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サイバーパンクREDの追加ロール:コバート・スペシャリスト(ニンジャVer2.0)


はじめに

これはサイバーパンクREDに新たなロールとしてニンジャを追加するハウスルールだ。現在アルファ版のため、内容は予告なく変更する。

ロール:コバート・スペシャリスト

「ニンジャ呼ばわりされ、まるで魔道士ソーサラーかなにかのように思われるのには困っているんです。ええ、わたくしは単なる秘書であり、下働きです。主人の書類を整理し、予定を整理し、アポの取次をし、時には主人の影武者をする。茶を点て、花を活け、茶席で礼儀に叶うふるまいをする。そういった秘書業にふさわしいことをずっとやってきました。アラサカというのは中々に大変な会社でして、特にミリテクとの確執でナイトシティから出ていったことになりましたから、それ以外の業務も増えましたが。それ以外の業務の内容ですか? あまり話すことはできません、大半は守秘義務契約に違反しますので。ただ、知っておりますか、手裏剣の刺創というのは弾丸と違って足がかなり付きづらいですし、それに素手で首をへし折った場合はNCPDは大抵の場合不幸な転倒死と思ってくれるのですよ」

――マサ・モトヒロ、アラサカの企業秘書セクレタリー

 おまえは暗殺と諜報のプロフェッショナルだ。冷戦時代なら、アメリカとロシアのどちらかに、あるいは彼らが支援する国々に潜り込み、国家にとって問題ある人間を取り除いただろう。しかし、おまえにとって現在の就職先は遥かに幅広い。アラサカ、ミリテク、ペトロケムにソヴオイル、そのほかあらゆるコーポは敵対企業の足を引っ張り、先に新技術を発表するために諜報員を求める。アラサカの諜報部や、ミリテクの対テロ部門のような悪名高い破壊工作員集団だけでなく、ヤクザやマフィアのような犯罪組織モブも、コソコソしたニンジャを必要としている。
 だからおまえの仕事は引きを切らない。誰かを消し、情報を盗み出す需要はそこら中にある。名が売れて、少しずつやばい仕事が増えてきたとしても、テクにネットランナー、ソロと組めば更に厄介なヤマをかいくぐれるようになるだろう。スパイ大作戦に、仲間はつきものだ。
 しかし、スパイの末路はいつも苦痛に満ちたものだ。諜報員は昔から、最後には雇い主に裏切られるものと決まっている。そうなったときにどうすればいいかって? おまえが賢いなら、きっと雇い主の弱みを両手に余るほど握っているだろうし、おまえと長く組んできたチューマがいるはずだ。

ロール特技:《サボタージュ》

 コバート・スペシャリストの特技は《サボタージュ》だ。お前はいかなる場でも目立たず溶け込み、幽霊のように潜むことができる。別人のように変装し、爆発物を使って敵を吹き飛ばし、必要なら素手や暗器で敵を音もなく抹殺する。

《サボタージュ》の効果

 おまえはロール特技の《サボタージュ》(「破壊工作」の意)により、諜報、工作、戦闘のそれぞれの分野を高レベルで身につけられる。

雇われ工作員

 《サボタージュ》ランク 1 の時点で、コバート・スペシャリストはどこかの組織に属しており、プロにふさわしい仕事着1式(ビジネスウェア・スタイルのジャケット、トップス、ボトムス、フットウェアからなるスーツ1式)を持っている。これはおまえの雇い主がおまえに支給したものであり、転売すれば雇い主の疑念を招く。

 《サボタージュ》ランク5の時点で、コバート・スペシャリストは自分が雇っている組織の社宅コナプトの1つを利用可能になる。今の企業に所属している限り、家賃その他の支出を払わずに社宅コナプトに住み続けることができる。ただし、ライフスタイルの費用は依然として毎月払う必要がある。 
 コバート・スペシャリストは他の企業に転職した場合も同様の待遇を期待できるし、引っ越し費用すら組織が負担してくれる。
 ただし、社宅コナプトに住んでいる限り、おまえのライフスタイルは”高級プレパック”になる。ホームレスのような人間を社宅に住ませてくれる組織はどこにもない。
 また、贅沢なペントハウスやビーバーヴィルの豪邸はおまえには縁がない。そういうものはおまえに命令を出してふんぞり返る幹部エグゼク専用のものだ。

