#152トレンドフォロー白書
CTA戦略は一言でまとめると分散化されたトレンドフォロー戦略になるのだが、その中身に関してごく簡単なモデルを用いても複製することが可能であることを示した本書の衝撃は自分の中では非常に大きかった。戦略の策定と、実行、心理的な影響を取り除くこと、そして規模を拡大するために必要なことを実行し続けることが、ファンドの成功につながることを肝に銘じる。
・CTA戦略は分散されたトレンドフォロー戦略。主要なアセットクラス全てを網羅した上で、分散を図りながらトレンドにのることを目指す。
・高く買って、それよりも高くうる、もしくは安く売ってさらに安く売ること。
・ヘッジファンドを立ち上げ、あなたのお金に加えて外部からのお金も引き受けることができれば、所得能力は劇的に上昇する。
・あなたの戦略は売り物になるか。自分のファンドが何をするのか、どう違うのか、リターン特性やボラティリティ特性がどのようになっているかを考える。
・トレンドフォロワーの中身に多少の差異はあったとしても、中身としては非常に近いことを行っている。戦略を複製することはそこまで難しいことではない。ただ、ファンドを立ち上げて大きくした起業家は賞賛に値する。
・トレンドフォローの基本的な考え方として押さえていかなければならないのは、分散(セクター割合をどうするか)、ポジションサイジング(ボラに基づいてどのように決定するか)、タイムスパン、リスク水準、単一か複数の戦略かどうか。
・ポジションサイジングにおいては、本書は下記の公式を用いて各資産におけるアロケーションを考えている。
0.2% ✖️資産 ➗ (ATR ✖️先物ポイント値)
・移動平均線のゴールデンクロス、デッドクロス、n,m日の高値安値のブレイクアウト戦略(n日の高値安値を超えた時にエントリー、m日の安値高値に達したらクローズ)でもこれらのファンドに非常に似たリターン特性が複製されることを確認した。パラメーターの安定性などそのほかいくつかの指標のチェックを行うことが大切。
・トレンドフィルターとブレイクアウト戦略の組み合わせと損切りを3ATRユニットに設定する。
・大手のヘッジファンド戦略のほとんどが、投資ユニバースを変化させることと、ポジションサイジングのリスクファクターを調整することによって可能になるという点は目を見張るものがある。
・イントラデイトレンド戦略と組み合わせてみるのも一つの手になるかもしれない。
・トレンドに対してより多くのプログラムが反応するようになってきたため、一旦シグナルが出た際には値幅も大きいが、損切りシグナルが出た時に皆がより売り急ぐためになかなか難しくなる。
・ポジションを取らない時のリターンの確保が難しくなっている点にも注意。