おふざけフィンランド語講座#1
みなさんはフィンランド語に興味がありますか?
フィンランドで生活をする予定の人、旅行に行きたい人、はたまた単純に勉強が好きでしている人、様々な理由で習得を目指されていると思います。
noteでも語学学習の記事はこんな内容が多いですね。
これらの記事を見てふと思いました。
「みんな真面目!」
おちゃらけた学習記事ってあまり見かけません。
勘のいい人ならお気づきでしょうが、ここで魔が差したわけです。「こんなのをフィンランド語で言えるようにしましょう」をふざけて書いたらどうなるかを試したくなったのです。
※文法の解説はほとんどありません。その手の書籍やウェブサイトはいくらでもあるでしょうから。それらを求めている方には適さない記事です。
それでは「おふざけ」フィンランド語講座はじまるよー!
1. 「時は・・満ちたり・・」
初手は何にしましょうか。中二病っぽいワードとかいいかもしれません。
読みをカタカナにすると「アイカ オン キュプサ」です。
Aikaは時間、Kypsäは熟すを意味します。
※英語の「The time is ripe」と同じようなものです。
使用例
怪しい空模様の時に屋上で呟くとかっこいいかもしれません。
「始まったか・・」みたいなニュアンスでどうぞ。
実例として自分が経験したエピソードも紹介してみます。
今働いている職場は会社がアイスクリームを常備してくれています。何時でも好きなだけアイスが食べられる福利厚生です。
特に夏、仕事がひと段落した際に同じチームの同僚に声を掛けてアイスクリーム休憩を取っています。自主的に。
自分から声をかけるときもあれば同僚から声をかけられることも。
もちろんアイスは好きなので休憩はいつだって大歓迎です。しかしタイミングが悪いこともあるので、その時は待ってもらうことも。
15分後、自分の様子を伺いに来た同僚。
「行けるよ」的な意味で頷くと、同僚はニヤリとこう答えました。
OK、ショータイムだ。
※補足:「-mme」をつけると「私たちの~~」という意味になります。
使用時の注意点
中二病ワードなので真面目な場面、例えば仕事の会議などでは使わないようにしましょう。ジョークが通じる人と冗談で言い合うのであればOKです。
2. 「ま、落ち着けよ」
2つ目にいってみましょう。
現代フィンランド語では英語とフィンランド語を混ぜた言い方をする時があります。例えばこんな感じ。
読みをカタカナにすると「オテターン イイシスティ」です。
最初の「Otetaan」はフィンランド語です。Ottaaは英語でいう"to take"の意味で、それの勧誘表現です。
そして2つ目の単語「iisisti」は英語の"Easy"から派生しています。英語に例えると「Let's take it easy」とでも言えばいいでしょうか。
ゆっくりしよう、落ち着こう、難しく考えるな、といった意味です。
使用例
焦っている友人や、事態を深刻に捉えてしまっている同僚に声をかけるときに使います。
3. 「焦らなくてもいい」
同じような意味ですがもう一つ、フィンランド語と英語のミックス例の紹介します。
読みをカタカナにすると「ノウ ハタ」です。
最初の「Nou」は英語の"No"から派生してます。
「hätä」はフィンランド語で非常時や緊急、深刻な状況を意味する単語です。英語にするとエマージェンシーです。
急いでないよ、のんびり行こうか、心配しないで、といった意味です。
使用例
先ほどと同様、気が焦っている人や事態を深刻に捉えてすぎてしまってる人に有効です。もしくは誰かに何かを頼んだ際「急いでないからね」「時間がある時にお願いね」といった意味でも付け加えられます。
使用時の注意点
個人的な感想になりますが、「Otetaan iisisti」と「Nou hätä」、この二つは使う場面によってはちょっとカッコつけてる人の印象を受けます。
つまり使いどころを間違えると気取っている人だと思われます。
※じゃあどういった時に使うのかは文章で完全に説明できるものではないため解説を割愛します。フィンランド語は習うより慣れが大事だ!
4. 「コーヒー飲む?」
コーヒー休憩の文化があるフィンランド。
そんなフィンランドで相手にコーヒーを飲むか聞きたい時はどうすればいいでしょうか?
