#200 マーケットの魔術師システムトレーダー編
仕掛け、手仕舞いを始め、最適化、リスク管理の裏にどのような思想が入っているのかを非常にわかりやすく自身の言葉で語ってくれる、歴戦のシステムトレーダーからの知恵には頭が上がらない。システム、テクニカルトレードといっても、その裏には人間の感情があり、やはり効率的に非効率な市場が存在しているのだということを忘れてはいけないだろう。全員どのような力学で動くかに関してよく理解をしていて、挙動が想定通りに動くものを用いており、複雑さを対処する術を持っている人々であることは、自分が目指していく方向が正しいことを確認することにもつながった。記念すべき200冊目、ここからも力を入れて邁進していこう。
・きちんと動くと自分が知っているものを見つけること、持続的に役に立ってくれる得意分野を見つけることが相場において成功するための第一歩となる。
・リスクに関しても詳しい理解をする必要がある。
・幅広い市場にたいして基本的な思想面では似たような発想で戦略に落とし込めることが良い。
・DDは想定の2倍は大きくなることを念頭に入れておく(レバレッジの上限は算出されたものから半分にしておく)
・ポジションに異変が生じたら閉じる権利を常に持っておくこと。
・手に入る限りのデータを使ってより長い年月にかけてワークする戦略を構築することが必要になる。
・ボラティリティが何か重大な点で変化して、そのままの状態が続くとすれば、仕掛けのポイントでのサイズを大きくしたり小さくしたりする。
・トレンドに関しては、短期中期長期でそれぞれを分けた方がトレンドの時間分散になる
・裁量トレーダーは自分の判断力と精神状態に対して大きなベットをしていることになる。
・相場には人間の性質、恐怖と欲望の総体が現れるわけです。それをみて、自分の人間的性質が刺激され、影響を受け始め、それがモメンタムに繋がる。トレーダーで最も大きな成功を収める人はそういった人間的な性質に逆らってトレードをすることができる人。
・実行の一番難しいトレードが一番の利益に繋がる。
・移動平均線、n日ブレイクアウト、モメンタム・エントリー、MACDなどは、どの指標を使っても大体同じようになる。マネーマネジメントとリスクコントロールにこそ大きな時間を割くべき。
・アイデアを複数の市場で検証するということ、検証を特定の時間枠や特定の時期の銘柄に限定しないようにすること、選んだパラメータ以外のどんな副次的なパラメーターを使ってもそれなりに利益が出ること(数値を大きく変化させる)を確認することは過剰最適化を避けることに繋がる。
・富を作り出すのは、システムではなくマネーマネジメントです。
・相場はひどく非合理的で、完全ということがなく、神の手もなく相場操縦家もいないと考えています。
・ラリーウィリアムズは相場がラッキーな時期があることを認めているが逆にいうとそういったチャンスが到来する期間があるということでもある。
・相場でも人生でも物事は理由があって起こるもの、システムの裏にどのような動機があるかを調べること。
・直感型トレードや裁量型トレードは結果的にそれまでの実績を全て消失させてしまう可能性がある。何か起こった時にヘッドライトの中の鹿のようになってしまうからであり、メカニカルなアプローチはそれを避ける役割をもたらす。
・市場においてショックと言われることが起こることがある。だからこそ市場を分散させることが鍵となることがあった。
・バックテスト結果をMCMCにかけて考えることで真のドローダウンに関する示唆を得ることができる。
・長期のパラメーターセットを使って長期的に稼働すれば、素晴らしい結果を生むものもあれば、短期のパラメーターセットを使ってようやくうまくいくものもある。
・損する可能性が高い時間帯においては深入りしすぎないようにするための、スイッチシステムのようなものを開発することができるだろうか。
・ボラが低く行ったり来たりの時には、違う行動をとることで、ダウンを抑えることができるだろうか。
・ボラティリティは相対的ボラティリティを使う。
・マーコウィッツの効率性によって、損益を滑らかにしてくれる戦略があるかを検討する。
・トレンド相場ではどんな移動平均線でもうまくいく。実は基本的な4~5種類のシステムの成績が一番良かったことがある。
・株価の動きは時間と関連する二つの主要部分に分けられる。長期であれば収益、短期であれば、PER。このようにトレード対象のものの価格ドライバーが何であるかを確認する必要がある。
・トレンドフォロー戦略は、大衆の感情の変化から生まれるものです。
・見かけでどんなに単純でも10個ほどの変数があるんです。それぞれのパラメーターがどのようなドライバーになっているかを考える。
・戦略の評価をする時には、原資産のボラティリティでスケールさせて同じ土俵で比較する。
・取引をする市場を決めることは非常に大きな仕事になる。1970年代の先物市場においては、レバレッジが簡単に調整でき、資金借りのコストが極端に低かった。
・登場人物のうちの一人は投機資金が潤沢にある友人にかけあって、頼み込んだが最初はノーだった。めげずに頼み込みを行なって、パートナーシップを設立するところからスタート。
・外で起こっていることには責任がない。あるのはシステムにのみ。また、これらは長期的にみて大体良いものを運んできてくれる。
・チャートを見ただけて、これはランダムではないと察した。
・仕掛けは非常に難しくして、手仕舞いは簡単にするのが良い。