#44シンプルな戦略

投資戦略、事業戦略を考える上で、仮説のないままとりあえず走り続けるというスタンスを取ることが非常に危なく危ういものであると最近自分の中で考えていた際に出会った本。戦略はシンプルであるほど力強く、構造的問題を捉えた解決策を提示できる可能性が広がる。自分の思考方法を見つめ直す上でも役に立った一冊からの要点抜粋。

・シンプルな戦略に仕立て上げた時、問題の定義と解決策が明確に整っているために有効な解決策になる可能性が高い。

・顧客に喜ばれるか?他社との差別化を図れているか?儲かるか?という視点から愚直に答えを出すこと。WhyやHowを少なくとも3度は問いかけることで思考をクリアにする。

・ユニクロの戦略は、独自の付加価値を持った目玉商品をとにかく売ること。多彩な品揃えから見栄えの良い商品陳列になってはいるが、実際の利益で見た際には、一部のロングラン商品を消費者が何度もリピートして購入してくれているから。(スーパードライも、20-40歳代へビールを訴求して切れ味を打ち出すことで成功したブランドを確立。)

・ユニクロはカシミアセーターは330種類揃えて戦略商品を自然に手に取らせていて、売れ残りは会社間の流通整備を通じて解消している。

構造化された課題を、串刺しのように解決できる戦略を策定すること。行き当たりばったりで策定された戦略は一つ一つの課題を潰せても、飛躍を生み出すことはない。

・間違った問題設定としては、実現性がない、なんでもかんでも型、実現した後の明確なビューがない、という方がある。

・シンプルな戦略を持つことは、ぶれない経営ができ、方向性が絞り込まれ、継続性が備わる。トップのコミットから、円滑なコミュニケーションが生まれ、やがてコミュニティへとつながる。

・戦略計画とは、リスクを伴う企業家的な意思決定を体系的に行い、その実行に必要な活動を体系的に組織し、それらの活動の成果を体系的にフィードバックするという連続したプロセスである。

・戦略の構築、実行において境界条件の再定義を行う必要がある。今回の戦略構築において必ず満たすべき前提条件を再確認すること。(戦略の枠組みの整理、解きたい問題の課題整理につながる。)境界条件をあえてとってみる、または他の業界のものを当てはめてみるという自由な発想をして、問題の構造を把握する。

・構造化とは、多くの問題を(その多くはトレードオフになっていることもある)まとめて解くために必要な手がかりである。

・戦略の策定、現状認識、問題の構造化をしたら、それらに真っ直ぐ答えるような解決策を正面から考えること。

・ファクトに忠実に、謙虚に対峙すること。WhyやHowを繰り返す過程で煮詰まってもそこで安易な解決策を求めず、考えることに徹すること。

・意思決定では、決めきる覚悟、強さ、潔さが必要。リスクを取る際の決定内容を明文化して残しておくことを試すべき。

・トップが今は無理とも思える課題をぶち上げ、それを実現するための戦略を描き、自身の言葉で、思いをのせて語ること。シンプルな、洗練された戦略は、組織に活力をもたらす。

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