フィンランド語の教科書にはこう書かれていそうです。
もしくはこんな感じで聞くのもよさそうです。
Sinä(あなた)
Juoda(飲む)
Kahvi(コーヒー)
Haluta(~~をしたい)
フィンランド語を学習し始めた方が最初に習う基本的な単語が多いです。基本的な文章ですがもちろん上記の質問でしっかり通じます。
フィンランド語で話してみたい人はぜひ挑戦しましょう!
え?物足りないって?
フィンランド語を既に習得している人はこれとかどうでしょう。
先ほどとは見た感じが全く違いますが、意味は一緒です。
これにはフィンランド西部の都市トゥルク(Turku)出身者が使う方言が含まれています。
ヘルシンキでもトゥルク出身者の人と会う機会は少なくありません。そして方言の癖が強い人ならこの手の変化球を日常的に使ってきます。
語学学習者にとって方言は魔球とも言えます。
自分自身がこの発言をすることはありません。トゥルク出身ではないですから。でも相手が何を言っているかを分かっているとコミュニケーションが円滑に進みます。
そういった意味で知っておくというのは大事ですね。
トゥルクの方言
さすがにこれだけだとあれなので、ちょっとだけ解説します。
「Eksää」は2人称変化したEiを疑問形にし、あなたを意味するSinäに方言の要素を加え、省略が起きたものです。
なおトゥルクの人が否定疑問文で聞いてくるのはよくあることです。
そのためいつも困るのが、YESかNOどちらで答えるべきか一瞬迷ってしまいます。それに対し「返答に困る」とトゥルク出身の人に話したら、こんな回答が返ってくるでしょう。
なお「ottasisi」は「ottaisi」を連想させますが違うものであることに注意しましょう。これもトゥルクならではの表現です。
彼らは「si」を複数つける言い方をしてきます。
スラング
「Sumppi」はどういう意味でしょうか?
読みをカタカナにすると「スンッピ」、現代ではドリップコーヒーを指すことがあります。
※例えば同じコーヒー飲料でもカプチーノには使うことはできません。
これは方言ではなくスラングです。しかし人によっては通じないことがありますのでカフェで注文したい時は「Kahvi」と言った方が無難でしょう。
コーヒーを意味すると言いましたが元々の、オリジナルの意味は現代とは違います。それについてをちょっと掘り下げていきましょう。
おまけ:コーヒー消費大国の"単語"
昔フィンランドではコーヒーを作る際、挽いたコーヒー豆を湯を沸かしたヤカンに直接入れて作っていたのをご存じでしょうか?
もちろんフィルターは無しです。
この作り方で入れたコーヒーは「パンヌカハヴィ(Pannukahvi)」と呼ばれています。
ちなみに、パンヌ(Pannu)は「加熱調理に使用するもの」の意味です。
何が何でもコーヒーを楽しみつくす
フィルター無しのコーヒーは当然底に粉が沈殿します。そのため底にあるコーヒーは美味しいとは言えず、どろどろでしょう。
このコーヒーかすが混ざった底の部分にあるコーヒーをスンッピ(Sumppi)と言います。これが元々のオリジナルの意味です。
もしくは底に残ったSumppiにお湯を足し、嵩を増やした二番煎じのコーヒーを指しているときもあります。
2回も入れるだなんてと思った方もいるのではないでしょうか。
なぜかと言うと、昔はコーヒーは高級品だったため長く楽しみたいという気持ちがあったからだと思われます。
こういった背景で生まれた「スンッピ」という言葉。時が経っても生き物のように意味を変えて今でも使われています。
そう考えると面白いですね。
さいごに
「おふざけ」フィンランド語講座、第1回目はどうだったでしょうか。
(最後のはちょっと真面目すぎたかな?)
こういった"使う場面があるか分からない無駄な語彙"でも、知ると知らないとで言語に対する印象が変わってくると思ってます。
なお1回目としましたが2回目以降続けるかは未定です。
もし書くとしたら次も変な内容を書きたいと思ってます。へへっ。