フィンランドで現地就職した自分の知見を人にどう伝えるか
2024年、年が明けて間もないころ。
面白そうな求人があったので応募してみました。
その際、応募先企業と縁のある元上司に推薦者(Suosittelija)になってもらえないか頼み、快諾してもらえました。
それのおかげか面接に無事呼ばれることに。フィンランドでの転職は何回も経験してますが面接はいまだに慣れず緊張しますね。
その面接時、最後に言われた一言。
確かに求人数が過去転職したころに比べて少なくなっているのを感じていました。景気後退真っ只中というのも理由としてあったのでしょう。
実務経験が既にあるフィンランド人も多く応募してきたとのこと。
その中から自分が採用されました。
推薦者の恩恵はとても大きいです。今回はほぼそれのおかげだと思っています。しかしそういった人脈も自分が積み上げた過去の行動の延長線上にあると思えば、一つの達成感を感じずにはいられません。
推薦者は必ずしもいいことばかりを言ってくれるとは限りませんからね。
フィンランド人と同じ土俵でぶつかって、今回勝つことができたのです。
移住生活の中で密かに達成したいことが無事結果となりました。
やっとここまで来た。辛かった。
前回の日記記事にてこんなことをつぶやきました。
労働文化だけでなく、フィンランドの現地就職を目指す際に心がけ実践したことや苦労した話など自分の体験談を伝えたい気持ちは十分にあります。
それが誰かの役に立ってくれるなら本望ですし、夢をかなえる手伝いができるならこの上ない喜びです。
しかし何かが詰まって水が出なくなった蛇口のように文章が出てきません。
これは何か理由があるんだろうと思い自分の心理を掘り下げてみることにしました。
人に見せる前提で記事を書こうと思うから筆が進まないのかもしれない。
そう考え、まずは自分にだけ見せる前提で文章を書き起こしてみました。
そしたら急に水が溢れるかの如く、あっと言う間に数千文字が書き上げられました。何ならまだまだ言いたいことは出てきそうです。
書いた内容は「フィンランドでの学生時代、就職活動時、また就職一年目で自分が感じたこと、考えて実践したこと、経験したこと」が中心でした。
確かにこれを元に記事を書けば、現地就職を目指す人にとって役立つ情報を提供できるのかもしれません。
しかし文面を見てみて唖然。
これはとても世に出せないと思うような鋭利な文章でした。
さすがに全てを載せることはできないのですが例として一部抜粋します。
一部だけといっても過激な内容が含まれているので読む際は注意してください。心が弱って落ち込んでいる人は読まない方がいいのかもしれません。
※これは当時自分に言い聞かせてた内容です。誰かに対して書いたわけではありません。
※補足:英語の使用は禁止としていましたが、フィンランド語を話せない人と業務上会話する必要がある時は例外的に使ってました。
当時は何が正解なのかわかりませんでした。
それでも後悔だけは絶対にしたくないと考え、自分に対してとても厳しく課していました。"失敗"しても「できることは全てやった」と言えるように。
初めてのフィンランド就職でどのように振舞うべきかよく分からず、相手からの心ない評価も全て真摯に受け止めていました。
自分はやらなくていい努力もしていたかもしれません。
でも努力しなかった経験パターンがないため、結局何が正しかったのかは今でもよくわかっていません。
才能も、誰からも愛されるような特性も上手く立ち回れる器用さも自分にはありません。凡人である自分は泥臭い方法でしか結果を出せませんでした。
世の中には自分よりもっとスマートに行動し、軽やかに夢をつかんだ人もいます。ここまで自分を追い詰めなくても就職先を見つけられる人もいます。
参考にすべくはそういった人達の記事でしょう。
当時は辛い時期でもあったし、長い時間が経過した今でも思い出すと苦しい気持ちになります。フィンランドの現地就職を夢見る人に自分と同じ思いをしてほしくないという気持ちです。蛇口が詰まる原因はこれでした。
こんな辛いことをせずとも、もう少し簡単にする方法があるはずと思っています。(もしくはそう信じたいのかもしれません。)
しかしその方法は自分には分かりません。よって記事を書けないのです。
自分の経験や思想を書いたら、現地就職を目指す人にこう思わせてしまう危険性があります。
では削り磨いて、読んだ人が怪我をしないような優しい内容に加工するべきでしょうか?
それはそれで楽観視されてしまいそうです。何もない状態から現地就職を目指すのはそんなに簡単なことではありません。
大した装備も用意せず険しい山を登るような行為です。
それこそ怪我の元です。
一体どのような形で夢をもつ人を応援したらいいのでしょうか。
そこを考えることから始めたいと思います。
(2024/10追記)
応援する記事を書いてみました。