ヘルシンキ近郊のおすすめサウナ4選
先日ある方とコメント上でちょっとだけお話をする機会がありました。
その方はフィンランドに旅行で今年の夏に来られる予定です。
フィンランドの自然を感じられるスポットやサウナはどこがいいのか情報収集しているとのことでした。
彼らにぴったりなフィンランドらしさ、または自然を感じられるサウナはヘルシンキ近郊だとどこがいいかなと考えながら情報を書いていました。
ただその際ふと「この情報は他の人にとっても有益かもしれない」と思ったので今回はnoteに記事として投稿してみます。
個人的な好みによるところが多いですが参考になれば幸いです。
1:クーシヤルヴィサウナ Kuusijärvi sauna
一番おすすめなのはこちらです。
とても有名なので日本人でも多くの人が訪れています。ブログなどでも取り上げられることが多いですね。
ヘルシンキ市から少し離れたヴァンター市に位置しています。
⭕ フィンランドサウナの何たるかを楽しめる
ここには2種類のサウナ、室内に位置する電気サウナと屋外のコテージ風サウナで楽しめるスモークサウナがあります。
電気ではなく薪で暖められたサウナはある意味サウナの原型とも言えます。
その中でもスモークサウナは独特とも言えるので他では中々簡単には味わえません。
そのためここを訪れるようならば絶対にスモークサウナに入りましょう。
建物の前には湖とフィンランドの森林が広がっています。
綺麗な湖と目の前に広がる森、実はこれらもフィンランドのサウナには欠かせない要素です。
自然を眺めながら外気浴もいいですが、ここまで来たら勇気を出して湖に入ってみてほしいです。水の温度によっては、サウナで十分温まったにも関わらず水が冷たいと感じることもあるかもしれません。
しかしどれだけ冷たくても、ほんの一瞬でもいいから入ってみてください。
一瞬だけ水に入り、慌てて湖から出たとしても寒く感じます。
真冬ならば「自分はどうにかなってしまうのではないか」と感じるくらい寒いでしょう。
しかしほんの数秒後、なぜか体がちょっとだけ温かく感じてきます。
あれだけ寒かったのが嘘のように感じるでしょう。なんだか自分の体が変わってしまったかのような感覚です。
これがサウナの醍醐味だと思っています。
余韻を楽しんだらまたサウナに行ってギリギリまで体を温めてください。
そしてまた水に入る、それを繰り返すのです。
だんだんと癖になる気持ちよさが強まってきます。
そうなった時に一番おすすめなのが、体の力を抜いて水に浮かぶ形で湖に入ることです。自然と一体化したかのような錯覚を覚えます。
ここではないどこかにいったような感覚になりましたか?
それがサウナです!
❌ 行きにくい場所にある
自然豊かということでヘルシンキの中心地からかなり離れています。
観光客にとって不慣れなバスを乗り継いでいく必要が出てきます。
バスの停留所によっては10分や20分歩かなければならない時もあります。
❌ 混んでいる時は待たなければいけない
このサウナには普通のサウナとスモークサウナがあり、後者がおすすめだとしました。しかしこのスモークサウナ、定員数が決まっています。
最近は観光客も多くスモークサウナは人気があるため、定員数の上限に達してしまったら順番待ちをしなければならないです。
幸いサウナの建物内にはカフェがあるので時間はつぶしやすいです。
事前予約はできないようです。団体客は断られることもあるでしょう。
2:ソンパサウナ Sompasauna
こちらも先ほどのサウナと同じくとても有名で日本人もよく見かけます。
順番にすると二番目ですが、こちらも超おすすめなのでぜひ。
⭕ アクセス良好、しかも無料
場所は地下鉄カラサタマ駅から徒歩10分程度のところにあります。
カラサタマ駅はヘルシンキ中心地から地下鉄で数分の距離なので行きやすいですね。
このサウナは営利目的ではなくチャリティーに近い形で運営されています。
そのため無料で誰でも利用することができます。
⭕ いろんな温度のサウナを楽しめる
現在ソンパサウナには3つのサウナがあります。
それぞれ温度の違いがあり、一番大きいのが観光客向けのサウナです。
青色の建物のサウナはフィンランド人でも熱すぎると感じる人が多い上級者向けサウナです。温度は120度に達することもあります。
サウナに慣れていない人は入らないようにしましょう。
