2022年の目標

目標とそこへ向かう道筋と挫折の物語

2021年末

娘がNHKで放送された映像研には手を出すな!に夢中になりました。

一緒に観ていたのですが、描いた絵が動き出す描写はかなり魅力的で
子供が観てもワクワクするのがよくわかります。

そんな時に昭和の男が思い出したのは「まんが道」

昔からマンガが好きだったぼくは、「まんが道」を読んで以降は漫画と漢字で表記するようになりました。
ただ、ぼくの場合。絵を描くことがかなり苦手でした。
漫画は好きなのに描くことはできない。
なんとなく自分でそう決めてしまっていました。

国見の伝説

話が少し逸れます。
そんな時、たまたま読んだのが元国見高校の小嶺先生の話。

私の考え方では、個人練習を1日何時間もやる必要はないと思っています。キックの練習なら、右足20本、左足20本やればいい。それを1カ月続ければ600本ずつになるわけですから。

Number Webより

一つの技術を磨いていくのは、日々の積み重ねですよね。
当たり前のことを忘れていました。
ギターだって弾けなかったけど、高校生の時にコードを覚えて毎日弾いていたら、なんとなく弾けるようにはなったじゃないか。
忘れていました。

ということで、急に絵を描けるようになりたいと思ったんです。
高いレベルを目指すわけではないのですが、ちょっと漫画を真似してみるとか、イラスト描いてみるとか、そういうことを楽しめるレベルになろうと。

ただ絵を描くといっても、何を描こうか。
当然の疑問です。
前述の「映像研には手を出すな!」でもいいと思うんですが、
せっかくなので、もっと自分の好きなものをと考えました。

なぜか思いついたのが件でした。
件(くだん)、ぼくが思いだしたのは内田百閒の短編「件」です。
あの短編がなんかとっても好きだったのです。
そんなに長くなかったし、なんなら漫画にしてみるのもいいのかななんて。
顔が牛、体が人間のミノタウロスみたいなやつ。

想像してみてください。
あなたの夫が毎日「件」を描いているところを。

想像してみてください。
あなたの父が毎日「件」を描いているところを。

そうだね、家族にはなるべく見られないようにしよう。

せっかくなので年末年始の休みに、内田百閒の短編集を購入して
あらためて「件」を読んで予習しておこう。
自然な流れでそうなりました。
たぶん、探せば本棚のどこかに「件」を含む文庫本があるとおもうけど。

「件」を読んだぼくは驚愕しました。
話の筋は間違っていなかったけれど、肝心の「件」の描写はまったく逆だったのです。
顔が人間、体が牛。

あれ、そうだったっけ。
小説を読む前のぼくが頭に描いていた「件」が間違っていたのです。
というか、そもそも「件」のこと好きだったのかも疑問に感じています。

2022年

描くはずだった「件」は描かれず、それどころか何も描いていない。
そんなものなのか。去年考えた目標はどこへいったのだろうか。
いや、前提が覆されたのだから、どうにもならない・・・。
なんて言い訳ばかりが頭に浮かびます。

そして最終的には、「明日から始めよう」と床につくのでした。

サポートをしていただけたら、あなたはサポーター。 そんな日が来るとは思わずにいた。 終わらないPsychedelic Dreamが明けるかもしれません。