逃走と闘争

 コバート・スペシャリストは《サボタージュ》の2ランクごとに、戦闘中に追加で1マス(2m)の移動が可能となる。これは、ヴィークルやサイバー車椅子などのおまえの【移動】を置き換えるものを使っているときは効果を発揮しない。

例:ヒデオは《サボタージュ》ランク6を持つコバート・スペシャリストだ。彼の【移動】は6だが、自分の移動アクションで9マス(18m)移動可能だ。もしヒデオが早足アクションをするなら、本来の【移動】6がさらに追加され、15マス(30m)移動できる。

 くわえて、コバート・スペシャリストの 《サボタージュ》ランクが1上昇するたび、以下の専門分野(人心操作、潜入工作、暗殺技術、破壊活動)から2つ選び、それぞれのランクを1ずつ上昇させること。

「相手の背中を刺すやり方を10通り考えるのは2流のやることと知っておけ。プロは相手の背中を刺すだけじゃなく、そこから逃げるプランも20は用意しておくものだ」

――マーカス・”ミミック・マック”・グレイマン、ミリテク対テロ部門の”教官”

▶人心操作◀

 おまえは人の心に入り込み、言葉を使ってコントロールする達人だ。この専門分野のランクを、おまえが行う〈演技〉と〈説得〉の各判定にくわえる。
 さらに、おまえはこの専門分野でランク4およびランク8に達したとき、未習得の言語1つを4レベルで習得する。

幹部エグゼクはたいてい強烈なストレスを抱えており、乱痴気騒ぎに弱い。酩酊しすぎて馬鹿な真似をするのはザラだ。俺達の仕事は奴らが酔っ払いすぎて吐いたヘドとクソを有効活用することだと知れ」

――マーカス・”ミミック・マック”・グレイマン、ミリテク対テロ部門の”教官”

▶潜入工作◀

 おまえは隠密行動と破壊工作技術を高レベルで習得している。この専門分野のランクを、おまえが行う〈隠密〉〈隠蔽/発見〉の各判定にくわえる。
 また、おまえはこの専門分野でランク4およびランク8に達したとき、任意の1地域の〈土地鑑〉を4レベルで獲得する。

▶暗殺技術◀

 おまえは暗殺のプロフェッショナルだ。この専門分野のランクを、おまえを知覚していない相手を攻撃するときのダメージにくわえる。
 さらに、おまえはこの専門分野にランクを割り振ったとき、ランク2ごとに以下のような恩恵を得る。

  • ランク2:使用者が近接武器を投擲して攻撃するときに、目標のSPを半減するようになる。また、小型近接武器を投擲したときでも、2d6ダメージを目標に与える。

  • ランク4:使用者が”攻撃回数2”を持つ近接武器を投擲して攻撃するとき、攻撃回数は2となる。また、おまえがつかんでいる”生身の者”は声を出せなくなる。

  • ランク6:使用者はあらゆる”音のしない”武器による攻撃をするときの判定に+1を得る。

  • ランク8:使用者は小型近接武器や中型近接武器を投擲したときでも、3d6ダメージを目標に与える。

  • ランク10:使用者はあらゆる”音のしない”武器による攻撃をするときの判定に+2を得る。

注釈:「音のしない武器」について、コアルールブックの範囲では以下が挙げられる。それ以外の何が音がする武器で、何が音がしない武器かは、GMが判断する。

  • 特殊武器でないすべての近接武器(サイバー武器含む)

  • 弓/クロスボウ

  • 投擲物(徹甲・閃光音響・焼夷グレネードは除く)

