#26投資で一番大切な20の教え byハワード・マークス

自分の投資への興味を引立て、常に学びより良い投資家になろうと思わせてくれたハワード・マークスの名著。もうn回読んでいるが、その時々の市場と考えから読むたびに新たな発見がもたらされる。サイクルを意識することの重要性、リスクの定義、リスクの向き合い方、そして我々がおかしがちな誤りを網羅している。仮想通貨運用をするにあたっても、リスクを回避しながら、期待リターンの高い勝負をすること、皆が高じている時にその波に同調するのではなく、二時的思考をすることでアウトパフォームすることを狙うことを鉄則となる。以下、ノートでまとめるのは初めてなので要点の抜粋。

・とどのつまり、投資家の仕事とは、利益を得るためにきちんと理解した上でリスクを取ることだ。

・オークツリーの成長の原動となったのは、40年以上かけて磨きをかけ、積み上げてきた、そして同じ文化と価値観を共有する極めて有能な人材によって誠実に実践されてきた実効性のある投資哲学である。

・経験は望んだものが手に入らない時に手に入る。

・投資というゼロサムゲームに足を踏み入れようとするのなら、上位半分に入る成績を上げる自信がなければいけない。コンセンサスをアウトパフォームする自信はあるか、またあるなら何を持ってあるとするのか。

・並外れたリターンは、二次的思考を巡らせた結果生じるが、コンセンサスとは異なっており、自分の推論が時間の経過とともに正しいと分かった時に初めて良い結果となる。

・非効率な市場は、著しいバリュエーションの隔たり、一部の投資家が常にそのほかの投資家に対して参加者間の技術、情報の格差によりアウトパフォームしている状況で生まれやすい。

・高リスクだから高リターンを得られるのは、高リスクではない。
スキルを持った投資というのは、リスクを減らしながら、調整前と同様のリターンを得ることにある。効率的な市場では達成し難いが、非効率な市場では、同様のリスクをとってより高いリターンを得ること、またはより低いリスクをとって同程度のリターンを得ることが可能である。

・率直にいうと最良の投資とは暴落時にどんな価格でもとにかく売らなければいけない人から買うことである。一方で、このような状況は危機時か、バブル期という、まれにしか訪れない極端な状況でのみ出現する。投げ売りする方には絶対になるな。もちろん、自分もこのような状況では心理的影響を免れないことを覚悟すること。その中で意思決定をできるか常に考えなければならない。

・リスクの本質は、常に起こったことよりも起こり得たことの方が多かったということ。

・オークツリーは、投資を分析し、リスクを評価する高度な能力を持った専門家を雇い、ポートフォリオを適度に分散化している。そして実際に投資をするのは、リスクへの見返りを遥かに上回るリターンが期待できると確信した時のみである。

・リスクは金融工学ではボラティリティという言葉に集約されているが、起こりうるシナリオを考えた際に、お金を損するということである。

・ほとんどの物事にはサイクルがあることがやがて判明する。利益や損失を生み出す大きな機会は、周りのものが、サイクルの存在を忘れた頃にやってくる。

・サイクルには自律調整能力があり、反転するのは一方向に進み続けること自体が反転の理由となるからだ。

・先見の明がある一握りの人が、状況が良くなると考え始める。次に多くの投資家が実際に状況が良くなっていることに気づく。最後に全ての人が状況が永遠に良くなり続けると思い込む。

・思慮深い一握りの投資家が、強気相場の中にあってもそれがずっと続くことはないと認識する。次に多くの投資家が状況が悪化していることに気づく。最後に、全ての人が状況が悪化の一途を辿ると思い込む。

・投資家は心理的な要因の影響を注意深く見なければならない。強欲、恐怖がいき過ぎたマーケットを、嫉妬が皆に同調させることを、自己欺瞞が銀の弾丸を信じさせること、自惚れがリスクの取りすぎを助長することを肝に銘じるべきである。

・投資の素晴らしさの一つは、損を出す投資をした場合にしか、目に見える形で不利益を被ることはない点。損を出す投資をする機会を見送った場合、それはもちろん不利益にはならず、むしろ得をしたことになる。チャンスを掴みさえすれば良い投資家は、見逃し三振でアウトになることはない。

・投資は、プロテニスが勝者のゲームであるのと異なり、敗者のゲームである。つまりいかに損失を抑え、期待リターンが低い時には、過剰なレバレッジを用いて勝負しにく、サイクルの存在を忘れて投資する、よりリスクの高いものに投資をする、という方法が報われることが、一時的にはあっても恒常的には無い世界であるということを肝に銘じること。損失を回避することが自ずと全体の収益率を高めるのである。


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