訪れる時間帯によっては1つだけしか準備がされてないこともあります。
夕方は訪れる人も多いので3つ全てが準備されていることも多いです。
⭕ フィンランド社会の縮図を垣間見れる
ここのサウナが好きな個人的理由はこれです。
サウナを利用する上でのルールは一応ありますが、非営利とも言える形態でサウナを運営しているためか必要最低限の印象です。
監視する人もいませんし、サウナの火の番も常連の人たちは率先して自ら行っています。
マナーやモラルは最終的には利用者に一任されている印象を受けます。
他のサウナでは禁止されてたりする、サウナ内への飲み物持ち込みも自由に行われています。禁止されているのは迷惑行為や焚火くらいでしょうか。
ある意味、無法地帯(アナーキー)サウナですね。
しかし無法地帯と言っても別に怖いことは起こりません。
サウナの中でちょっとした雑談に花を咲かせ、ピアノやギターを弾き※、隅っこにハンモックを勝手に設置したり、困っている人や観光で来たであろう外国人に声をかけたり、それぞれが相手を尊重しつつも自由に思い思いにサウナを楽しんでいます。
厳しい規制や監視の目がなくとも他者への優しさやリスペクトがあれば秩序は保たれるんだなと、遠目でサウナを楽しむ彼らを見ると感じるのです。
現代より前の近代や中世、昔の人々の営みはこんな感じだったのかもしれないと何だかよくわからない勘違いをしてしまいそうです。
ちなみにサウナには水着を着用していない人も多くいます。
男性も女性も裸で利用している人がいます。
異性の裸にびっくりしてしまう観光客もいるみたいですが、フィンランド人は気にしません。ちなみに自分も全く気になりません。
「ただサウナに入っているだけ」ですからね。
水着、別に着なくてもいいかなって人はぜひ裸でどうぞ。
❌ シャワーや更衣室、ロッカーなどの設備が十分でない
まずこのサウナに行く際には南京錠を持っていくことをおすすめします。
貴重品用ロッカーは一応それらしいのはあります。しかしカギは自分で持参しなければならないタイプです。そのため自前のカギがない場合は貴重品をその辺に置いておかなければならなくなります。
幸い治安が悪いわけではないので気にしてない人も見受けられます。
しかし旅行者ならば「万が一携帯や財布がなくなったら旅の予定が変わってしまう」と気になってしまうでしょう。
安心してサウナを楽しむためにも持参しましょう。
なお脱衣スペースは男女共用です。簡易屋根がついた野外が更衣室です。
ただ前述した通り裸でサウナに入っている人もいるくらいなので恥ずかしがる必要はないと思います。
誰もあなたの着替えに興味を持ってないと考えても差し支えないでしょう。
それでも、どうしても気になってしまうという人はタオルで隠しながら着替えるなどで対策を。
そしてトイレですが一応簡易的なものはあります。
しかし綺麗とは言い難いので、こちらに来る前にショッピングセンターREDIの綺麗なトイレに行ってから来るようにしたほうがいいです。
またシャワーはありません。そのため顔を洗ったりすることはできません。
自分は1.5Lなどの大きなペットボトルに水道水を入れたものを持参し、サウナ後に顔や体をサッと洗うようにしています。
❌ 衛生面を非常に気にする人にはおすすめできない
誤解を恐れずに言ってしまうと潔癖症の人は事前準備が必要でしょう。
以前の記事にも書いたように、都市部にある海は自然豊かなエリアの湖などに比べて綺麗とは言い難いです。
そのため海水を大量に飲み込んでしまわないように気を付けましょう。
またこのサウナは座る場所が濡れていることが多くタオル(Pefletti/Laudeliina)を引くのに向いていません。
他人が直に座った場所に座りたくないと感じる人はプラスチック製のシートなんかをお店で探しておきましょう。
3:ロンナンサウナ Lonnan sauna
続いてはこちら。
スオメンリンナ島に近いロンナ(Lonna)島にあるサウナです。
⭕ ロケーションが完璧
地図を見てもらうと分かりますがとても小さい島です。
海に囲まれ、通り過ぎていくフェリーを見送りながらサウナを楽しむ。
完璧なロケーションです。
サウナも綺麗で、島にはレストランやバーもあります。
正直サウナはそこまでレベルは高くはありません。でも場所が良すぎる!