  • エアピストル

  • スタン・ガン

  • スタン・バトン

  • ダーツガン

  • バトルグローブ

  • マイクロウェーヴァー

「ケンダチ・モノスリーはよい武器ですが、一度起動すれば振動音が激しく鳴り響き、たちまち数多くの者の注意を惹きます。したがって、私達の仕事には向いていません。ああいった正面戦闘のためにある武器は座武路剣弌ザブロ・ケンイチのような偉大なソロが持つものです。私達の戦いとは、寸鉄帯びずに敵地に入り、必要最小限の相手だけを静かに始末し、情報を得て帰るものですから」

――サトウ女史、アラサカの諜報員コバード・スペシャリスト

▶破壊活動◀

 おまえは的確に何かを壊し、扉を開け、罠を仕掛け、偽物を作り、混乱を生み出す達人だ。この専門分野のランクを、おまえが行う〈鍵開け〉〈爆発物〉〈偽造〉の各判定にくわえる。

注:偽造によって何でもかんでも作ることはできない。見た目上完璧な偽のIDカードは作れるが、それをスリットに通して扉を開けるには、ネットランナーや〈電子/保安技術〉が得意な誰かの手伝いが必要だ。

フリーランスのエージェント

 おまえが望むなら、完全にどの組織にも属さずに、フリーランスのエージェントとして活動するのも可能だ。ただし、組織に属さないスパイほど信頼されない存在はない。どこの誰に手に入れた情報を売るか分からない輩に、機密情報にアクセスしてほしいと思うだろうか?
 フリーランス・エージェントとして活動するコバート・スペシャリストは以下のような不利益を被る。

  • 支給されたビジネスウェア一式は会社に返さなければならない。

  • 即座に現在居住している企業コナプトから荷物をまとめて出ていくことになる。新しい住居を手に入れるまでは、おまえは路上生活者だ。また、ライフスタイルもキブルになる。

  • おまえはつなぎ仕事ハッスルで、本来の半額しかebを手に入れられなくなる。組織から抜けた人間にこれまで通り給料が出ると思ったか?

  • おまえをかばってくれる組織はどこにもなく、おまえが過去にやってきた破壊工作に対して激しい恨みを持っている人間が復讐を始める。「反応:相手を殺すか、身体障害を負わせようとする」の”敵”を追加しろ。規模などはゲームマスターが決めるか、ダイスを使って決定する。

コバート・スペシャリストのキャラクター作成

おまえが勤めている(いた)のはどんな組織だ?
1d6を振るか、GMと話し合って1つ選べ。

出目 内容
1   国家の情報機関
2   軍の対テロ組織
3   警察の公安組織
4   世界的企業の諜報部門
5   大規模企業の情報部門
6   テロ組織の情報担当

おまえが勤める(ていた)組織や部署の活動規模は?
1D6を振るか、1つ選べ。

出目 内容
1   都市1つ
2   都市複数
3   州全体
4   全国的
5   国際的、いくつかの大都市に支社がある
6   国際的、そこらじゅうに支社がある

おまえが勤める(ていた)組織はどのくらい善良/邪悪だ?
1D6を振るか、1つ選べ。

出目 内容
1   何らかの信念を守ろうとしており、そこからの大きな逸脱は許されない。
2   過ちを犯したり、倫理に外れた行為をすることもあるが、ごく稀だ。
3   大義名分はあるが、そのためならある程度の非道を許容する集団だ。
4   所属組織が定めた秩序や法のためなら、邪悪な行為も平気で看過する。
5   冷酷で組織の利益第一、悪事に手を染めることも辞さない。
6   完全な邪悪。いつも平気で違法行為に関与し、非倫理的な活動をしている。

おまえのボスはどんなやつだ(った)?
1D6を振るか、1つ選べ。

出目 内容
1   公正で善良であろうと振る舞い、お前にも真っ当に振る舞う、この世界には珍しい人物だ。
2   やたらと疑り深く、あらゆるところに敵を見出すパラノイア野郎だ。
3   可もなく不可もない上司。時々いい上司で、時々クソッタレになる。
4   お前の考え方とどうしても反りが合わず、しばしば衝突する、不愉快な野郎だ。
5   まるきり無能で、お前にいつも後始末を頼んでくるどうしようもない役立たずだ。
6   邪悪なサディストで、お前のことを奴隷かなにかだと勘違いしている。

お前のボスはどんなビズをお前によく頼んでいる(いた?)

