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Let Them Be Known / The Ringers

濱田岳が3年B組金八先生に出演する以前に在籍していたバンドの音源を集めたコンピ
彼はバンドを続けるか、金八に出演するか相当に悩んだ上、役者としてやっていくことを決めたという。
その結果はみなさんご存じのように、現在彼は平成の日野正平とも言われる活躍をみせている。

もう令和ですが、以前に作成したものを掘り起こしました。

LAのバンドThe Ringersとガレージバンドのお話です。

Story of The Ringers

さて、The Ringersですが、もちろん濱田岳はいません。
60年代のアメリカはロスのバンドです。
これといって代表曲もないのですが、なんだか気になって購入してみたところ思ったよりもこう、心の隙間を埋めてくれた一枚となりました。
The Ringersはテキサス出身のStan Bonaccorosoがロスに出てきてなぜかRexと名乗り出して、結成したバンド。
ライナーではいきなりRexに変わっていたため、このRexは何者なのかと混乱しました。
1964-66年にかけて3枚のシングルをリリースするも、その経歴はよくあるアメリカのローカルバンドと同じで、
ローカルヒットを放つもアルバム制作に至ることはない売れ方で
ローカルでツアーを周ってそれなりに活躍をして、ある時期で解散する・・・。
はずが、解散のところが少し変わっていました。どういういきさつかペルーに渡り1970年にLPをリリースするなど音楽活動を続けた後に解散していました。
ぼくのライブラリに入っていたBack to Peruと言う60年代のペルーのバンド達の音源を集めたコンピに
1曲The Ringersが収録されていたのですが、これが同じバンドなのかは不明です。
探したらどっかにCDがあると思うのだけど、見つからず・・・、ライナーでの確認ができませんでした。

The Ringersを知ろう

The Ringersは売れたかどうかでいうと、売れてない。
間違いなく売れてないのですが、それだけで測ってしまうと本質を見誤ります。
そうです、バンドなんで肝心なのは音。
いい曲があれば、売れてなかろうが関係ありませんよね。

音の方はざっくりといえばマジービートなんです、そこまで特徴のあるバンドということではないのです。
初期のマジービート系の音から66年を経てのガレージバンド感が増幅されていく過程がよく曲に現れています。
これだと言うインパクトのある代表曲こそないのですが・・・。
でも彼らには何故か不思議な魅力がある曲があり、ぼくはそれだけでもうThe Ringersを好きになってしまいました。

いくつか心の残る曲をご紹介しておきます。

Mersey Bounce

これ、これが白眉。馬良です。
なんてことのない曲だと、最初は思ってしまうんですが、なぜかこうね。横のノリ。
ゆったりとした踊りがあいそうなこの曲にぼくは惹かれていました。
コーラスが特徴的ということもなく、至って平凡なマジービートのはずなのに・・・。
あえていうなら歌詞のCrapに合わせて、「パチン」と手を叩くところは変わってます。
そんなことよりもYeah, Yeah, Yeah, Do the Mersey Bounceと歌う彼らにつられて真顔で踊りたくなる名曲でした。この曲、よくよく聴いているとHarlem Shuffleっぽいんですよね。うん、でもあまり深追いはしないで。
後にこの曲を再録音しているのですが、そちらは派手なアレンジがなされていて、この曲本来の脱力感がなくなってしまいなんだかどうでもいい曲に成り下がってしまっています。

Echo

そしてこのEchoもなかなか心に残る曲でした。(YOUTUBEでは見つからず、ありそうだけど・・・)
無駄にリバーブのきいたYes, I will....の部分とかが、とてもね。
これも特別いい曲だ!と感動を覚えたわけではないのだけど、ふと口ずさんでしまうような曲で、
The Byrdsとかがやったらもっとキャッチーになってそれなりに売れるのかもしれません。
でもThe Ringersのなんとも物足りない感じが逆にぼくの心には響いたのでした。

見えてきたこと

こうしてみると、彼らの絶妙に足りないところがしっくりきたということなんですかね。
何かを足しても、引いてもやっぱりだめなんです。
それはイノセント、まさにその瞬間にしか生み出せなかった音。
これがガレージバンドのいいところなんだ、そう完成しているようで未完成。
そんな魅力をぼくはみつけて、嬉しくなってしまったんです。

と同時にこれはすべての愛すべきガレージバンド、ローカルバンド達に共通したものではないかと思うんです。

その瞬間、その地域で輝いていたバンドがいたということを、ぼくは知りたいのです。大層な音楽の歴史とか記録に残すとかではなく、そこにあるそのままの音を楽しみたい。

そういう点に気付いた時、ぼくは名もないバンドのカバー曲でも、そこにそのバンドの音が少しでも見えれば満足なんです。

お土産に明日話せるThe Ringersの豆知識

ちなみに濱田岳似の彼は途中加入して割とすぐに辞めたサイドギターです。
あとメンバーはみんな、なんとか・Ringerというステージネームだったようです。Ramonesと同じですね。いや、Ramonesより前なので、RamonesがThe Ringersフォロワーということになります。

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トカチェフ
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