#237, 238 反脆弱性 上・下

反脆弱という概念に初めてふれたが、投資戦略や自らのキャリアを創出していく際に欠かせない概念なのだと思う。変動性があるからこそ逆に強固になる、ばらつきを味方につけられる設計は、会社、チーム、人間関係にも応用のきく概念であり、これから自分が物事を見るときに鍵となる考え方を渡してもらった気がする。

・衝撃を利益に変えるものがある。そういうものは、変動性、ランダム性、無秩序、ストレスにさらされると成長する。これを反脆弱と形容する。

・有機的なもの、複合的なものと、無機的なものの違いはこの反脆弱性があるかないか。

・社会を脆くし、危機を生み出している主犯は、身銭を切らない人たち。医原病という言葉があるくらい。

・地球は40億年ちかく存在しているわけだが、完璧に頑健なだけではダメで、ランダムな事象、予測不能な衝撃、ストレス、変動性を敵に回すのではなく、味方につけ、自己再生し続ける仕組みを持つ必要がある。

・希少な事象や災害が、別の事象より起こりやすいと信頼性を持って述べることはできないが、ある事象が起きた場合にこっちの構造がより脆いというのはできる。

・複雑なシステムほど想定外の影響が連鎖的に膨らんでいく。シンプルで精錬されているほど豊かなシステムになる。

・脆弱性の真反対な言葉は認識されるのが難しい。未開社会では色を表す単語が少なかった。

・イノベーションを起こすには、致命的にならないくらいに自分からトラブルに足を突っ込むこと。

・洗練は飢えから生まれる。困難が才能を呼び覚ます。

・最高記録の更新に取り組み、あとは休んでマフィアサイズのステーキを平らげる。適応度を超えた反脆さの具体例になる。

・情報や思想は反脆さを持っている

・今まで私たちに一番利益をもたらしてくれ他のは、私たちを意図的に傷つけようとして結局は失敗した人たちなのだ。

・反脆さには階層構造がある。システム全体を反脆くするためには、システム内部に脆い部分がなければならない。

・反脆いのは遺伝情報自体であって生物単位ではない。

・スイスは国民に大統領の名前を訊ね、正解率を集計してみるといい、ほとんどわからない。それくらい分散化されており、逆説的だが政府がないから安定している。

・有害性の証拠がないことを有害性がないことの証拠としてはいけない。

・ローマ帝国やオスマン帝国が地域の自治を認めたのは、相手の自由を尊重していたなんてことではなく、各自が自分たちの地域を収めた方が楽だから。

・エンジン速度の厳密な制御が不安定性につながることをマクスウェルはモデルかしたが、これはそのほかの事象にも言えること。

・システムにランダム・ノイズを注入し、その働きを向上させるという考えはいろんな分野で応用されている。確率共鳴と呼ばれるメカニズムでは、ランダムノイズを加えると音をよりクリアに聞くことができる。カオス系はランダム性を与えることで安定させることができる。

・医療ミスによって自動車事故の3~10倍の人が亡くなっている。医師に起因する死はどの種類のがんよりも多いとされている。

・物事をうまく機能させるには私たち人間の力が必要だという考えを疑うべき。

・システムに自然に備わっている反脆さを無視しないこと

・無為という概念に近い

・成功は非対称性を生み出し、人間を脆くするが、セネカはこれらを無かったこととして認識するようにした。

・アップサイドとダウンサイドの非対称性が反脆さの源泉。

・人間はこっちが何かを与えてやるまで何が欲しいのかわからないことが多い。目的論的な誤りを犯すことが多い。

・非対称性が有利に働いている場合には、何がどうなっているかを理解する必要などない。オプションはダウンサイドよりもアップサイドを多くし、反諸さを促進するわけだ。

・人生はロングガンマだ

・重大な発見は実践を通してしかえられない。

・複雑な手法を詰め込めば詰め込むほど、初歩的な物事を見落とす可能性がある。行動は物事の確信を浮かび上がらせる。

・ある職業で成功する極意があるとすればそれは教科書以外のところで得られると思っている。

・定義の示すイデアを理解しない限り、何も理解することはできないというプラトンの主張に繋がった。

・自分に理解できないからといって不合理とは限らない。

・無文字社会には独自の具体の科学が存在する。物体とその二次的な感覚的属性の観点から環境を統合的に考察する方法であり、現代の科学的アプローチの多くと比べても一貫性に劣るわけではない。

・実践することは私たちが思うよりも賢明な方法だ。

・脆いものについて言えば、衝撃の強さが増すに従って、被害の増す度合いは大きくなっていく。

・脆いものについて言えば、小さな衝撃がもたらす累積的な影響は、その合計と同等な一回の巨大な衝撃がもたらす影響よりも小さい。

・反脆いものについて言えば、衝撃の強さが増すに従って、利益の増す度合いは大きくなっていく。

・効率性を求めすぎるとブラックスワンの影響がより大きくなる。

・脆弱性が非線型性や凸効果によって直接もたらせること、凸性は測定可能

・変数の変化があった際にどれくらいの影響があるのかを調べる必要があり、良い凸性があれば長期的にはうまくいく。

・引き算的な知識を持つことが必要である。

・少ないほど豊であるというヒューリスティックス

・反脆弱な技術は長く生きればより寿命が伸びる傾向にある。

・未来は過去にあるし、過去のない人間に未来はない。

・威厳は自分で掴み取ってこそ価値がある。威厳を獲得するために代償を払ってこそ価値があるのだ。

・エージェンシー問題は他者を犠牲にしてオプション性を手に入れているかどうかという問題に帰着される。

・社会や経済の進化は卑劣な方法で訪れる。突然前触れもなく、急激に。

・ドクサ的な方法でその理論を信じ、当然の結果を受け入れるという誓いを立てたもの。

・組織には道義心がないが、個人にはある。

・真の自由人とは意見が自由に言える人間のことだ。

・合法的であれば倫理的なのか?


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