出目 内容
1   機密情報の漏洩を防止するカウンタースパイ。
2   敵対組織への長期的な浸透工作。
3   敵対組織への諜報と情報工作、破壊工作。
4   同じ組織に属する気に入らない相手への工作活動。
5   極めて汚い、邪悪でろくでもない秘密工作活動。
6   様々な個人的な用事。日曜日にゴルフに誘ったり、自分の母親を殺すよう頼んできたり。

ストリートラット/エッジランナー能力値

出目 【知】 【反】 【敏】 【技】 【魅】 【意】 【運】 【移】 【体】 【共】
1    4    8    8   7    6    4    8   7    7    5
2    4    6    7   5    8    3    8   8    5    5
3    5    7    7   6    6    4    6   6    7    5
4    5    7    7   7    7    5    7   7    5    5
5    5    8    8   5    7    3    6   6    5    6
6    6    6    8   5    8    4    7   7    6    6
7    5    6    6   7    6    5    7   7    7    6
8    5    7    8   6    8    5    6   6    6    5
9    6    6    7   7    6    3    6   6    6    5
10   5    8    7   6    6    4    7   8    5    6

ストリートラット技能値

系統  技能名             技能値
学   〈教養〉                  2
学   〈言語: ストリートスラング〉       2
学   〈土地鑑: (自分の居住地)〉       2
感   〈精神集中〉                2
感   〈知覚〉                  2
技   〈応急手当〉                2
近   〈回避〉                  6
近   〈格闘〉                  6
社   〈会話術〉                 6
社   〈真意看破〉                2
社   〈説得〉                  6
動   〈運動〉                  6
動   〈隠密〉                  6
学   〈隠蔽/発見〉               6
技   〈鍵開け〉                 6
技   〈偽造〉                  6
遠   〈弓術〉                  6
近   〈近接武器〉                6
芸   〈演技〉                  6
感   〈読唇術〉                 6

エッジランナー技能

系統  技能名
学   〈教養〉
学   〈言語: ストリートスラング〉
学   〈土地鑑: (自分の居住地)〉
感   〈精神集中〉
感   〈知覚〉
技   〈応急手当〉
近   〈回避〉
近   〈格闘〉
社   〈会話術〉
社   〈真意看破〉
社   〈説得〉
動   〈運動〉
動   〈隠密〉
学   〈隠蔽/発見〉
技   〈鍵開け〉
技   〈偽造〉
遠   〈弓術〉
近   〈近接武器〉
芸   〈演技〉
感   〈読唇術〉

コバート・スペシャリストの武器と防具(ストリートラット・エッジランナー)

弓/クロスボウ
矢 50本
大型近接武器 1個 もしくは 小型近接武器 2個
軽装アーマージャック 
(身体用防具:SP11)
軽装アーマージャック 
(頭部用防具:SP11)

コバート・スペシャリスト用アウトフィット(ストリートラット・エッジランナー)

エージェント
鍵開けセット
双眼鏡
通信スキャナー/音楽プレイヤー
毒の小瓶
メモリ・チップ
ロープ60m

コバート・スペシャリストの初期サイバーウェア

サイバーアイx2(人間性-7/2D6)
 低光量/赤外線/紫外線x2(人間性-7/2D6)

合計人間性-14

コバート・スペシャリストのつなぎ仕事ハッスル

出目 eb(1~4) eb(5~7) eb(8~10)  今週何をやって金を稼いだか 
1     200   300    600  上司から特別ボーナスを受け取った。
2     300   500    800  業務上の脅威を排除する工作に見事成功した。
3       0   100    300  身元が露見しそうになり、じっと身を潜めていた。
4     200   300    600  有益な情報を手に入れ、それを利用してカネを稼いだ。
5     200   300    600  秘書として適切に仕事をこなし、給料をもらった。
6     200   300    600  敵対組織の機密を盗み出し、報酬を手に入れた。

更新履歴

2023/12/14 作成

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