあらゆる業務をこなせるよう設計されている。そのため出力は比較的低く、『人間の限界』レベルだ。
ダイナラー・ブリムストーン
要地のセキュリティを目的として作られたダイナラー・ブリムストーンは、中程度の機動性と多様なセキュリティシステムとの連携性能を誇っている。
ショックスキン
サイボーグ用隠しホルスター
サイバーマトリックス・コペルニクス
高レベルのセンサーを多数搭載したこの機体は、頭部から突き出したセンサー・アレイの形状から”兎”の渾名でも呼ばれる。斥候兵・通信兵として、軍事組織が利用する事が多い。
レイヴン・マイクロサイバネティクス・ジェミニ
表面的には完全に一般の人間に見えるジェミニ型サイボーグは、全身義体化した人間が日常生活を送るために開発された。ジェミニ型には身長や体重だけでなく、体温や呼吸を模倣する機能がついており、サイバーウェア・スキャナーなどでスキャンしない限りは常人と変わらない。ただし、外見を模倣したために重装甲を積めず、傷つきやすい難点がある。
瞬時容姿変更型フェイスプレート
エージェントとリンクしてナナイトが起動すると、瞬時に顔貌を変化させ、全くの別人に変装できるサイバーウェア。いくつかのポーザーチップと組み合わせれば、誰かに完全になりきることができるだろう(ただし、体格と声があからさまに違う場合は除く)。
ノヴァテック・サムソン
汚染区域での活動で利用されるノヴァテック・サムソンは、放射性物質およびあらゆる毒物の悪影響を完全に遮断する巨体のサイボーグだ。彼らは人間型の重機・建機として、ナイトシティの汚物をせっせと地面に埋め、新たなビルを建て続けている。2020年代の建設現場においてサムソン型サイボーグは花形であったが、ジラーファが遥かに安価なGRAF3を作り出したことで居場所を失い、今や一部の重汚染区域以外ではめったに見られない。
ミリテク・”スパイ”ダー
6本の腕と8つの目を持つ諜報用サイボーグであるミリテク・”スパイ”ダーは企業戦争における熾烈な諜報戦において、ミリテクがアラサカに勝利する糸口を文字通り掴んだ機体として知られている。大量のセンサーを積み、あらゆる場所に潜り込むこの義体は情報戦において必要な機能を全て兼ね備えている。
平衡感覚強化
視神経および前庭感覚系に追加の神経網を埋め込むと共に血管系を増強し、平衡感覚を強化するサイバー手術。宇宙酔いや航空機操縦時のブラックアウトを軽減するために作られたのを皮切りに、20年代にはミリテクが全身義体「”スパイ”ダー」に搭載するなど長きに渡り利用され続けている。グラップル・ガンを使ってビルの谷間を飛び回っても、もはやめまいを起こして墜落することはない。
ミリテク・ドラグーン
究極の多目的陸上配備戦闘ユニットとして作られたドラグーンは、ミリテクがIECより奪い取った戦闘用全身義体の傑作だ。身長は2メートル40センチ、重量は約360kgと軽量に抑えられながら、圧倒的な重装甲、銃弾を躱す機動性と圧倒的な反射能力、全力疾走すればスポーツカーにすら追いつける移動速度を全て備えている。ドラグーンは世界を牛耳るネオコープ中のネオコープしか手に入れられず、赤の時代においてはストリートラットたちが遭遇することすら稀だ。
アラサカ・ダイオニ
ミリテク・ドラグーンに匹敵する、アラサカの切り札である大鬼は、当世具足を着た鬼の武士、とでも例えられる巨大な異形のシルエットを持つ。身の丈は3.4メートル、重量は1.1トンに達しながら、その動きは驚くほど機敏で、殺人的な武器を多数持ち運ぶ歩く戦車だ。
ダイオニはアラサカの兵隊の中でも、本当に強力な一握りの戦闘サイボーグ(例えば、アダム・スマッシャーのような)だけが「着る」ことを許されており、機体数そのものも赤の時代においては両手の指で数えられるほどしか存在していない。
クライミング・クロー
サイボーグだけが使用可能な、先端が単分子のカーボグラスで作られた登攀用の鉤爪。ダイオニは移動補助にこれを利用する。
戦闘用サイボーグ専用の武装
ケンダチ・モノノダチ
ケンダチが作ったサイボーグ用近接武器。ケンダチ・モノスリーに使用されている技術を応用した巨大な単分子ブレードであり、装甲車両を一太刀で両断する。
ツナミ・”ラグナロク-2”・クローズ・アサルト・ウェポン
ツナミ社が作った”ラグナロク”は、自衛隊のサイボーグ部隊に納入され、2020年代には東京のC-SWATおよび自衛隊において愛されたフルオートレールショットガンだ。ラグナロク-2はその改造版であり、秒間300発の電磁加速散弾を特大のマガジンから乱射することで、至近を文字通り掃討する。
ツナミ・”ライジン”・対装甲ボーグライフル
ライジン・ボーグライフルは、形状を見る限り”ライフル”というより”砲塔”のほうが形容詞として正しい武器だ。この銃器からは戦車の正面装甲を貫通できる、電磁加速した90x600mmAPDS弾が発射される。
ポップアップ・マイクロガン
ポップアップ・ミサイルランチャー
ミッドナイトアームズ・MB-33・ボーグ・マシンガン
このフルボーグ用マシンガンは、12.7mm炸裂弾をフルオート射撃可能な破壊的銃器だ。
ミリテク・オート11・サイドアーム
オート11はサイボーグ用のサイドアームとしてミリテクが作ったマシンピストルだ。この銃器は11mm超大型拳銃弾を3点バーストで発射し、ターゲットを挽肉に変える。全身義体化していない者は、この銃器の反動を全く制御できない。
ミリテク・”フォーパック”・ロケットランチャー
ミリテクの”フォーパック”・ロケットランチャーは、拠点防衛用のミサイルタレット用に開発されたが、サイボーグの携行火器として有効であると直ぐに判明した。
更新履歴
23/11/12 公開