❌ 行きにくく、お金もそこそこかかる
このサウナのポイントは島だとしましたが、これはデメリットにもなり得ます。船に乗らないと辿り着けないため行くまでに時間がかかります。
サウナは1人当たり€20、運航便は1人当たり往復で€8.5ほどなので最低でも€30近くはかかってしまいます。(料金については時期や移動ルートなどで変動するかもしれませんので注意してください。)
4:フルヴィクランタサウナ Furuvik rantasauna
人気のない時間帯なら貸し切りに近い状態でサウナを楽しめるのがここ、フルヴィクランタサウナです。こちらもロケーションが抜群にいいです。
⭕ サウナだけじゃなく道中でも自然が感じられる
最寄り駅はマリメッコのアウトレットが近いことで有名なヘルットニエミ(Herttoniemi)駅です。そこから更にバス(86番など)に乗り、バス停からもさらに歩きJollasというエリアまで行きます。
最寄りのバス停から更に歩くのですが途中の自然保護エリアはその名の通り森となっています。夏に森の中を歩くのは気持ちがいいのでサウナ前にちょっとしたウォーキングも楽しめます。
森の中をずっと歩いていくと前方にフィンランドの古い伝統的な建物が見えてきます。その建物のうちの一つがこのサウナです。
⭕ サマーコテージに滞在している気分になれる
このサウナ、スタッフが常駐しているわけではありません。
また一般開放されているサウナなので他の利用者がいるときもありますが、空いている時間帯は誰もいないこともあります。
(誰かいたとしても、定員数が限られた小さいサウナなので少人数です。)
伝統的な赤茶の木造建築に北欧らしいインテリアの組み合わせ、これらを独り占めしているような感覚です。広々と座ってゆっくりできるのでフィンランドのサマーコテージで夏を楽しんでいる気分になれます。
他にもこのサウナのいいところは外観は伝統的なのに対して中はしっかりと今っぽい設備になっています。シャワーはもちろん、シャンプーやら何やら全て揃っており至れり尽くせりです。更衣室にはドライヤーやヘアゴムもありますし、ヘアスプレーなんかもあります。
持っていくものは水着とバスタオルくらいで十分なのかもしれません。
サウナには窓がついており、そこから海を眺めることができます。
景色は正直言って最高です。
そしてサウナのストーブには鉄瓶のような丸いポットみたいなのがついており、そこに水を入れるとちょっとづつロウリュされるのも面白い。
このポット、何なら振り子のように少し揺らしても楽しい。
なんだか囲炉裏を囲んでいるかのような感覚です。
サウナで暖まったらもちろん海に飛び込みましょう。
❌ ヘルシンキ市内だけど行きにくい場所にある
このサウナの欠点はやっぱりちょっと行きにくいことでしょうか。
ヘルシンキ大学駅(Helsingin yliopisto)から約50分ほどかかります。
その内、次の停留所と地図を気にしながらバスに乗り、停留所から更に歩く必要があるので手軽にサウナを楽しみたい人には不向きかもしれません。
❌ 薪で暖めるタイプのサウナではない
このサウナ、大変気持ちいいのですが残念ながら電気で暖めるタイプのサウナです。薪で暖めるのとはやはりちょっと違うので本格的なサウナを求めている人にとっては物足りないでしょう。
おまけ
実はここで紹介したもの以外にもいいサウナは色々あります。
炭や燃料などの道具を持参せずとも、サウナ後にソーセージグリルを楽しめるSannan saunaなどはその代表例です。
サウナに入って、ソーセージをマスタードで食べるのが正統とも言えるフィンランド式夏の過ごし方!
そういった経験がしたい方にはうってつけかもしれません。
いかがでしたでしょうか?
ぜひフィンランド旅行の参考にしてもらえればと思います。
フィンランドの夏は最高です!楽しんでくださいねー!