#164成功は一日で捨て去れ

柳井さんが会長から社長をやりに戻った後のユニクロがいかにして成長軌道へ戻り、フリースの成功とその後の衰退を乗り越え、自社のアイデンティを作り変え成長していったかを語ってくれた本。中国への進出での当初の失敗、ロンドン店では自分たちの方法を徹底できずに失敗、トマトやフルーツ栽培にも手を出すが、それもうまくいかないなど、たくさんうまくいかないことがあっても、現実を直視し、冷徹なまでに語りかけてくる数値と睨めっこしながら、何を改善できるかを考え努力を重ねてきたからこそ今のユニクロがある。今のままで逃げ切りたいという思考に陥った際に喝を入れてくれる一冊。

・ちょっとした成功ならすぐに捨て去るくらいの強い意志が必要。一番大事なお客様そっちのけで、小さな成功だけで満足しては行けない。

・革新的なことに挑戦した結果の「減益」ではないので、最悪だ。

・常に正常な危機感を持って経営しなくてはならない。会社を成長発展させようと考えたら、「現状満足」は愚の骨頂。

・創業者なので会社はそう簡単には潰れないと思っていて、一種の賭けのような意思決定も行う。

・結果的に安定成長はあり得るが、最初から安定成長を望んでは行けない、という意味だ。

・全ての仕事の終結点も現場、現物、現実であると思う。

・ビジネスの世界では、早く駆け抜けないとそこには死が待っています。会社も個人も本当に有効な施策を最速で実行し、生き抜いて、成長していくためには、各自が自問自答して最適解を見つけなければなりません。

・毎日、誰よりも真剣に自分の商売をしていますか?現場を誰よりも熟知していますか?問題点やかだおを現場で見つけていますか?現物を手に取って、自分の目の前で商売していますか?最悪の現実を理解しながら、最適な解を考えていますか?

・企業経営は、何でも実際にやってみないと分からないことが多い。完全なものができるまで待っていたら、何もできない。

・リスクを正面から100%自分で取って、人より少しでもうまく経営する。そうすることによって儲かる。

・ユニクロは低価格をやめます。価格に対して非常に良質なものを提供できているのが、利益の源泉になっているはず。

・毎週毎週の打ち手、毎日毎日の打ち手を確実に打つ。そうすれば業績は回復するものだ。

・事業が成功する秘訣は、社会の大きな流れを見て、その環境に合わせて自分自身を変えられるかどうかです。

・上司としての自覚、部下育成への責任感、人間の心に対する感受性、相手への気遣いが圧倒的に足りません。本当に、この上司と一緒に仕事をすると楽しくなると部下が考えるそんな上司に是非、全員なっていただきたいと思います。

・分析して計画しただけて仕事をやったと錯覚してしまう人が、組織が大きくなると増えてくる。詳細に数値分析することだけに生きがいを感じている人も増える。

・成功の復習に意味はない。その現場で活かせるように知識を昇華させる必要がある。

・ここが間違っている、僕がやってみせるから、あなたたちもこれを見て覚えなさい!のようなことを経営者自らがやらないと変わらない。

・商品を開発する際に、値段以外の訴求ポイントをいかに実現するか。その点で素材という観点を当てた。

・ヒートテックの素材は、一着3-4千円したが、それに改良を重ね続けた結果(8-9年近くの時間がかかっている)商品の枠を自由に変えてみることが新たにヒット焦点を作るきっかけにもなる

・何が売れる要素か突き止めるのは難しく、この要素が揃っていれば確実に売れるというのもないと思う。科学的・分析的アプローチと、アート的な要素の組み合わせがなせる技なのだと思う。

・成功の方程式など存在しない。対照的に、現場主義を徹底的に磨き込むという地道な作業が尊ばれている。

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