#116日本テクニカル分析大全

テクニカル分析のバイブルと言われる本書。ファンダメンタルではなく、事象から相場の局面を判断する際の良い指針となる材料を余すことなく列挙しており、総括的なまとめとして非常に良書である。いわゆるチャートパターンに関する記述よりも相場サイクル、特に投資サイクルに関して新たな発見を列挙しておく。

・長期サイクルの繁栄時代と困難時代を統計的立場から最も明瞭に区別する特性の中には物価と利子率の長期的変動が挙げられる。繁栄時代には物価と利子率は上向き。(アメリカでの事例)

・30年周期や60年周期の基本的原因として挙げられるのは、人間の精神的心理的作用が相対的には世代を通じて一定で、あまり変わらないという点に求められる。

・金融相場のメインエンジンは、金融緩和、金利低下であり、金融関連株、公共サービス関連株、財等関連株が牽引

・相場のサイクルには、在庫循環、設備投資循環、建設投資循環、技術革新循環が待っている。在庫循環においては、意図せざる在庫が積み上がると経営者は在庫削減のため生産を抑制。(3-5年)銅や鉄鋼業。設備投資は利益率の拡大初期に誘引されて増加。

・鉱工業指数と経済の相関に関しては、経済が回復基調を見せると、鉱工業生産も回復傾向を示し、逆に経済に悪い調子が出始めると、鉱工業生産も原則の兆しを見せる傾向にある。

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