#60 NFTの教科書
NFTに対して人々が価値を見出すロジックは、自分が好きな世界の中で真に土地や資産を所有することができるからである。また逆にこういった欲望が存在しなければNFTに対して価格がつくことは考えられない。金余りの時代だからこそ生じた現象でもあるかなと思っていましたが、一方で知的財産権を守る手段としても今後大きなうねりを見せてくれうる分野。インターネット黎明期には自分は小学生に上がる前後で全く記憶がないわけですが、この仮想通貨、ブロックチェーンの大きな波に関わっていたいなと思います。本書からいか抜粋。
・NFTビジネスはIPビジネスであり、日本は世界に誇れる成果を数多く出してきた歴史を持っている。
・NFTの価値を作っている一大要素としては希少性が挙げられる。同時に、メタバースの中に対しては、価値の希少性の担保、アプリケーションを越えて所有を行使できること、実質的な価値を持つという重要な要素が挙げられます
・メタバースの定義として下記を考えると理解がしやすい。
永続的であること(一時停止やリセットが存在せず無限に続いていくこと)、同期的であること(実社会と同じく同期的な状態)、無限の同時接続ユーザー、個人および企業が価値を生み出し報酬を得られる経済圏の存在、実社会と連続
・従来、ゲーム内のデジタルユーザー生成コンテンツは当たり前だが中央集権型のゲーム管理会社に主権がわたるものであったがこれをユーザーに移転することができるようになった。(こういった背景からWeb 3.0がもてはやされているのだろう。)
・Play to earnのエコシステムに関して。販売促進という意味では、次のような手段が挙げられる。リソースコレクター、仮想空間建築士、キュレーター、イベントプランナー?!実世界と多くが交差した形で収益機会を生み出すことができる
・リアルなトレーディングカードをNFT化、デジタル化することにより、販売された時点の鮮明な画像、動画等がそのままでいつでも見られるというメリットが存在する。「モノ」自体には盗難や偽造のリスクもあるが、NFTは取引されるたびにブロックチェーンに履歴が記録されるため、偽造リスクも抑えられる。
・NFT化することで、一次市場がメインだった環境から、流通市場へも進出することでマーケットを作ることに成功した。
・NFTアートとアートNFTは違う。前者はNFT化されたアートを指し、後者はアートのトークンを示すもの。現行の著作権法においては、対象となる作品などを著作物と定め、通常著作物の作者へ著作権と著作者人格権が発生する。
・アートNFTを保有しているからといって、NFTアートの著作権を保持していることにはならない点に関しては注意が必要。また実際のケースではかなり厄介な例も多々存在している。例えば著作権を持ったAがマーケットプレイスXで購入者BへNFTを販売した後、AがA2に著作権を譲渡した場合。BはA2に対しても版権請求権を持ちうるが、BがさらにB2に販売した場合は自明でないなど。
・アーティストAがNFTを異なる二つのマーケットプレイスで販売した場合にも、権利が競合することがありうるし、購入した2者間の権利の所属に関しては非自明である。
・暗号資産とは、物品・役務提供の代価の弁済として不特定多数のものに対して使用でき、かつ不特定のものとの間で購入・売却をすることができる、電子的に記録された財産価値であって、本邦通貨、外国通貨および通過立て資産に該当しないこと、が定義として存在していて、上記の一つ目を満たす場合は一号仮想通貨、そのほかを満たす場合は二号仮想通貨という呼ばれ方になる。NFTの場合は限定的な使用用途が想定されるので、二号仮想通貨の枠組みの中の議論になりうる。
・知的財産などの無形資産をデジタルで特定し、希少性を与え、誰にでもアクセス可能にし、流動化をさせるための技術。