#24 Zero to ONE by Pieter Thiel
シリコンバレーを代表する起業家であり投資家である、ピーターティールのZero to ONE.実際に自分でビジネスを行なっている人もそうでない人にとっても、現状を捉える新しい武器を渡してくれる本。特に、曖昧なリスク回避志向を強く断罪し、具体的で原理原則に根ざした方法でビジネスを捉えることを促している。普段から、世の中一般の人が賛成することはほとんどいない大切なことは何かということを考え続けて、人生を自分のものに復活させなければいけない。
・「賛成する人がほとんどいない、大切な真実はなんだろう」
・未来は今とは違うが、今の世界が元となっている。上記の問いに答えるアプローチは、通常とは異なる視点で現在を見ること。未来へ視点が近づけば近づくほど、良い答えになる。
また、現状を正しく捉えるためにも重要な問いになる。
・ドットコムバブルの崩壊からの4つの教訓として、
少しずつ段階的に前進すること。
無駄なく柔軟であること。
ライバルのものを改良すること。
販売でなくプロダクトに集中すること。
があるが、実際に大事なのは、
小さな違いを追いかけるより大胆にかけた方がいい
出来の悪い計画でもないよりはいい
競争の激しい市場では収益が消失する
販売はプロダクトと同じくらい大切だ。
・グローバリゼーションは水平的な変化。イノベーションは垂直的な進化。
ほとんどの人はグローバリゼーションが世界の未来を左右すると思っているけど、実はテクノロジーの方が遥かに重要だ。
・独占企業の特徴として自社独自のテクノロジーがあるが、二番手よりも少なくとも10倍は性能、優位性で優れていなければならない。Amazonは10倍の本を一気に揃えた。
・規模の経済と、ネットワーク効果も大事な要素である。ネットワーク効果は小さく始めないといけない。
・ニッチ市場を創造し、支配したら次は関連する少し大きな市場に徐々に拡大してゆきべき。Amazonは意図的に本から始めたが、最初から小売業を支配する計画を持っていた。
・人生は宝くじではない。曖昧な結果を楽観的な態度で期待しても自分の元に幸運が訪れることはない。何か良いことは確かに訪れるかもしれないが、自己矛盾を抱えていることを認識するべき。曖昧な結果を悲観的な態度で想定すると、進歩から遠ざかる。具体的な結果を悲観的な態度で想定することはリスク管理の第一歩だが、悲観すぎるとコピーばかりで何も進まない。運の要素を認識しつつも、自分が目指すものを具体的に思い描き、楽観的態度で目標へ進むことが必要となる。
・起業は、君が確実にコントロールできる、何よりも大きな試みだ。起業家は人生の手綱を握るだけでなく、小さくても大切な世界の一部を支配することができる、それは、「偶然」という不公平な暴君を拒絶することから始まる。人生は宝クジじゃない。
・下手な鉄砲も数撃ちゃ当たる作戦では、たいてい一つも当たらずに、ポートフォリオはゴミの山になってしまう。ベンチャーのリターンは正規分布ではない、むしろ冪乗則に従う。一握りのスタートアップがそのほか全てを上回るリターンを叩き出すのだ。
・隠れた真実を探すことが、独占的な企業に近づくこと、自らの利益を守り、企業を発展させていくことの第一歩となる。しかしながら、隠れた真実があると信じる人がとても少ない。漸進主義、リスク回避(自分が見つけたものが正しいがその他の人はそれを真と認めていない。それに人生を捧げるのはとてつもなくつらい。)、現状への満足、フラット化(グローバリゼーションが進み、他の誰かがどこかで既に見つけてしまったのではないか)といったことが隠れた真実を探すことから人々を遠ざけている。
・競争は資本主義の対極にある。独占企業は注目を避けるために独占状態を成るべく隠し、競争企業はわざと独自性を強調していることに気づくはずだ。
・優秀な起業家は、他の人が知らない真実の周りに偉大な企業が築かれる事を知っている。偉大な企業とは世界を変える陰謀だ。
・未来価値の創造に向けて人々を一致させるルールを作るチャンスは、そのスタートにしかない。
・僕たちは一緒に働く事を心から楽しんでくれる人たちを雇うことにした。才能は勿論必要だけれど、それよりも、他でもない僕たちと働くことに興奮してくれる人を採用した。
・グーグルでも他の会社でもより高給でより高位な地位につける人が君の会社で20番目に入社してくる理由は何か?君のチームのどこが優れているか?君の会社の使命は他社にないユニークなものか?それを創業者がワクワクして語ることができているか?
・とてつもなく優れたプロダクトを作ったからといって飛ぶように売れることはないし、そこそこ売れるだけでも素晴らしいこと。エンジニアやプロダクトの目標は究極の商品を作ることを生きがいに掲げる。しかしながら、世の中に隠された真実とは、世の中の全ての分野のあらゆるレベルが本当は営業に動かされているということ。社会が隠そうとしていること。
・大学の教授も、弁護士も、基礎研究を行う人も、営業活動をしている。
・一人の顧客から得られる生涯利益が、一人当たりの新規顧客獲得費用の平均を上回らなければいけない。