#172投資で一番大切な20の教え
自分の投資哲学の形成に一番大きな影響を与えている本書。相場が良い時も悪い時も、自らの強みが何かまたサイクルのどこに位置しているか、そして運の影響を加味しながら、無知であることを認識し、自身の知りうるものにおいて投資を実行していきたい。クオンツ投資という分野においても、本書の哲学は大きく活かせるものであるし、何度読んでもそこからさまざまな思想が生まれてくる。
・投資を成功させるには、数多くの独立した要素に、同時に思慮深く注意を向けることが必要。どれか一つでも注意を怠れば満足できない結果となる公算が大きい。
・完全に完成された投資哲学を持って投資キャリアの入り口に立つものなどいない。
・「経験は、望んでいたものが手に入らなかった時に得られる。」
・今後、どのような範囲の出来事が起こりうるか?その中で、実際に起きると思うのはどれか?その予想が当たる確率はどれぐらいか?コンセンサスの予想と自分の予想はどのように異なるのか?
・完全に効率的な市場も、完全に非効率な市場も存在しない。ただし、非効率性は、素晴らしい投資パフォーマンスの必要条件である。
・価格と本質的価値の関係性を理解する上での鍵は、主として他の投資家の心を読むことにある。
・資産を本質的価値を下回る価格で買うことが、金儲けの中で一番確かな方法。
・未来に起こりうるリスクのほとんどは主観的で、見えにくく、定量化できないのである。リスクは、本質的価値の安定性と信頼性、価格と本質的価値の関係性をもとに判断されるもの。
・誤った水準にある相場がさらに誤った方向へ動いている時には、自分が間違っていることをすすんで受け入れる。
・時として群衆が間違っているという結論に誰もが達した様になることがある。それは群衆の行動であって逆張りではない。
・コンセンサスと異なる居心地の悪いポジションをすすんで取れる胆力と分析力が必要。
・他のものが気づいていない、あるいは評価していない資産の値打ちに目をむける。
・懐疑主義と悲観主義は同義語ではない。
・あまり知られておらず、十分に理解されていない。一見してファンダメンタルに疑問がある。反規範的と見られている、真っ当なポートフォリオに組み入れるには不適切とされる。こういった資産に価値を見出すことができれば、大きな収益機会となりうる。
・この先どうなるのかは知るよしもないが、今どこにいるのかについては、よく知っておくべきだ。サイクルの頂点と谷底で多くの投資家を完全に間違った行動へと駆り立てる群衆の振る舞いに歩調を合わせないことだ。
・投資の世界でも、起こり得なかった歴史、異なった歴史に関しての洞察をしていくことが大切である。幸運であったために起こったのか、スキルによるものなかを考えていく必要がある。
・長期的には、優れた決断が投資利益をもたらすと信じる他ない。だが、短期的には、優れた決断が投資利益に繋がらなかったとしても、冷静に振る舞わなければいけない。
・恐怖心を持って投資する、割りやすさと十分な誤りの許容範囲を求める、知らないことと自分ではコントロールできないことを認識する。