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【有料】中長期投資における優良銘柄の見つけ方10(IR分析)

【注意事項】

この連載は、過去10年以上におよぶ株式投資の中で得てきた教訓や身につけた財務分析手法について明文化し、自分自身で何度も読み返して、改めて肝に銘じるために書いているものです。
そのため、一般の方がお金を出してまで読む価値はないと思います。

また、仮に読むとしても、記事単体で買うのは勿体ないと思うので、メンバーシップ(月額)に入った上で、過去記事をすべて読んだ方が得するだろうと思います。
いずれにしても、個別銘柄の推奨などは一切行っておりませんので、あまり期待せずにお読みください。



小話


先月から、メンバーシップ記事の分野を広げて、資格やキャリアに関することまで書くようになったのですが、それによってメンバーの数が2倍以上に増えました。
ありがとうございます。

とても励みになるので、時間がある時は極力記事を書こうという気持ちにさせてもらっています。


ただ、今後も私の中で最大価値を発揮していると思っているのはこの株式投資に関する記事です。

投資を行っている人は実感としてわかると思いますが、投資家の本当のノウハウはまずもって世に出てこないので、私の中ではそういう知識にこそ最も高い価値があると考えています。
投資仲間とノウハウに関する情報交換を行うことがありますが、やはりプロ投資家の視点というのは極めて参考になります。

同じようなことが別の書籍で書いてあったとしても、それが単なる雇われアナリストが言っている話なのか、実績をすべて知っている投資仲間の話なのかで重さが全然違います。
彼ら自身が身銭を切って得てきたノウハウには、その人の人生という価値が乗っかるのです。
そういう知識こそが生きた投資知識であり、投資ノウハウです。

私はそういうものを強く好むので、今後もメンバーシップ記事の最重要連載はこのシリーズだと考えています。
私自身もこのシリーズに書かれている知識を活用することによって毎年利益を得ているので、知識の価値自体は投資実務で実感しています。

活用の仕方は人それぞれですが、上手く活かしてもらえると嬉しいです。


ということで今回も書いていきましょう。




IR分析の重要性


今回のテーマはIR分析です。

IRというのは、Investor Relationsの略称で、投資家との関係構築を意味します。

今や懐かしい話ですが、私も元上場企業の法務部長だったので、IRとは他社を含めて多く関わってきました。
本当に大変な職種で、東証とのやり取りもほぼ毎週のように発生します。
IR資料では、ほんの1文字違うだけで意味が変わったりするので気も使います。

そのIRの業務の内、最も重要なものは機関投資家との関係構築です。
私のような弱小個人投資家なんて実際のところ眼中にないというIRも非常に多いですし、それで良いと私は思っています。

株価に与える影響力という意味で、機関投資家は最強なのです。
彼らが「この銘柄はダメだな」と判断したらもう厳しいです。
株価が上がることはほぼないと思って良いかと思います。

逆に、彼らが「この銘柄の将来には期待できる」と思ってもらえたら、保有リストに含めてもらえるので、一気に株価が上がることになります。
彼らは数百から数千億円の資産を動かしているので、保有銘柄リストに含めてもらえるだけで株価が一気に上がっていくのです。

私達の用語でいうと、株価のステージが変わるという状況です。
機関投資家が長期保有してくれると、底値が文字通り一段階上がって、違うステージの時価総額になります。
そうやって徐々に時価総額を上げていければ、創業者及び自社株を保有している従業員たちはよりお金持ちになりますし、我々株主もホクホクします。
だからこそ、IRのメインの仕事は機関投資家から気に入られることです。

株価を安定させるのも、上昇させるのも、下落させるのも、機関投資家のお気持ち次第です。
それくらいの資金力を持っている集団です。

これを前提にしてIR資料を見ていくと、その会社のIRの実力がある程度わかります。
プロの機関投資家たちときちんとやり取りできるIRなのか、という点がIR資料に滲み出てくるのです。
レベルの低いIRしかいない会社に将来性はほとんどないので、IR資料がポンコツの時点で投資対象外です。

では何をもってポンコツ資料となるのか。

今回の記事では、私がIR資料を見るときに、どういう視点で見ているのか、具体的には「こういうIR資料を出している会社の銘柄は買わない」という話をしたいと思います。

買う銘柄のIR資料は個性豊かで様々な形式が存在するので類型化しづらいところがあるのですが、ダメなIR資料というのはある程度決まっているので類型化できます。
個人投資家にとってはとても重要な情報だと思いますので、今回まとめておこうと思います。

なお、以下に挙げられていることに該当するIR資料ならその時点で完全にアウトで絶対に買うな!と言う話ではないので、その点にはご注意ください。
最終判断は各投資家が自己責任で行うべきです。

ただ、少なくとも警戒レベルを引き上げた方が良いとは思うので、そのくらいのニュアンスなのだと思って読んでください。


では、これ以降からが有料ゾーンです。


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